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【国立科学博物館】世界で2番目の千葉石産出地!「沖岩体」及び千葉石などの「シリカクラスレート鉱物とその仮晶」を小谷村の天然記念物に指定

PR TIMES / 2021年9月17日 20時15分

長野県小谷村は令和3年4月、千葉石を産出した「沖岩体」及び千葉石などの「シリカクラスレート鉱物とその仮晶」の2件を小谷村の天然記念物に指定しました。千葉石はシリカクラスレート鉱物の一種で、ケイ素と酸素が中空のサッカーボールのような「カゴ」状の⾻格構造を形成しており、そのカゴの中にメタンなどの天然ガス分子が閉じ込められている希少鉱物です。地層については地層保護のため一般公開はいたしませんが、次年度、採取された千葉石等を小谷村郷土館に展示します。



○今回の発表のポイント


千葉石を産出した「沖岩体」及び、千葉石などの「シリカクラスレート鉱物とその仮晶」を小谷村の天然記念物に指定した。
千葉石は主成分としてメタンなどの天然ガスを含む希少鉱物で、世界で2番目の産出、かつ他では知られていなかった地質条件。
2022年度には小谷村郷土館にて、これまでに採取された千葉石やメラノフロジャイトの仮晶を展示し、小谷村のユニークな地質環境をご覧いただく展示を予定。


○千葉石とは
「千葉石(chibaite)」は千葉県南房総市で発見され、2011(平成23)年に論文発表された新鉱物です。千葉石の主成分は石英と同じ二酸化ケイ素(シリカ)ですが、それらが「カゴ」状の結晶構造をつくり、その「カゴ」の中にメタン、エタンなどの炭化水素ガスの分子を1個ずつ含みます。「カゴ」の直径は1nm(百万分の1mm)以下という微小なものです。こうした「カゴ」状の骨格の中に、別の分子を含む物質をクラスレート(包接化合物)といい、「カゴ」がシリカでできている物質をシリカクラスレートと呼びます。この結晶構造は「燃える氷」として知られるメタンハイドレートと同一構造をもっています。
メタンハイドレートなどの天然ガスハイドレートは「カゴ」の中に入る分子の大きさに応じて構造I型、構造II型、構造H型の3種類が知られています。シリカクラスレートの場合もこの3種類と同じ構造が知られており、I型はメラノフロジャイト、II型は千葉石、H型は房総石に相当しています。

○村の天然記念物指定に至った背景
平成17年に静岡県浜松市在住のアマチュアの鉱物研究家の高山信之氏が沖岩体で白色の正八面体結晶の鉱物を採取し糸魚川市フォッサマグナミュージアムに持ち込みました。この鉱物は石英でしたが、石英が正八面体の結晶となることはありえないため、元は別の鉱物だったものが、形だけを保って石英に置き換わったもの(仮晶)と考えられ、原鉱物としては蛍石が推測されました。しかし、平成23年に新種の鉱物「千葉石」が発表され、千葉石の仮晶が八面体の石英となることが報告されたことから、小谷村の試料も千葉石の仮晶である可能性が浮上しました。そこで、国立科学博物館、フォッサマグナミュージアム、京都大学、東北大学、益富地学会館などからなる研究チームで現地調査を行った結果、未変質の千葉石及び、メラノフロジャイトの仮晶と思われる立方体の石英が多数発見されました。この成果は、世界で2例目の千葉石産出地として、平成25年の日本鉱物科学会で報告されましたが、場所の詳細については乱獲等を懸念して伏せられていました。これを受け、小谷村教育委員会では平成29年から地質研究者の久保貴志氏に依頼して独自に調査を行い、沖岩体において千葉石やメラノフロジャイトと思われる仮晶を再確認しました。
小谷村では沖岩体及び千葉石などのシリカクラスレート鉱物の重要性を考慮し、保護、保存していくため、小谷村文化財保護委員会の答申を受けて、令和3年4月12日小谷村教育委員会において「沖岩体」及び「シリカクラスレート鉱物とその仮晶」の2件を村の天然記念物に指定しました。

○沖岩体及び千葉石発見の意義
小谷村中土清水山の沖岩体は火山岩の岩山で、約1,000万年前の中期中新世に海底扇状地として堆積した前沢層に対して、鮮新世(533万年前~258万年前)に貫入した安山岩質マグマです。岩体の一部はマグマが海水で急冷された際に生じる破砕組織が発達し、周囲の堆積岩が破砕された安山岩の間に取り込まれていることから、マグマの貫入が海底で生じたことを示しています。また、岩体中には炭酸塩鉱物とシリカ鉱物からなる網目状の脈も多数発達しており、その中にシリカクラスレート鉱物の千葉石が産出しています。
シリカクラスレート鉱物の生成には二酸化炭素やメタンなどの天然ガスが必要であり、それらは海底堆積物に含まれる生物の死骸が地熱により分解されることで生じます。従来、シリカクラスレート鉱物の産出が確認されていた地質条件は、堆積深度の増加やプレートの沈み込みに伴って堆積物が圧密され、有機物の熱分解が促進される環境でした。
沖岩体では、有機物を多量に含む堆積岩とマグマが海底で反応したことが地質調査より明らかになり、千葉石中のメタンガスの炭素同位体比より、堆積岩中の有機物が分解することで天然ガスが生じて千葉石を生成したことが確かめられました。このようにマグマが熱水と天然ガスを生じ、火山岩中にシリカクラスレート鉱物が生成することは「沖岩体」において初めて確認されました。

○現状と今後の予定
沖岩体の保護のため保護柵を設置し、一層の保護に努めています。なお、沖岩体については私有地内であること、岩体上部からの崩落の危険性もあることなどから、一般公開はしておりません。
沖岩体での千葉石発見の続報については本年9月16日から18日まで行われる日本鉱物科学会において国立科学博物館の門馬綱一研究主幹が発表します。また、小谷村では10月9日、10日の2日間、門馬研究主幹の発見の報告講演会を開催する予定です。
採取された千葉石は来年度、小谷村郷土館とフォッサマグナミュージアムに展示公開する予定です。また、村では今後も研究者との共同調査、研究を継続していきたいと考えています。


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