【報道参考資料】エボラ出血熱 予防策普及には信頼に基づく広報活動が重要
PR TIMES / 2014年7月16日 15時19分
感染3カ国と感染ハイリスク4カ国での取り組み
※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://bit.ly/1n8RUCP でご覧いただけます
【2014年7月14日 ダカール(セネガル)発】
西アフリカで感染が続くエボラ出血熱。ユニセフは、感染と感染拡大を防ぐため、
一般市民に向けた教育・広報活動、予防や治療に必要な医療品等の提供、医療従事者
への研修・育成などを行っています。感染が確認された3カ国の状況と、感染リスクが
高い周辺4カ国を含めた取り組みをご紹介します。
■概要
この1カ月で、西アフリカでエボラ出血熱に感染する人は増加。エボラ出血熱に関する
うわさや恐怖心、誤解による感染拡大を食い止めるために、ユニセフとパートナー団体
は地域一帯での活動を拡大しています。これらの活動で重要となるのは、人間関係に
基づく広報活動、つまり、自身が信頼できる人からエボラ出血熱に関する正しい情報を
得ることです。
7月頭にガーナの首都アクラで、各国政府やNGO、国連機関などによってエボラ出血熱の
対応策が協議されました。会議では、コミュニティ参加による広報活動、早期での隔離、
感染した人の接触履歴の追跡、国境付近での管理等が、優先的な取り組みとして
合意されました。
■7月14日時点の状況
<ギニア>感染確認296名、死者197名
・感染が確認、推定、疑われた人は計409名、うち309名(確認・推定・疑いを含む)が
死亡、致死率76%
・報告された症例のうち、296名がエボラと確認され、うち197名がエボラで死亡と確認
・接触履歴の累計は4,946件
・西部のボッファ県、テリメレ県、デブリカ県、マセンタ県、東部のクルーサ県と
首都コナクリで感染中
・保健スタッフと感染が確認された地域、特に南部のゲケドュー県で、緊張は
続いている
<シエラレオネ>346名、死者110名
・5月26日に同国での感染が宣言された
・これまでに346名の感染が確認され、110名の死亡を確認、致死率は比較的低く32%
・主にKailahun、Kenema、Boandwesternareasで確認されている
・接触履歴の確認が進んでおり、これまでで計1,066件
<リベリア>感染64名*
・この1カ月で、リベリアでのエボラ感染件数は増加中
・保健省によると、疑い、推定、確認あわせて、3月の感染以降、報告された件数は
163件(64名の感染を確認)
・エボラに関連した死亡は94名、確認・推定を含めた致死率は71%
・北部のロファ、西部のモントセラド、ボミでの感染を確認
*この数値は、5月下旬と6月上旬の再発以降のもののみ(それ以前の数値は現在検証中
につき除外)
<周辺4カ国=コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、セネガル>
・監視体制が強化され、国境付近での人の往来のモニタリングを実施
・今後のエボラ出血熱の発生を想定して、予防と準備のキャンペーンを実施中
■資金要請と内訳
感染3カ国並びに感染ハイリスク4カ国での活動費用として、総額569万2,306米ドル
(約5億7,450億円 1米ドル=101円で換算)の資金を要請しています。これまでに
寄せられた資金は271万9,986万米ドルで、資金要請に対し52%の資金が不足しています。
■ユニセフの取り組み
<ギニア>
・消毒や衛生用品を含めた支援物資を病院や家庭、保健スタッフに提供
・イスラム教宗教指導者750名に予防法の啓発ツールを提供し、モスクでの説教時に
エボラについて話してもらうよう依頼
・そのほか、牧師やボーイスカウト、現地のNGOなどにも資材を提供し、予防策の教育・
広報活動を農村部も含めて実施
・TVで手洗いについてのスポットCMを放送し、ラジオでも啓発活動を行い、感染地で
これまでに320万人以上に予防策を広報
<シエラレオネ>
・保健衛生省を支援し、監視や症例管理、広報活動、物資の輸送面などでの支援を実施
・これまでに13の地区に医薬品を提供したほか、ポスターやバナーなども提供
・現地語でのラジオスポットも制作し、予防・治療法の啓発を実施
<リベリア>
・5月下旬と6月上旬の再発を受け、予防策の広報活動を拡大
・感染が広がっている地域で、エボラ出血熱への関心を高めるために、新たに啓発を
行うスタッフ100名を育成
・感染が続くロファでは、6月以降、宗教指導者や若者の代表など240名に、啓発活動の
強化を依頼
・エボラ出血熱拡大防止のために、地元アーティスト2組が啓発ソングを制作、ラジオ
などで放送中
<ギニアビサウ>
・保健省にエボラ出血熱のホットラインを開設
・監視や育成、地域での啓発を進めるほか、毎週現場視察を行い、監視を強化
・緊急時に備えた水や衛生用品の備蓄を行い、ギニアとの国境付近にはWHOと共に
防護服を用意
・地域の保健スタッフ360名に、エボラ出血熱に関する研修を実施
・すでに国営ラジオや地域のラジオでは、予防法について発信
<コートジボワール>
・地域で実施している活動にエボラ予防策を取り入れるよう、研修を実施
・ギニアとリベリアの国境付近で、ボランティア151名に対し、エボラの予防策・
対処策の研修を実施
・これまでに、子ども8万9,000人を含む17万人以上に予防策を発信
<セネガル>
・ユニセフは、政府に準備と対応策の専門的知識を提供、国境付近にはテントや
衛生用品を備蓄
・国営メディアやソーシャルメディアを使って予防策を伝えるほか、空港や港、国境
などでの啓発ツールも制作
<マリ>
・予防策の普及に重点を置き、感染リスクの高い地域では、宗教グループや
コミュニティラジオを通じて広報
・広報活動の規模を拡大中
・ギニアと国境を接していることから、必要物資の備蓄や監視体制の強化などに
取り組むため、資金が必要に
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Laurent Duvillier, UNICEF Dakar, Tel: +221 777 403 577, lduvillier@unicef.org
Timothy LaRose, UNICEF Guinea, Tel: +224 622 350 251, tlarose@unicef.org
Carolyn Kindelan, UNICEF Liberia, Tel: +231 880 559 281, cmkindelan@unicef.org
Issa A. Davies, UNICEF Sierra Leone, Tel: + 232 783 68 975, idavies@unicef.org
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会
のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ
活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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