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2020年度の倒産件数、7314件 2000年度以降で2番目の低水準

PR TIMES / 2021年4月8日 19時45分

負債総額は1兆2174億6900万円、2000年度以降最小

帝国データバンクは、2020年度における負債1000万円以上の法的整理について集計を行った。



<主要ポイント>
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-718307-0.jpg ]



2020年度の倒産件数は7314件(前年度8480件、前年度比13.8%減)と、2000年度に次ぐ過去2番目の低水準。月別では12カ月中9カ月で前年同月を下回った
2020年度の負債総額は1兆2174億6900万円(前年度1兆2187億8900万円、前年度比0.1%減)と、3年連続で前年度を下回り、2000年度以降で最小を更新
業種別にみると、全7業種で前年度を下回った。このうち建設業(1167件、前年度比19.6%減)は、過去最少だった2018年度の1375件を大きく下回り、過去最少を更新
主因別の内訳をみると、「不況型倒産」の合計は5726件(前年度比14.8%減)となった。構成比は78.3%(同1.0ポイント減)を占める
負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は4618件(前年度比12.6%減)となった。構成比は8年連続で上昇し、引き続き小規模な倒産が高水準
地域別にみると、全地域で前年度を下回った。北海道(169件、前年度比15.9%減)は、年度ベースで過去最少の件数。東北(301件、同29.3%減)も過去最少を更新。近畿(1973件、同8.5%減)は2000年度以来、20年ぶりに1000件台となった
「人手不足倒産」は120件(前年度比38.1%減)、7年ぶりの前年度比減少
「後継者難倒産」は445件(前年度比7.1%減)、3年ぶりの前年度比減少
「返済猶予後倒産」は475件(前年度比4.6%減)、5年ぶりの前年度比減少
負債額最大の倒産は、(株)ダイヤメット(新潟県、民事再生)の約577億9000万円


■件数:倒産件数は7314件、過去2番目の低水準
2020年度の倒産件数は7314件(前年度8480件、前年度比13.8%減)と、2000年度に次ぐ過去2番目の低水準。月別では12カ月中9カ月で前年同月を下回った。
また、上場企業倒産は東証1部上場の(株)レナウン(東京都、民事再生→破産、2020年5月)と、ジャスダック上場の(株)Nuts(東京都、破産、2020年9月)の2件。
[画像2: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-630685-1.jpg ]

■負債総額:2000年度以降で最小を更新
2020年度の負債総額は1兆2174億6900万円(前年度1兆2187億8900万円、前年度比0.1%減)と、3年連続で前年度を下回り、2000年度以降で最小を更新した。月別では、12カ月中7カ月で前年同月を下回った。
負債額最大の倒産は、自動車用部品などを製造していた(株)ダイヤメット(新潟県、民事再生、2020年12月)の約577億9000万円。
[画像3: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-715911-2.jpg ]

■業種別:全7業種で前年度比減少、建設・製造・卸売の3業種は過去最少に
業種別にみると、全7業種で前年度を下回った。このうち建設業(1167件、前年度比19.6%減)は、災害復旧工事や国土強靭化計画など公共工事需要に支えられ、過去最少だった2018年度の1375件を大きく下回り、過去最少を更新。また、卸売業(934件、同23.2%減)も自動車・同付属品卸売業(30件)や貴金属製品卸(18件)などで減少し、過去最少となった。

一方、サービス業(1768件)は前年度比10.5%の減少となったものの、宿泊業(125件)は同66.7%増と大幅に増加し、2011年度以来過去2番目の高水準となった。
[画像4: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-184398-3.jpg ]



■主因別:「不況型倒産」の構成比78.3%
主因別の内訳をみると、「不況型倒産」の合計は5726件(前年度比14.8%減)となった。構成比は78.3%(同1.0ポイント減)を占めた。
※倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計
[画像5: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-282806-4.jpg ]



■規模別:負債5000万円未満の構成比63.1%、2000年度以降最高
負債額別にみると、負債5000万円未満の倒産は4618件(前年度比12.6%減)となった。構成比は8年連続で上昇し、2000年度以降最高の63.1%(同0.8ポイント増)を占めるなど、引き続き小規模な倒産が高水準。負債5000万円未満の倒産を業種別にみると、小売業(1271件)が構成比27.5%(同0.7ポイント減)を占め最多、サービス業(1264件)が同27.4%(同1.5ポイント増)で続く。他方、負債50億円以上の大型倒産は前年度を上回るなど、全体の件数が減少するなか、規模の大きな倒産の存在感も増している。
資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産は4955件(前年度比13.5%減)、構成比は67.7%(同0.2ポイント増)を占めた。
[画像6: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-847725-5.jpg ]

[画像7: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-801265-6.jpg ]



■地域別:全地域で前年度比減少、近畿は20年ぶりの2000件割れ
地域別にみると、全地域で前年度を下回った。北海道(169件、前年度比15.9%減)は、不動産業を除く6業種で減少。年度ベースで過去最少の件数となった。。
また、近年人手不足や消費低迷の影響で増加傾向にあった東北(301件、同29.3%減)は全県で2ケタ以上減少し、こちらも過去最少を更新した。近畿(1973件、同8.5%減)は2000年度以来、20年ぶりに1000件台となった。なかでも大阪府(1083件)は過去2番目の低水準。業種別でも建設業、製造業、卸売業は過去最少となった。
[画像8: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-385684-7.jpg ]

■態様別:特別清算は2年連続の前年度比増加
態様別にみると、会社更生法は3件、破産は6718件(構成比91.9%)、民事再生法は260件(同3.6%)となった。

一方、全体の件数が減少する中、コロナ禍の業況変化への対応などによるグループ再編等の動きもあり、特別清算は333件(同4.6%)に増加した。
[画像9: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-144536-8.jpg ]


■特殊要因倒産
人手不足倒産:2020年度は120件(前年度比38.1%減)、7年ぶりの前年度比減少
[画像10: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-680638-9.jpg ]

後継者難倒産:2020年度は445件(前年度比7.1%減)、3年ぶりの前年度比減少

[画像11: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-287916-10.jpg ]

返済猶予後倒産:2020年度は475件(前年度比4.6%減)、5年ぶりの前年度比減少

[画像12: https://prtimes.jp/i/43465/275/resize/d43465-275-925009-11.jpg ]



今後の見通し
■倒産件数は20年ぶりの低水準、負債総額は過去最小ながら大型倒産は前年度から増加
2020年度(20年4月~21年3月)の倒産件数(7314件、前年度比13.8%減)は、2年ぶりに前年度から減少し、20年ぶりに8000件を下回る低水準となった。業種別の件数は、7業種全てが前年度比減少。さらに建設(1167件)、卸売(934件)、製造(796件)の3業種では過去最少となった。業種別の構成比は、小売業(24.1%)が11年連続で上昇し過去最高を記録した。

負債総額(1兆2174億6900万円、前年度比0.1%減)は3年連続で前年度を下回り、2000年度以降最小となった。特に、負債1億円以上5億円未満の倒産が1265件(同21.4%減)と過去最低を記録。各種倒産抑制策が中堅規模を中心に効力を発揮した可能性が高い。一方、負債10億円以上の倒産(198件)は前年度(180件)から約1割増加するなど、中堅規模以上での倒産増加が目立った。

■返済猶予後倒産、特に小売で増加が目立つ
取引金融機関から借入金の返済条件変更(リスケジュール)を受けた企業の返済猶予後倒産について、2020年度の件数は475件と前年度(498件)を下回る一方、負債総額は3491億9600万円で前年度比23.5%増と大幅に増加した。業種別件数に目を向けると、小売業(92件、前年度比19.5%増)の増加が目立った。
アパレル販売のリデア(株)(11月、民事再生、負債46億円)をはじめ、コロナ禍で取引金融機関から資金繰り支援を受けたものの、売り上げが想定を超えて急激に落ち込んだことで、支えきれずに破たんするケースが中堅規模以上でも散見され、返済猶予後倒産の負債総額を押し上げた。

■企業業績の回復、原材料価格の高騰も懸念材料に
企業業績のコロナ禍以前への回復は、企業規模や業種によって、まだら模様で不確実な状況となっている。上場企業に注目すると、2021年3月期決算の業績修正を2月末までに発表した上場企業のうち、75.3%が年売上高を「上方修正」した。業種別にみると、上方修正の比率が最も高かったのは海外需要などの持ち直しがみられる「製造業」となった(「上場企業の業績修正動向調査 2021年3月期決算」、帝国データバンク、2021年3月発表)。
他方、各種製品や建設向け原材料などの価格が上昇し、採算確保への懸念材料となっている。TDB景気動向調査(2021年3月調査)によると、仕入れ単価DIは56.9となり、10カ月連続で上昇している。為替相場は1年ぶりの円安・ドル高で、原材料・燃料価格の上昇圧力も予想され、販売価格への転嫁状況が注目される。この他、半導体の供給が需要に追い付かないなど部品供給網の課題も表面化しており、売り上げや採算性の下振れが懸念される。

■資金繰り支援は継続、経営改革や収益性の改善状況に注目
コロナ禍の資金繰り支援を目的とした実質無利子・無担保融資について、政府系金融機関が2020年3月に開始(民間金融機関は5月)してから1年が経過した。各種資金繰り支援策が奏功し、倒産件数は8カ月連続で前年同月を下回っている。また今年3月、金融庁がコロナ関連融資の返済猶予対応を金融機関に要請。中小企業の業態転換を促す事業再構築補助金(経済産業省)の申請が4月中に開始される予定など、中小企業への資金繰り支援は継続している。

他方、コロナ禍の影響を大きく受けている企業について、返済猶予期間における業態転換を含めた経営改革が急務になっている。企業業績の回復は業種や企業規模でまだら模様となっているうえ、原材料価格の高騰など収益性の変動リスクも高い。また、新型コロナの新規感染者数が上昇に転じ「第4波」の様相を呈する地域もある。資金繰り支援を受けたものの、経済活動の停滞で業績回復が追い付かない事例が散発し、倒産件数が増加に転じる可能性は否定できない。

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