平成30年度(第73回)文化庁芸術祭賞でメ~テレが優秀賞をW受賞2作品の代表者が贈呈式に出席
PR TIMES / 2019年2月15日 14時40分
平成30年度(第73回)文化庁芸術祭におきまして、テレビ・ドラマ部門で『メ~テレ開局55周年記念ドラマ 乱反射』が優秀賞(14作品中)、『メ~テレドキュメント 行ってみれば戦場 ~葬られたミサイル攻撃~』がテレビ・ドキュメンタリー部門で優秀賞(49作品中)を獲得しました。
贈呈式は、2月14日(木)に東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で行われ、2作品の代表者が出席。永岡桂子文部科学副大臣から賞状を受け取りました。
平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 テレビ・ドラマ部門 【優秀賞】
『メ~テレ開局55周年記念ドラマ 乱反射』
放送:2018年9月22日(土) 午後10:15~0:08
(再放送)2018年10月20日(土) 午前1:34~3:33
出演:妻夫木聡、井上真央 ほか
原作:貫井徳郎 脚本:成瀬活雄、石井裕也
チーフプロデューサー:太田雅人 プロデューサー:松岡達矢、布施等(MMJ)
制作協力:MMJ 監督:石井裕也
【内容】
地方都市に住む2歳の男の子の命が、街路樹の倒壊によって奪われる事故が起こる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、「誰にでも心当たりのある」小さな罪の連鎖だった。
─自らの虚栄心を満たすために、街路樹伐採の反対運動を起こす主婦
─定年後に家に居場所を無くし、救いを求めて飼い始めた愛犬のフンを腰が痛いからという理由で始末しない老人
─医師としての責任を負うのが嫌で、救急要請を断ってしまうアルバイト当直医
─犬のフンを拾うために公務員になったんじゃないと、仕事を放置した市の職員
─極度の潔癖症を患い、不潔なものに触れられないことを隠している造園業者
本当は悪いことだとわかっているけれど、目をつむってこっそりする「小さな罪」。誰もがどこかで身に覚えがあるものばかり。しかし、そんな「小さな罪」が連鎖して積み重なり、2歳の男の子の命が奪われる事故が起こる。
【受賞理由】
強風で一本の街路樹が倒れ、その下敷きになった幼子が死亡したことから展開する人間模様を見事に描ききった力作である。事故に関わる人間たちの本音と建前が入り交じった主張の食い違いが、真実を曖昧なものにしていく、という物語は、石井裕也監督版『羅生門』ともいえるもので、見応えある人間ドラマとなっている。
【贈呈式での受賞コメント】
●チーフプロデューサー 太田 雅人 (おおた まさと)
贈呈式にて改めて、石井監督をはじめとしたスタッフの皆さん、妻夫木聡さん・井上真央さんをはじめとした出演者の皆さん、そして「乱反射」に関わられた全ての関係者の皆さんの「作品にかける強い思い」によって、この賞が頂けたのだと思いました。皆さん、おめでとうございます!
審査員の方からも、「テレビドラマの枠を超えた、素晴らしい力作でした!」というお褒めの言葉も頂きましたので、これを糧に、これからも「記憶に残る作品」を作っていきたいと思います。
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平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門 【優秀賞】
『メ~テレドキュメント 行ってみれば戦場 ~葬られたミサイル攻撃~』
放送:2018年11月17日(土) 午前2:34~3:36
プロデューサー:村瀬史憲 ディレクター:依田恵美子 ナレーション:上田定行
撮影:矢野健一郎 音声:宇都木琢 編集:鈴木建晴
音効:村上祐美 MA:犬飼小波 題字:安藤慎也
【内容】
他国の戦争のために、「派遣される場所は安全だ」という根拠で派遣され、現地で危険に晒されたのは自衛隊だけではない。実は自衛隊の海外派遣よりも前に民間の輸送船と船員が危機に晒されていた。湾岸戦争で日本政府がペルシャ湾に派遣した中東貢献船”きいすぷれんだあ”号だ。
湾岸危機の際、アメリカは兵力を中東に集めることに躍起だった。日本にも具体的な支援として海上自衛隊の派遣を求めた。当時、自衛隊を海外に派遣できる環境になく、民間の輸送船を派遣することは、日本政府がアメリカの要請に応えるために考え出した苦肉の策だった。外務省は国会で「日本政府の指揮下で安全に航行する」と説明していたが、派遣されたペルシャ湾の実態は全く異なっていた。
”きいすぷれんだあ”は、米軍の指示でイラクのスカッドミサイルの射程圏内とされた危険な海域に入り、ミサイル攻撃に晒されていたのだ。幸いにも人的な被害はなかった。政権が揺らぎかねない事件だったにもかかわらず、攻撃を受けた事実は当時、まったく報じられなかった。外務省が「機密」として隠ぺいしたからだ。情報開示請求で得た資料の中に船長の報告書がある。「ここは戦場だ」との文字もある。
中東貢献船を派遣している間に与党は法整備を進め、その後、ペルシャ湾に掃海艇を派遣。初の自衛隊海外派遣となった。以後、「派遣される地域は安全」という方便のもと、海外派遣は自衛隊の本来任務となり、集団的自衛権の行使容認へと繋がっていく。番組では、ミサイル攻撃が隠された背景を探り、自衛隊の海外派遣を支えてきた「虚偽」と「隠ぺい」の原点を指摘する。
【受賞理由】
湾岸戦争時に政府が中東貢献船として派遣した民間輸送船「きいすぷれんだあ号」。安全な場所という条
件が米軍の指示のもと危険海域に入りイラク軍のミサイル攻撃に晒されていた事実。橋本船長の現地報告書、当時の大臣、国会議員、官僚たちの証言から、一般の人々が自衛隊の海外派遣に慣れてきた現実が見えてくる。「日本のゆくえ」を問う秀作。
【受賞コメント】
●ディレクター 依田恵美子(よだえみこ)
このような賞をいただき、スタッフ一同、大変光栄です。湾岸戦争の際、日本政府により派遣された民間船がミサイル攻撃に晒されていたという事実を、当時のマスコミは伝えることができませんでした。しかし、元船長との出会いにより約30年経った今、過去を検証し、伝えることができました。関係者の証言や情報公開請求など事実の裏づけは、今に繋がる自衛隊の変化を改めて考えるきっかけとなりました。「戦争は過去にあらず」という、
メ~テレ報道局が大切にしている言葉を胸に、今後も名古屋から伝え続けていきたいと思います。
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