ギリシャの島々で人びとを劣悪な状態に追い込む政策に終止符を――MSF、他の市民団体と共に訴え

PR TIMES / 2020年10月8日 18時15分

ギリシャ・レスボス島のモリア難民キャンプを焼失させた火災から、1カ月が経過した。欧州委員会は「さらなるモリアは作らない」と公約したが、島内に設けられた新たなキャンプには、7500人以上の人びとが再び非人道的な環境の中に押し込められ、他のエーゲ海の島々でも、7000人の子どもを含む何千人もの人びとが、無秩序で安全ではないキャンプ暮らしを続けている。国境なき医師団(MSF)は、他の6つの市民団体と共に、劣悪な環境の島々から人びとを早急に移動させ、欧州国境の施設に人びとを封じ込める政策を終わらせるよう訴えている。



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ギリシャの難民キャンプでの変わらぬ苦境

ギリシャの島々に閉じ込められた人びとを退避させ、苦しみと虐待の連鎖を引き起こしてきた封じ込め政策に終止符を打つこと──。欧州の指導者らにそう求めた嘆願書には、これまで50万人以上が署名した。しかし欧州委員会が2週間前に発表し、現在、司法・内務理事会で審議中の新たな移民協定は、この嘆願書の要求には応えておらず、火災の原因となった政策そのものを追認する内容となっている。

レスボス島に作られた新たなキャンプでは、大人も子どももテントの中に敷いたマットの上で眠り、水道はなく、食事は1日に1回配給されるのみ。仮設トイレの数は限られ、シャワーはなく、体は海の中で洗う。さらにこのキャンプは、海に隣接した射撃場跡地に急きょ建設されたもので、環境は安全とは言えない。冬になれば、キャンプは雨や暴風雨に持ちこたえられないだろう。モリアの火災は新型コロナウイルス対策を名目とした強制隔離を背景に起きたが、ここでも社会的距離をとるなどの感染対策はままならない。

状況はレスボス島以外でも同様だ。サモス島、キオス島、コス島、レロス島など他の欧州連合(EU)の難民キャンプに滞在する人びとも、非人道的で過密な環境の中に閉じ込められている。今年1月以降、コス島に新たに到着した人びとはすぐさま拘束され、サモス島では4314人が、648人を想定し建設された施設とその周辺で生活している。新型コロナの感染者が90人以上確認されたにもかかわらず、適切な医療対応の計画をまだ明らかにしていない。

路線を維持したEUの新協定

EUによる新たな移民協定は、これまで人びとに苦しみを与えてきた政策を定着させた形だ。過去5年間、こうした移民・難民の封じ込めモデルはさまざまな人道危機を引き起こしてきたが、今回疑問視されることはなかったように見える。EUのホットスポット・アプローチ(※)を反映させ、強制的な国境手続きを拡大したもので、人道的に人びとを受け入れ保護する代わりに、移民抑止と送還を公然と指向している。

※最初の欧州入国地となるギリシャやイタリアなどに設けられたEU運営の難民受付センター。本人確認、指紋採取、保護必要性の判断、難民申請の判断などを行う。

拡大する市民の声

MSFは、9月8日のモリアキャンプでの火災以来、他の市民団体(※)と共同で、この問題を提起し欧州市民に訴えかけてきた。EUの指導者に向けて、劣悪な環境の島々から、安全かつ尊厳のある施設へと人びとを早急に移動させ、国境施設で人びとを封じ込める政策を止めるよう要求するこの運動は、今日までに、450の組織、ネットワーク、グループ、政治家、そして16万5000人以上の個人が署名した請願書に加えて、前例のない同盟へと成長した。また、同様の要求を繰り返すいくつかの請願が開始され、それらを合わせると、50万人以上もの署名が集まっている。

※ Europe Must Act、Help Refugees、Legal Centre Lesvos、Lesvos Solidarity、Refugee Rights Europe、Still I Riseの6団体

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