アストラゼネカのリムパーザ、BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がん患者さんの無増悪生存期間の中央値をプラセボの1年に対して4年半超に延長

PR TIMES / 2020年9月28日 10時15分

第III相SOLO-1試験の5年間経過観察データは、初回治療後の維持療法におけるPARP阻害剤に関する最長追跡期間となる解析データ



本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年9月18日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)はアストラゼネカとMSDのリムパーザ(R)(一般名:オラパリブ、以下、リムパーザ)が、新たに診断されたBRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)卵巣がんで、白金製剤ベースの化学療法による初回治療後に完全奏効または部分奏効を示した後の維持治療として、プラセボとの比較において無増悪生存期間の長期的な延長を示したことを発表しました。

卵巣がんは全世界で女性のがんによる8番目の死因であり、2018年には全世界で約30万人が新たに診断され、約18万5,000人が死亡しました(1)。卵巣がん患者さんの約22%がBRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有しています(2)。

第III相SOLO-1試験の5年間の経過観察(追跡調査)データにより、リムパーザが病勢進行または死亡のリスクを67%低減し(ハザード比 0.33;[95% 信頼区間 0.25-0.43])、無増悪生存期間中央値をプラセボの13.8カ月に対し、56.0カ月に延長したことが示されました。5年の時点で病勢進行が認められなかった患者さんの割合は、プラセボ投与群の20.5%に対し、リムパーザ投与群では48.3%でした。また、投与期間中央値はプラセボ投与群が13.9カ月であったのに対し、リムパーザ投与群は24.6カ月でした。

SOLO-1試験の治験医師の一人であり、The Royal Marsden NHS Foundation Trustの顧問腫瘍内科医師でThe Institute of Cancer Researchの准教授でもあるSusana Banerjee氏は次のように述べています。「BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんと新たに診断された患者さんにおいて、リムパーザによる2年間の維持療法により得られた臨床上の有用性は治療終了後も長期にわたって継続しました。また、5年経過した時点でも、これら患者さんの半数近くはがんが進行せずに病勢が安定していました。今回得られた結果は、BRCA遺伝子変異陽性の進行卵巣がんの治療において意義のある進歩を示しています」。

アストラゼネカのオンコロジー領域研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「これまでは、ひとたび卵巣がんが再発すると治すことはできないと考えられてきました。しかし、試験結果から、リムパーザによる維持療法によって、たとえ進行がんであっても患者さんの寛解状態を持続できることが示されました。今回発表された結果は、病勢進行を遅延させる目的で治療を行う際には、診断時に患者さんのバイオマーカーの状態を特定することが極めて重要であることをさらに裏付けました」。

MSD研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynesは次のように述べています。「SOLO-1試験は、5年間の追跡調査をまとめた初のPARP阻害剤による臨床試験であり、本試験の結果から、リムパーザが白金製剤ベースの化学療法による初回治療への奏効後に、プラセボの13.8カ月に対して、無増悪生存期間を4年半超に延長したことが示されました。今回発表された最新データは、従来から予後が不良であった本疾患の治療において、重要かつ意義のある成果と言えます」。
[画像: https://prtimes.jp/i/24308/238/resize/d24308-238-111444-0.jpg ]


リムパーザの安全性プロファイルはこれまでに確認された結果と一致していました。発現率20%以上の主な有害事象は悪心(77%)、疲労・無力症(63%)、嘔吐(40%)、貧血(39%)および下痢(34%)でした。また、主なグレード3以上の有害事象は貧血(22%)および好中球減少(9%)で、リムパーザ投与群患者さんの12%は有害事象によって治療を中止しました。

第III相SOLO-1試験の結果は、2020年9月18日(金)に欧州臨床腫瘍学会のバーチャル会議にて発表されました。

なお、本試験はその主要評価項目である無増悪生存期間を2018年6月( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2018/2018102301.html )に達成し、この結果に基づき、米国、EU、日本、中国およびその他数カ国において承認を取得しています。

以上

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卵巣がんについて
新たに進行卵巣がんと診断された患者さんにとって一次治療の最大の目的は、病勢進行をできるだけ遅らせ、生活の質を維持しながら完全寛解を目指すことです(3-6)。

SOLO-1試験について
SOLO-1試験は、新たに診断されたBRCAmの進行卵巣がんにおいて、リムパーザ錠(300 mg 1日2回)の白金製剤を含む初回化学療法後の単剤維持療法として、プラセボと比較した無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験です。本試験は白金製剤ベースの化学療法後に、完全奏効または部分奏効を示した病的変異あるいは病的変異疑いに分類されるBRCA1またはBRCA2遺伝子変異が確認された391例の患者さんを無作為に割り付けました。

患者さんはリムパーザ投与群あるいはプラセボ投与群に無作為に割り付けられ(2:1)、最長2年もしくは病勢進行がみられるまで投与を継続しました。また、2年経過時点で部分奏効が認められた患者さんは、治験責任医師等の判断により治験薬の投与を継続してもよいこととしました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、主な副次的評価項目は2次進行もしくは死亡までの期間(PFS2)および全生存期間(OS)を含みます。

リムパーザについて
リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組換え修復の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬です。リムパーザによるPARP阻害は、DNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞を死滅させます。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のPARP依存性の腫瘍タイプにおいて試験が進行中です。

リムパーザは、白金製剤感受性再発卵巣がんの維持療法として、現在EU諸国を含む多くの国で承認されており、また白金製剤ベースの初回化学療法に奏効したBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣がんの維持療法としても米国、EU、日本、中国およびその他数カ国において承認されています。米国においては、相同組換え修復不全陽性の進行卵巣がん患者さんに対するベバシズマブとの併用療法が初回治療後の維持療法としても承認されました。また、化学療法による治療歴のある生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の転移性乳がんの適応症でも米国、日本を含む多くの国において承認されており、EUにおいては、局所進行乳がんも含まれます。さらに、米国およびその他数カ国においては、生殖細胞系列のgBRCAm転移性膵がんの初回治療後の維持療法としても承認されています。また、米国においては、相同組換え修復関連遺伝子変異を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)の治療薬として承認されました。加えて、卵巣がん、乳がん、膵がんおよび前立腺がんに関する薬事承認審査が他の国において進行中です。

アストラゼネカとMSDが共同で開発と商業化を行っているリムパーザは、全世界で3万人を超える患者さんの治療に使用されています。リムパーザはPARP阻害剤として最も広範かつ最先端の臨床試験開発プログラムを有しており、アストラゼネカとMSDは、さまざまながん種にわたり、リムパーザが単剤療法および他の薬剤との併用療法としてPARP依存性腫瘍に及ぼす影響を解明するために協業しています。リムパーザはDDRを標的とした新薬であり、アストラゼネカのポートフォリオを牽引する基盤となる薬剤です。

アストラゼネカとMSDのがん領域における戦略的提携について
2017年7月、英国アストラゼネカ社とMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A(北米およびカナダ以外ではMSD)は、世界初のPARP阻害剤であるリムパーザおよび現在開発中であるMEK阻害剤セルメチニブについて、複数のがん種において共同開発・商業化するがん領域における世界的な戦略的提携を発表しました。両社は、リムパーザおよびセルメチニブを他の可能性のある新薬との併用療法および単剤療法として共同開発します。なお、リムパーザおよびセルメチニブと、各々の会社が保有するPD-L1またはPD-1阻害薬との併用療法は各々の会社で開発します。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを数多く保有しています。2014年から2020年までの期間に少なくとも7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、注力する肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんを成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca. (英語のみ)をフォローしてご覧ください。


References
1. The World Health Organization. IARC. Globocan 2018. Available at: http://gco.iarc.fr/ [Accessed September 2020].
2. da Cunha Colombo Bonadio et al. (2018). Homologous recombination deficiency in ovarian cancer: a review of its epidemiology and management. Clinics (Sao Paulo). 2018;73(suppl 1):e450s.
3. Moore, K. (2018). Maintenance Olaparib in Patients with Newly Diagnosed Advanced Ovarian Cancer. New England Journal of Medicine. 379(26), pp.2495-2505.
4. Raja et al. 2012. Optima l first-line treatment in ovarian cancer. Annals of Oncology. 23 Suppl 10, x118-127.
5.NHS Choices, Ovarian Cancer Available at: https://www.nhs.uk/conditions/ovarian-cancer/treatment/ [Accessed September 2020].
6. Ledermann et al. (2013). Newly diagnosed and relapsed epithelial ovarian carcinoma: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up. Annals of Oncology. 24, pp.vi24-vi32.


プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2020092720-91cf4a4d8ffae5ab0f2202213e4b64c7.pdf

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