第4回日本山岳遺産サミットを開催 全国4箇所の日本山岳遺産認定地を発表

PR TIMES / 2013年11月1日 12時39分



インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:関本彰大)と、同社が2010年に設立した日本山岳遺産基金では、10月23日(水)に「第4回日本山岳遺産サミット」を開催し、2013年度の日本山岳遺産認定地を発表しました。


■第4回日本山岳遺産サミット開催

日本山岳遺産基金は、10月23日(水)に時事通信ホール(東京都中央区)にて、「第4回日本山岳遺産サミット」を開催しました。
第1部では、日本山岳遺産基金の2013年度の活動報告と、本年度の日本山岳遺産認定地を4箇所発表し、認定団体の代表者による活動紹介を行いました。
第2部では、登山家の田部井淳子さんによる「東北の高校生と日本一の富士山に登って」と題された特別講演を行いました。


写真=登山家・田部井淳子さんを中心に、アドバイザリーボード、認定団体代表者と基金役員


■日本山岳遺産とは

日本山岳遺産基金が、地域の自薦に基づいて、当基金アドバイザリーボードの意見を参考に認定するもの。これまでに、夕張岳(北海道)、七時雨山(岩手県)、臥龍山(広島県)など全9箇所を認定しました。
*日本山岳遺産基金アドバイザリーボード:田中文男(日本山岳協会顧問)、西本武志(日本勤労者山岳連盟会長)、山川陽一(日本山岳会)、野口健(アルピニスト)


■日本山岳遺産認定地と認定団体

2013年度の日本山岳遺産認定地と認定団体は以下の通り。

本年度は計15団体からの申請があり、アドバイザリーボードの助言のもとで、事務局で検討した結果、以下の4箇所となりました。各認定団体には、本年度中に基金事務局と調整のうえ、助成金を拠出します。併せて山と溪谷社の媒体を活用した広報支援を行う予定となっています。


認定地:アポイ岳(北海道)
認定団体:アポイ岳ファンクラブ

山の概要: 
アポイ岳(810m)は北海道日高山脈最南部に位置し、低標高ながら、かんらん岩からなるその特殊な地質、気象条件により高山帯の景観が広がる山です。
生物の種類が豊かで、ヒダカソウやアポイマイマイなどの固有生物、エゾナキウサギなど多くの貴重な生物が生息しています。稜線の高山植物群落と幌満ゴヨウマツの自生地は、国の天然記念物に指定されています。
また田中澄江著『花の百名山』に選ばれており、5月下旬から10月までの花のシーズンには、多くの登山者が訪れます。
近年、地球温暖化に伴う気候変動やエゾシカの増加などにより、アポイ岳の植生が大きく変化しています。特にエゾシカの食害は著しく、その対策が急務となっています。

認定団体:
アポイ岳ファンクラブは、アポイ岳の自然を次世代に残すことを目的に平成9年に設立された団体です。過去には、登山道整備や高山植物の盗掘防止活動などを行なってきました。
近年は、北海道や研究機関などで構成されるアポイ岳再生委員会の主要団体として、高山植物の保護・再生のための活動などを中心に取り組んでいます。
今後、アポイ岳の高山植物再生のためのモニタリング調査、及び地元の小中学生に高山植物を育ててアポイ岳に植栽してもらう活動を計画しています。

認定理由:
希少植物の保護に16年間取り組んできた実績と、次世代を担う地元の小中学生とともに高山植物の再生に取り組む点を評価し、日本山岳遺産に認定しました。


(写真=アポイ岳ファンクラブ)


認定地:金華山(宮城県)
認定団体:特定非営利活動法人 FIRST ASCENT JAPAN.

山の概要:
金華山(445m)は牡鹿半島の先端から700mの海峡で隔てられた東西3.5km、南北5kmの小島です。花崗岩からなる島そのものが山で、金華山黄金神社の神地として歴史的に保護されてきたため、数年前までは、全島が鬱蒼とした原生林に覆われていました。
しかし近年、シカの食害やマツ枯れにより裸地化が進んでおり、さらに東日本大震災では震源に最も近く、甚大な被害を受けました。現在も震災の被害状況が把握しきれておらず、その後の豪雨などでも山が崩れ、復旧が手つかずです。

認定団体:
「特定非営利活動法人 FIRST ASCENT JAPAN.」は、2013年2月に東日本大震災から復興が進まぬ現状を改善しようと、仙台のクライマーが中心になって設立した団体です。金華山での災害復旧ボランティアやボルダリングによる新しい観光資源の提案、クライミング体験会などを通して、震災復興や地域活性化、スポーツ振興活動に取り組んでいます。
今後、金華山の登山道被害状況の確認や、女川の小学生とともに金華山登山と環境保全学習を行なう予定です。

認定理由:
歴史ある島の山で行なう地元小学生との交流登山で、次世代育成に寄与する活動である点、活動している方々が若いクライマーで震災を機に活動を起こしている点を評価し、日本山岳遺産に認定しました。島に何度も通い復旧作業をするために必要な資金を援助し、活動を支援します。


(写真=NPO法人 FIRST ASCENT JAPAN.)


認定地:船窪岳(長野県・富山県)
認定団体:船窪小屋・道しるべの会

山の概要:
船窪岳(2341m)は北アルプス後立山連峰南端の蓮華岳と烏帽子岳を結ぶ山域にあります。
登山コースはガレ場や崩壊地などの難所があり、山慣れた人向きですが、コマクサの大群落もあり、草原に湖沼が広がる美しい景観や槍・穂高連峰の眺望が楽しめるなど、北アルプスのなかでも貴重なエリアといえます。
北アルプスの中ではマイナーなエリアですが、針の木越えで知られる針の木谷など、谷の深さを実感できる山域です。
2011年の東日本大震災の余震と考えられる地震で登山道が大きく崩れ、安全上の問題になっています。

認定団体:
「船窪小屋・道しるべの会」は、歴史ある針の木古道維持のために、2009年に設立された団体です。近年では、船窪小屋を拠点にして、周辺の登山道の整備に汗を流しています。

認定理由:
北アルプスのメジャー山域に隠れたエリアで、整備が必要にも関わらず、行政による整備もなかなか手がまわらない状況にあります。また、船窪小屋は経営基盤の小さな小屋で、小屋が周辺の登山道すべてを維持することも不可能です。そのため、道しるべの会のような支援者が自主的に手弁当で整備しているのが現状です。日本山岳遺産基金では地道な整備活動を支援し、安全登山に寄与する目的で、日本山岳遺産に認定しました。


(写真=船窪小屋・道しるべの会)


認定地:大台ヶ原大杉谷(三重県)
認定団体:公益社団法人大杉谷登山センター

山の概要:
吉野熊野国立公園に指定された大台ヶ原は、三重県と奈良県の県境に位置する国内に残された数少ない秘境のひとつです。最高峰である日出ヶ岳(1695m)を中心とした大台ヶ原山は、日本百名山にも選ばれています。この大台ヶ原を源流とする宮川の上流域が大杉谷です。
年間降水量が3500mmを超える国内有数の多雨地域で、険しい渓谷の中に大小合わせて100以上の滝があり、日本三大溪谷のひとつにもなっています。
およそ1400mの標高差の中に、多種多様な植物が見られ、ニホンカモシカやオオダイガハラサンショウウオなど貴重な生物も多数確認されています。
大杉谷から大台ヶ原を結ぶ登山道は、2004年の豪雨による崩落によって通行不能となっていましたが、2014年、10年ぶりに全線復旧の予定です。

認定団体:
「公益社団法人大杉谷登山センター」は1982年に自然保護や登山情報の提供、安全登山の啓発、山岳遭難者の救助活動に対する協力を目的に、三重県、旧宮川村などが中心となって設立した団体です。
大杉谷登山道は、アップダウンが激しく急峻な断崖があり、毎年数件の滑落事故が発生していました。同センターでは、過去の事故例を整理するとともに、一般登山者や関係者からの聞き取り調査、現地踏査などを行ない、安全登山啓発の資料を作成する計画を立てています。

認定理由:
90年代には15人もの遭難死亡事故が起こった登山道で、外部識者による危険箇所の調査、安全に歩くための地図やパンフレット配布等での情報発信が必要となっています。復旧の機会に、実踏調査を支援することによって、安全な登山ができる大杉谷になるよう支援したく、日本山岳遺産に認定しました。


(写真=公益社団法人大杉谷登山センター)


■特別講演には登山家の田部井淳子さんが登壇


第2部の特別講演には、登山家の田部井淳子さんをお招きし、「東北の高校生と日本一の富士山に登って」と題した講演を行いました。

福島県出身の田部井さんは、震災や原発事故からの復興に時間を要するなか、未来ある東北の高校生に、日本一の富士山に登ることで、前に進む「元気」と「勇気」を得てもらいたいと、「東北の高校生の富士登山」プロジェクトを発足しました。山と溪谷社および日本山岳遺産基金では、田部井さんの強い思いに共感し、2013年より、田部井さんとともにこのプロジェクトを共催しています。

田部井さんは「一歩はたったの40~50センチだけど、その地道な一歩一歩を積み重ねることで日本一の富士山に登ることができた。心と体で経験することが自信につながる。」と語りました。


■日本山岳遺産基金とは

登山と自然の専門メディア社である山と溪谷社が、日本の山岳自然環境の保全、次世代の登山者の育成、安全な登山の啓発を目的に、2010年に設立した任意団体。
山岳地でのゴミ拾い、マナーアップの呼びかけ活動や、青少年登山への支援を行うとともに、この日本山岳遺産サミットで日本山岳遺産を認定・発表し、上記の目的に沿った活動団体に助成を行なっている。
http://sangakuisan.yamakei.co.jp/

■山と溪谷社について  http://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野で多くの出版物を展開している。

■インプレスグループについて  http://impress.jp/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:関本彰大、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「モバイルサービス」を主要テーマに専門性の高いコンテンツ+サービスを提供するメディア事業を展開している。
以上
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【本リリースについてのお問い合わせ先】
日本山岳遺産基金 事務局 (株式会社山と溪谷社 内) 
〒102-0073  東京都千代田区九段北3-2-11 住友不動産九段北ビル8階
日本山岳遺産基金 事務局 TEL03-6744-1900(代) メール: kikin_info@yamakei.co.jp

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