凸版印刷と東京理科大学、ZETAを活用し熱中症リスク表示
PR TIMES / 2019年9月6日 23時40分
ZETAを活用し数メートル空間単位で熱中症に関するデータを収集・分析、リアルタイムで個人に合わせた熱中症リスクを表示するサービスの開発に向けて共同研究
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿秀晴、以下 凸版印刷)は、ZETAアライアンスの一員として、次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(※1)の普及を推進しており、2018年10月に発表した医療施設見守りサービスをはじめ、ZETAを活用したさまざまなサービスの開発を推進しています。
このたび、凸版印刷は東京理科大学(所在地:東京都新宿区、理事長:本山和夫、以下 東京理科大)と共同で、ZETAを活用し数メートル空間単位で熱中症に関するデータを収集・分析し、リアルタイムで個人に合わせた熱中症リスクを表示するサービスの開発に向けて共同研究を開始します。共同研究の開始に先立ち、2019年7月から9月末まで東京理科大キャンパス内とその周辺において、熱中症リスク評価センサとZETA通信の連動性の確認などを行う実証実験を実施しています。
本共同研究は、東京理科大理工学部土木工学科 仲吉信人准教授が研究する可搬型熱中症リスク評価センサを用い気温だけでなく、湿度・風速・日射・輻射熱の気象データから計算される体感温度指標と個人の属性(年齢・性別・着衣量・活動状況)や所在する環境などの情報を組み合わせリアルタイムで個人に合わせた熱中症リスクを表示するサービスの開発に取り組むものです。移動可能なセンサによるデータ取得と通信に活用するZETAの特長である中継器によるマルチホップにより、LTE(携帯)電波が届かないエリアでも通信環境を延長でき、山間部などの遠隔地含めた広範囲なエリアの熱中症リスクを表示することが可能です。これにより、従来では取得が難しかった市区町村よりもさらに細かいエリアにおける熱中症リスクのデータ取得を実現します。また、ユーザー個人の属性・体感とセンサで取得した気象データを連携することで、従来の気象データによる熱中症リスク測定では考慮されていなかった個人に合わせたリスク表示が可能となります。屋外労働者の労務管理や市民に向けた防災サービスとして熱中症予防への貢献を目指します。
なお、2019年9月11日(水)から13日(金)まで開催される「第21回自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(南ホール4F・A-84)にて本共同研究の紹介展示を行います。合わせて、東京理科大仲吉信人准教授によるセミナーも実施します。※事前申し込み制
[画像: https://prtimes.jp/i/33034/277/resize/d33034-277-948874-0.jpg ]
■ 開発の背景
近年、地球温暖化や都市温暖化の影響による気温上昇で熱中症のリスクが増大しています。熱中症のリスクは定点での気象情報に基づいた表示等がありますが、個人の行動パターンや属性(年齢・性別・着衣量・活動状況など)、地面からの距離、周囲の環境によっても熱中症リスクの度合いは異なるため、市民生活の実情に沿ったより細かいエリアでの測定や個人の状況を考慮したリスク評価ができるサービスが求められています。
この度、凸版印刷と東京理科大はリアルタイムに熱中症リスクを表示するシステムの開発に向けた共同研究を開始。可搬型熱中症リスク評価センサとZETA通信を連携し、より細かいエリアの気象情報と個人の属性や所在する環境を考慮した個人に合わせた熱中症リスクを表示するサービスの提供を目指します。
■実証実験の概要
・場所:東京理科大学野田キャンパス、および周辺環境
・時期:2019年7月~9月末まで
・目的:可搬型熱中症リスク評価センサとZETA通信の連動性確認および今後の製品開発・サービス化に向けての基礎データ収集
・主な実証内容
1. 可搬型熱中症リスク評価センサとZETA通信の連動性確認
2. 屋外活動時の熱中症リスク評価
3. クールビズの効果調査
■共同研究における各社の役割
・凸版印刷:ZETA通信環境の整備、サービス化に向けたアプリケーションの開発
・東京理科大学:可搬型熱中症リスク評価センサ提供、取得データ分析、熱中症リスクガイドラインの策定、実証フィールドの提供
■ 今後の目標
凸版印刷と東京理科大は本共同研究を進め、今後自治体などとの実証実験にも取り組み、リアルタイムで個人に合わせた熱中症リスクを表示するシステムを自治体や企業に向けて凸版印刷より2020年度中の販売開始を目指します。
また、凸版印刷は今後もセンサやRFIDを活用したソリューションとZETAを融合することで、ヒト、モノ、機器、インフラなどあらゆるものを遠隔や無人で管理し可視化するソリューションの提供を進め、さまざまな社会課題への貢献を目指します。
※1 ZETA
ZiFiSenseが開発した、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格のひとつであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
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