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社交不安に薬の治療が効かないとき ~『対話による治療』が長期にわたり確かな効果をもたらす ~

PR TIMES / 2019年6月3日 19時40分

治療終了1年後に、57.1%の患者で診断がつかない程度まで改善するなど大きな効果

宮崎大学 吉永尚紀 講師と千葉大学 清水栄司 教授らの研究グループは、抗うつ薬で改善しない社交不安症(対人恐怖症)に対して、認知行動療法が長期にわたり確かな効果をもたらすことを臨床試験により明らかにしました。成果は2019年5月23日付で、欧州医学雑誌のPsychotherapy and Psychosomatics誌にてオンライン公開されました(Yoshinaga et al., 2019 [10.1159/000500108])。




解説動画


[動画: https://www.youtube.com/watch?v=lIC9YNQKC3o&feature=youtu.be ]




本成果のキーポイント

・社交不安症とは、『人との交流場面で生じる著しい不安や恐怖』を主症状とする精神疾患で、患者の多さと生活障害度の大きさを考えると重要な疾患です。また、この疾患に関連した労働損失額は大きく、各国の経済状況に与える負担は甚大といわれています。

・抗うつ薬を用いた薬物療法は、社交不安症に対する効果的な治療法として最も普及しています。しかし、一部の患者では十分な改善が得られないため、次の有効な治療法を確立することが課題でした。

・吉永講師らの研究グループは過去に、抗うつ薬で改善しない社交不安症患者に対して、認知行動療法が有効であることを報告しました(Yoshinaga et al., 2016 [doi: 10.1159/000444221])。しかし、その効果が治療終了後も長期にわたって維持されるかは明らかになっていませんでした。

・研究グループは今回、抗うつ薬で改善しない社交不安症患者が、認知行動療法を受けることで顕著に症状が改善するだけでなく、その効果が治療終了1年後まで維持されることを明らかにしました。なお治療終了1年後の時点で、認知行動療法を受けた21名の患者のうち85.7%(18名)が顕著な改善反応を示し、57.1%(12名)は社交不安症の診断がつかない程度(健常者と同程度)まで改善しました。

・本成果は、社交不安症の診療ガイドラインの改定など、世界の標準治療に貢献しうる貴重なデータになることが期待されます。また吉永講師らの研究グループは現在、英国オックスフォード大学と協働しながら、英国と香港で有効性が実証されたインターネットを活用した治療プログラムの日本語版を開発しています。さらには、認知行動療法で改善しない場合の、次の有効な薬物療法や精神療法を確立することも今後の重要課題と考えられます。



プレスリリース詳細

EurekAlert! での英語版プレスリリース(日本語版へのリンクあり)
https://eurekalert.org/pub_releases/2019-05/uom-wdt052819.php

宮崎大学テニュアトラック推進機構・吉永研究室HP
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/yoshinaga/

日本語版プレスリリース全文(千葉大学HP)
http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2019/20190603talk.pdf

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