OKI、ドローン飛行の安全性確保を目指した電波干渉回避技術の実証実験を実施
PR TIMES / 2021年3月29日 13時45分
総務省研究開発課題「無人航空機の目視外飛行における周波数の有効利用技術の研究開発」を推進
OKIは、国立大学法人室蘭工業大学(北海道室蘭市、学長:空閑 良壽、以下室蘭工業大学)、株式会社日立国際電気(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:佐久間 嘉一郎、以下日立国際電気)と共同で、都市部でのドローンの安全飛行を実現するための電波干渉回避技術の実証実験を2021年1月21日より2月26日まで実施しました。本実証実験は都市部での地上からのさまざまな電波に干渉されずに、ドローンの目視外飛行(注1)の実現を目指すものであり、OKI、室蘭工業大学、日立国際電気が共同で受託した総務省研究課題「無人航空機の目視外飛行における周波数の有効利用技術の研究開発」の技術課題ア「小型無人航空機における他業務の電波等からの混信・干渉回避のための電波利用技術の研究開発」(以下、本研究開発)の一環として実施されました。実験の結果、飛行中のドローンにおいて、地上からの電波発射の方向を高い精度で推定できることを確認しました。
防災やインフラの維持管理、物流などの用途で普及が加速するドローンなどの小型無人航空機には、都市部上空など有人地帯における無人での安全飛行が求められ、有人地帯での目視外飛行による小型無人航空機の安全な利用の取り組みが官民一体となって進められています。しかし、小型無人航空機が利用する電波の同一帯域/隣接帯域にはさまざまな電波利用が混在しており、飛行中の小型無人航空機に対し、さまざまな電波による混信・干渉が発生し、安全な飛行ができない可能性があります。本研究開発では、都市部の上空で使用される周波数帯の電波環境をモデル化し、有人地帯で小型無人航空機を安全に運用するための電波利用の指針策定に役立てるとともに、干渉リスクを検知・回避する技術を開発することで、周波数の効率的な利用を促進します。
OKIは、本研究開発の今年度の活動として、小型無人航空機が利用する電波の到来方向を、飛行中のドローンから動的に精度よく推定する技術(電波環境の動的空間検知技術)を開発し、これを用いた無線装置を試作しました。今回の実証実験は、この無線装置をドローンに搭載し、OKI ITSテストコース(埼玉県本庄市)にて、「インフラ構造物(橋りょうなど)の維持管理にドローンを利用している」という想定で行いました。無線装置を搭載したドローンを、およそ5m上空を飛行させて検証した結果、地上からの電波発射に対し、その到来方向を高い精度で推定できることを確認しました。またドローンの揺れなどによる姿勢の変化にも追従できていることを確認しました。
本研究開発では今回の結果に基づき、今後、ドローンの使用電波が他のシステムに干渉を与えないように制御し、かつドローンとコントローラーの間の通信を正常に行うため動的に電波放出の指向性を成形するビームフォーミング技術(注2)の開発、無線装置の小型化、低消費電力化を進めます。OKIはこれらの機能を実装した無線機をドローンに搭載し、ITSテストコースにおいて、ETCシステムが近くに設置されている実運用シーンを想定した実証実験などを行い、ドローンの安全飛行を実する機器の開発と社会実装を目指していきます。
OKI ITSテストコースでの実証実験の様子
[画像: https://prtimes.jp/i/17036/477/resize/d17036-477-756704-1.jpg ]
用語解説
注1:目視外飛行
目視(直接肉眼による)できない範囲を飛行させること
注2:ビームフォーミング技術
電波(または音波、超音波)を特定の方向に向けて送信、または特定の方向から受信する技術。
リリース関連リンク
平成31年度における電波資源拡大のための研究開発および異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発の基本計画書(案)に対する意見募集の結果および提案の公募
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000290.html
【官民協議会】「空の産業革命に向けたロードマップ2020」決定
https://uas-japan.org/news/%E7%9C%81%E5%BA%81%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/5819/
参考資料
別紙:研究開発プロジェクト概要
https://prtimes.jp/a/?f=d17036-20210326-7666.pdf
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