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WFPチャリティー エッセイコンテスト表彰式開催 

PR TIMES / 2021年10月15日 16時28分

過去最多の2万3,075作品から「WFP賞」が決定 ~6万9,200人の子どもたちに学校給食が届く~

認定NPO法人 国連WFP協会(横浜市)は10月15日(金)、「WFPチャリティーエッセイコンテスト2021」の表彰式を開催しました。今年のエッセイコンテストの応募総数は過去最多の2万3,075作品となり、約6万9,200人の子どもたちに栄養価の高い給食を届けられることになりました。



[画像: https://prtimes.jp/i/9064/329/resize/d9064-329-7b15e88c7f4ab4e5ceba-0.jpg ]

式には湯川れい子さん、特別審査員の竹下景子さん、ふなっしーさん、広瀬アリスさんなどが参加。

今年は「こころのワクチン、私のごはん」をテーマに、7月1日~9月3日の間、小学4年生から大人まで幅広い世代を対象に作品を募集。応募1作品につき途上国の給食3日分にあたる90円が寄付協力企業(※)より国連WFPに寄付される仕組みとなっており、今回の寄付合計金額は207万6,750円(1社あたり約69万円)となりました。

表彰式ではWFP国連世界食糧計画日本事務所代表の焼家直絵が挨拶を述べ、「新型コロナウイルスのパンデミックの影響は大きく、世界の飢餓人口が昨年の6億5,000万人から最大8億1,100万人に急増した。これは世界の10人に1人が飢餓に苦しんでいる計算となり、その主な原因が依然として紛争、気候変動、新型コロナウイルス感染症による社会経済的影響だ。支援の必要性が今まで以上に高まっている。」と強く訴えました。また、学校給食支援については「コロナ禍で休校が余儀なくされた状況でも支援を途切れさせることなく継続している。世界のどこにいても、飢えることがなく、子どもたちが夢をあきらめなくてよい世界にすることを目指し、国連WFPはこれからも活動を行っていく。」と語りました。

審査委員長を務める音楽評論家の湯川れい子さんは「これほどまで食に向き合う作品が多かったのは初めてだったと思う。今までは発展途上国や内紛、極貧の中で食べられない人への思いが多かった。今回は真剣に「食」に向き合い、それが心や体のワクチンになっていることを書いてくれた。今後どう生きていくか、どうすれば幸せな未来になるかを考えさせられた。」と今回のコンテストを総評。湯川さんのほか、審査員を務めた竹下景子さん、広瀬アリスさん、ふなっしーさん、三浦豪太さん、三國清三さん、本田亮さんらが各賞の受賞者に賞状と賞品を手渡しました。

最優秀賞となる「WFP賞」を受賞したのは、千葉県在住の加藤博子さんの「思い出のサンドイッチ」。ずっと背中を追いかけてきた叔父さんとの最後の食事についてつづりました。(後方に全文掲載)

加藤さんは表彰式で、「このような名誉ある賞をいただき大変光栄です。」と述べ、「紛争や飢餓のない平和の世の中を願わずにはいられません。WFPの活動によって一人でも多くの命が守られればいいと思います。」と語りました。当日は、竹下景子さんによるWFP賞受賞作品の朗読も行われました。

また応募数が最も多い学校・団体に贈られる「WFP学校給食賞」には、応募数が1,300通を超えた須磨学園高等学校・中学校(兵庫県)が3年連続で選ばれました。

※昭和産業株式会社、日清食品ホールディングス株式会社、三菱商事株式会社

<開催概要>
【主催】 認定NPO法人 国連WFP協会
【テーマ】 「こころのワクチン、私のごはん」
【題名】 自由
【部門】 1.小学生部門(4・5・6年生) 2.中学生・高校生部門 3.18歳以上部門
【募集期間】 2021年7月1日~9月3日
【各賞】 1.WFP 賞(最優秀作品)1名 2.各部門賞 1名ずつ 3.審査員特別賞 各部門1名
4.佳作 各部門5名 5.WFP学校給食賞(応募数上位の学校・団体)
【発表】 2021年10月15日
【賞品】 WFP 賞・部門賞・審査員特別賞、WFP学校給食賞受賞者には表彰式で賞状と賞品を進呈。佳作受賞者には郵送。
【応募総数】2万3,075通
【寄付総額】207万6,750円

■WFPエッセイコンテスト専用ウェブサイト:http://www.wfpessay.jp/2021/

<国連WFPとは>
国連WFPは、国連機関であるWFP 国連世界食糧計画(2020年度ノーベル平和賞受賞)と、それを支援する認定NPO法人である国連WFP協会という2つの団体の総称です。国連WFP協会は、広報・募金活動のほか企業・団体との連携を進め、日本における支援の輪を広げています。https://ja.wfp.org/

WFP賞(全文) 思い出のサンドイッチ 
千葉県 加藤 博子(かとう ひろこ)

大手コーヒースタンドのミラノサンド。それが私の心のワクチンだ。
「清、緩和ケア病棟に移ったって。」絞り出すような声で母が言った。鉛を飲み込んだような胸苦しさに、私は思わず目を閉じた。清おじさんは母の弟だ。胃癌を患い入院していた。緩和ケアとは、積極的な癌治療をせずに痛みや苦痛を和らげることを優先する所だ。つまり、そこに移ったということは。私も母も言葉を失った。その日は、妻の佳代子さんが急用で、私が1日付添いを代わることになった。「食べたい物をリクエストしてね!」私のメールに「あのミラノサンド!」と即座に返信があった。駅前でテイクアウトをし、病院までの上り坂を一気に走った。紙袋を掲げて「へい、お待ち。」とおどける私に「おう、これこれ。食べたかったよ。」叔父さんは目を細めた。その笑顔に鼻の奥がツンとしてきたから、私はコーヒーの香りを胸いっぱいに吸い込んだ。叔父さんは私の初恋だ。10歳年上の叔父さんの背中を、ずっと追いかけて成長した。叔父さんが結婚した時、こっそり泣いた。叔父さんが癌だと聞いて神に祈った。どうか助けて下さいと。柔らかい日差しが降り注ぐ病室で、私たちはミラノサンドを頬張った。叔父さんはゆっくりと噛みしめるように半分ほど食べた。「医者は何を食べてもいいって言うんだ。まあ、量は食えないけどね。」「また買ってくるよ。そうだ、次回は全種類買ってシェアしよう」「おう、いいね。」そして、深く息を吸い込んでこう言った。「お前はちゃんと食べろよ。俺が言うのも何だが、人間は食べたもので出来てるからな。ちゃんと食べて長生きしろ。」私は無言でうなずいた。それが、叔父さんとの最後の食事になった。
 元気が欲しい時、私は今もミラノサンドをテイクアウトする。パンをひと噛みガブリ、コーヒーとごくり。胸がじんわり熱くなる。「見える?私は今日もちゃんと食べてるよ。」天国の叔父さんに、そう呼びかける。

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