慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期診断には、COPDの特徴を正しく知ることが鍵―COPDのインターネット調査の結果からー
PR TIMES / 2021年10月22日 15時45分
- COPDリスク層の47%に症状があり、その68%が症状の改善を望みながらも、受診行動をとったのは18%でした。
- COPDリスク層の74%がCOPDを認知していますが、COPD患者さんと比較して、COPDの特徴を正しく知っている割合は限られていました。
- COPD患者さんの多くは、「重症になると酸素吸入が必要になる」、「気づかないうちに進行する」ことを知っていれば、もっと早い時期に受診行動をとったと回答しています。
- COPDリスク層が早期受診に至るために、COPDの特徴を正しく知ることが重要である可能性が示されました。
- COPD患者さんのうち、治療に満足しているのは18%であり、「症状の改善」や「病気の進行を止める」ことを望まれていました。
2021年10月22日 日本/東京
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(以下、ベーリンガーインゲルハイム、代表取締役 医薬事業ユニット統括社長:シャシャンク・デシュパンデ)は、全国の喫煙歴のある慢性閉塞性肺疾患(COPD)罹患リスクを有する成人(n=880、以下、リスク層)およびCOPD患者(n=373、以下、患者)を対象に、インターネット調査(以下、本調査)を行いましたので、お知らせいたします。
本調査は、日本におけるCOPD診断率向上のために、どのようなことが問題となっているのかを把握することを目的に実施されました。リスク層は、通算の喫煙歴が20年以上で、 COPDの診断がされていない50~60代を対象としました。患者は、喫煙歴があり、医療機関でCOPDの確定診断がされている50~70代を対象としました。
調査結果から、リスク層の74%はCOPDという疾患を認知していました。リスク層の47%に症状があり、そのうち68%が症状を改善したいと思いながらも、実際に受診行動をとったのは18%でした。受診行動をとらない理由は、「通院するほど症状がひどくないから」が51%、「加齢による症状で仕方ないと思っていたから」が40%、「病気だと思っていなかったから」が29%でした。
患者では、COPDの特徴のうち、「重症になると酸素吸入が必要になる」、「新型コロナ感染症による肺炎の重症化因子である」、「気づかないうちに進行する」を知っている割合がそれぞれ74%、44%、38%であるのに対し、リスク層では、それぞれ31%、20%、20%でした。また、COPDの特徴を事前に知っていた場合、受診時期が早まるかを確認すると、患者の45%が、受診が早期化すると回答しました。早期化する理由は、「重症になると酸素吸入が必要になることを知った」が60%、「気づかないうちに進行することを知った」が43%でした。そのため、リスク層がこれらの特徴を知ることにより、早期受診に至る可能性があることがうかがえました。
患者の現在の治療への満足度は、「とても満足している」が2%、「満足している」が16%であり、今後の治療に望むことは、病気の進行を止める・完治することを含めた「症状改善」や「効果の高い薬剤」が34%であることから、現在の治療効果に満足していない患者の割合が高いことが示されました。
日本では、40歳以上の約530万人、70歳以上の約210万人がCOPDに罹患していると推定されています[1]。しかしながら、2017年の厚生労働省の患者調査によると、1999年~2005年のCOPD患者数は21~22万人である2ことから、COPDでありながら未受診の方が500万人以上いると推定されます。COPDの主な自覚症状が労作時の息切れ、咳・痰である[2]ことから、これらの症状がCOPDという疾患によるものであると気づかず、確定診断や治療開始が遅れてしまうという可能性があります。また、COPDは新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子であることも報告されており[3]、早期に診断し、適切な管理を行うことが重要であると考えられます。
本調査を監修した奈良県立医科大学 呼吸器内科学講座 教授の室 繁郎先生は、次のように述べています。「今回の調査結果から、治療中のCOPD患者さんの実態とともに、COPDのリスクを有する方々の実態を垣間見ることができます。現在のCOPD治療に満足している患者さんが18%に留まるという結果は、COPDの診断と治療介入が遅れたために、病状が進行し、患者さんが期待するほどの治療効果が得られていないことが要因の一つとして考えられます。早期にCOPDが診断され、適切な診療と治療が開始されることにより、治療への満足度が上がることが期待されます。比較的長期の喫煙歴がある方々、なかでも呼吸器症状を自覚しておられる方々は未診断COPDである可能性は十分にあります。未診断のCOPD潜在患者さんが多数おられるといった事実と、今回明らかとなった患者さん視点からのCOPD診療の実態を広く周知することで、リスクを有する方々が早期受診され、ひいては疾患の重症化の防止につながることが期待できるのではないでしょうか」
ベーリンガーインゲルハイムは、日本のCOPD患者さんの症状改善とクオリティオブライフの改善を目指し、リスク層の方の早期受診につながるように、WEBサイトやポスターを用いた疾患啓発活動に引き続き取り組んでまいります。
当社が運営するCOPD関連のWEBサイトについては、下記をご参照ください。
- 「イキイキTOWN」(https://www.ikiiki-town.jp/)
咳や痰、COPDなどの呼吸器症状をお持ちの方に医療機関の受診をすすめることを目的としたWEBサイト
- 「COPD-jp.com」(https://www.copd-jp.com/)
COPDの疾患に関する詳しい情報提供を目的としたWEBサイト
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関するインターネット調査概要
・ 調査目的:日本におけるCOPD診断率向上のための問題点の把握
・ 調査期間:2021年7月8日~2021年7月14日
・ 調査方法:インターネット調査
・ 対象者:COPDリスクを有する方[※1] 880名、COPD患者[※2] 373名
・ 監修:奈良県立医科大学 呼吸器内科学講座 教授 室 繁郎先生
・ 調査協力:株式会社インテージヘルスケア
・ 調査依頼元:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
※1:COPDの診断を受けていない、50~60代、通算の喫煙歴が20年以上(現在中止含む )
※2:医療機関でCOPDの確定診断を受けている、50~70代、喫煙歴あり(喫煙年数は問わない)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関するインターネット調査結果概要
リスク層の症状について
◆リスク層の現在の症状の数
[画像1: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-1550c547c3cb42d7ae75-0.png ]
◆リスク層の現在の症状に対する改善意向
[画像2: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-1e05ed41421d74f2d6c1-1.png ]
◆現在症状があるリスク層の受診状況
[画像3: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-e3b08d8a6c2969c1ee8a-2.png ]
◆現在症状があるリスク層の未受診理由
[画像4: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-b366f3c41381907aee75-3.png ]
COPDの認知について
◆リスク層のCOPD認知状況
[画像5: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-8ec4fb3a45aeedf6d17b-4.png ]
◆リスク層のCOPD認知内容
[画像6: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-3f5c4fd959281b309460-5.png ]
◆患者のCOPD認知内容
[画像7: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-11dabf6590be00ff763f-6.png ]
◆患者のCOPDの特徴認知による受診時期への影響
[画像8: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-44f315de09974b7c8458-7.png ]
COPD治療の満足度について
◆患者のCOPD治療の満足度
[画像9: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-86d1be52e48f6cae94cf-8.png ]
◆患者が、今後、COPDの治療で望むこと
[画像10: https://prtimes.jp/i/2981/266/resize/d2981-266-c50df0ec152b5c2098c3-9.png ]
本調査の詳細は以下のURLよりご覧になれます。
https://www.boehringer-ingelheim.jp/sites/jp/files/documents/press_release_doc/211022_copd_online-survey.pdf
参考情報
慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺を出入りする空気の流れが制限される進行性疾患であり、これまでに推定2億5,100万人がCOPDと診断されています 。COPDの病態は進行性でありますが、ほとんどの患者さんは、適切な薬物療法と治療計画でCOPDを管理することができます[4]。
ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、人と動物の生活を向上させる画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型の製薬企業として、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出に日々取り組んでいます。1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態を維持し、長期的な視点をもって邁進していきます。医療用医薬品、アニマルヘルスおよびバイオ医薬品受託製造の3つの事業分野において、約52,000人の社員が世界130カ国以上の市場で業務を展開しています。
詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com
(アニュアルレポート 英語)
References
1 Fukuchi Y, et al. COPD in Japan. Respirology 2004; 9: 458-465.
2 日本呼吸器学会COPD ガイドライン第5版作成委員会(編).COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第5版 2018.
3 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症 COCVD-19 診療の手引き 第4版」 https://www.kyoto.med.or.jp/covid19/pdf/14.pdf
4 WHO. World Health Organization Fact sheets. Chronic obstructive pulmonary disease (COPD). Available at: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/chronic-obstructive-pulmonary-disease-(copd) [Last accessed July 2020].
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