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世界最小※1、1Wグリーンレーザユニットを開発

PR TIMES / 2012年9月25日 15時31分



パナソニック プレシジョンデバイス株式会社は、高輝度マイクロプロジェクタなどに適した、出力1W(ワットクラス)としては世界最小※1となる「グリーンSHG[1]レーザユニット」を開発しました。

(※1)2012年9月25日現在 出力1WのグリーンSHGレーザユニットにおいて(当社調べ)

【効 果】
近年、LEDやレーザを光源に用いた小型・軽量のマイクロプロジェクタの高輝度化への要望の高まりなどから、小型・高出力のグリーンレーザ光源へのニーズが高まっています。当社では、このたび市場の拡大が見込まれるマイクロプロジェクタに搭載可能な小型(約2cc)で1Wの出力を持つ「グリーンSHGレーザユニット」を開発いたしました。なお、本製品は2012年10月2日から6日まで千葉県の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2012」のパナソニック デバイスブースに参考出品いたします。

【特 長】
本製品は以下の特長を有しております。

1.世界最小サイズで1Wの高出力を実現したことで、小型で高出力の機器が実現可能になります。マイクロプロジェクタに応用すれば100ルーメンクラスの高輝度が実現できます。

従来の波長変換素子は温度変化により歪みが発生しやすく、素子の温度が20~30℃程度の狭い範囲でしか安定動作しないため、レーザ出力が高い場合、素子の温度上昇を防ぐための冷却装置が必要でした。このため当社は素子の構造を改良し、素子温度20~60℃の範囲で安定的に動作する独自構造の波長変換素子を開発いたしました。このため、1Wという高出力でも冷却装置が不要となり、約2ccという極めて小さなサイズを実現しました。

2.業界最高水準※1の電気から光への変換効率[2]を実現したことで機器の低消費電力化に貢献します。

電気から光への変換効率を低下させる要因の一つであるレーザ光が波長変換素子を通過する際の材料構造の不均一による減衰を抑えるため、均質性を向上した構造形成手法を独自開発し赤外レーザ光からグリーン光への変換効率を高めた波長変換素子を実現しました。その結果、本ユニットに供給する電気エネルギーからグリーンレーザ光への変換効率を業界最高水準の10%にすることが可能となりました。これまでのSHG※2(変換効率が4~5%)に比べ、低消費電力化を実現しています。

(※2)当社従来品

3.高品位の光学系設計技術により安定的に高出力のグリーンレーザを発振できるため高性能の機器が実現できます。

高出力のレーザ光を安定して得るには、ユニット内の各部品を精密に配置した上、半導体レーザ等の発熱部品から効率よく放熱することで、熱による劣化を抑制する必要があります。本ユニットは、当社が薄型光ディスクドライブ開発で培った精密な光学系設計技術による効率的な放熱構造を約2ccという小型の筐体内で実現し、当社従来比140%の出力1Wのグリーンレーザ光を安定的に得られる光学系を実現しました。

【内 容】
本製品は以下の技術によって実現しました。

1.温度特性を改善した波長変換素子[3]の開発技術

波長変換素子は非線形光学結晶[4]からなり、その内部に結晶の屈折率により決定される微細構造が形成されています。従来の波長変換素子は温度変化による屈折率変化の影響を受けやすく、素子の温度が20~30℃程度の狭い範囲でしか安定動作しませんでした。当社は、環境温度で変化する赤外レーザ光の光位相変化を補償する微細構造を加えることで温度による屈折率変化の影響を抑え、素子温度20~60℃の範囲で安定的に動作する独自構造の波長変換素子を開発しました。

2.レーザ光の減衰を軽減するための波長変換素子の均質性向上技術

波長変換素子は、その中を通るレーザの波長を変換し別の波長のレーザを発生させるため、材料の均質性を向上させてレーザの減衰を軽減することが高出力を実現するための課題の一つでした。このため当社は、材料に含まれる構造欠陥の影響を受けにくい素子形成法を独自開発し、波長変換素子の均質性を向上させることで赤外レーザからグリーンレーザへの変換効率を高めました。

3.高出力レーザの安定発振のための光学系設計技術

高出力レーザを安定的に発生させるためには振動や熱に強い光学系を設計する必要があります。特に本ユニットのような小型SHGにおいてはレーザから発する熱による温度上昇が出力を低下させる要因となります。このため当社は同じく高度な放熱設計技術が要求されるノートパソコン用などの薄型光ディスクドライブの開発で培った熱設計技術を駆使し、小型でありながら高出力を安定して発振できるSHGレーザユニットを開発しました。

【従来例】
マイクロプロジェクタの光源向けの小型レーザではこれまで40ルーメン程度が一般的でしたが、市場ではさらなる高輝度を求めるニーズが高まっていました。

【実用化】
2013年1月よりサンプル出荷
サンプル価格:数量応談

【会社概要】
パナソニック プレシジョンデバイス株式会社
所在地:熊本県玉名郡和水町高野1080
設 立:2012年1月 (1980年6月 九州松下電器株式会社 磁気ヘッド工場として操業開始)
事業内容:パナソニック株式会社デバイス社傘下で光ディスクドライブ、小型ビューアー、産業用インクジェットプリンタヘッド等の開発、製造、販売

【用語説明】
[1] SHG:Second Harmonic Generation (第2高調波発生)
非線形光学結晶という特殊な材料にレーザ光を通過させた場合、光の波が歪む効果(非線形光学効果)を利用して、光の波長を変換する方式を指します。

[2] 電気から光への変換効率
本製品に入力される電気エネルギー(単位:ワット)から実際に発せられる緑色レーザ光のエネルギー(単位:ワット)へ変換される割合を示しています。

[3] 波長変換素子
非線形光学結晶内で光の波が歪む効果を利用して、光の波長を変換する光学素子のことです。

[4] 非線形光学結晶
レーザ光のような非常に強い光を入力すると、その光の特性を変化させる性質を有する特殊な結晶材料のことです。

[5] マルチモード
レーザ発振器から出射された光線の断面光強度分布を表すビーム品質モードの一種で、高出力化に向いているため、ディスプレイや医用レーザ機器に用いられます。

[6] Duty
レーザ光源を点滅(変調)させて使用する場合における、単位時間当たりのレーザ点灯割合を表しています。

▼本件に関するお問合せ先
デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL : 06-6904-4732
ホ-ムページURL : http://panasonic.net/id/jp/


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