「脳機能」をターゲットとした共同研究プロジェクトを開始
PR TIMES / 2020年1月30日 17時25分
-株式会社ファンケルとキリンホールディングス株式会社-
株式会社ファンケル(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長 CEO 島田和幸 以降ファンケルと表記)は、2019年に資本業務提携をしたキリンホールディングス株式会社(本社:東京都中野区/代表取締役社長 磯崎功典 以降キリンと表記)と、「脳機能」をターゲットとした共同研究のプロジェクトを2020年1月から開始しました。
今回、両社のこれまでの「脳機能」に関する研究成果を共有し、効率的に新たな価値創造を目指す共同研究プロジェクトが実現しました。今後、両社の強みを生かしたさまざまな取り組みを本プロジェクト内で進め、革新的なシナジー効果を創出していきます。
<本共同研究プロジェクトが目指すもの>
以前から両社はそれぞれの脳機能研究の分野において、機能性素材のメカニズムから臨床試験に至る「認知症予防」に向けた研究を進めてまいりました。認知症の発症メカニズムは複雑であり、現在はまだ根治療法もなく、その予防法への取り組みが重要とされています。また、予防法にはさまざまなアプローチがあると考えられております。
両社が持つ素材は、脳機能に対して異なったメカニズムで働きかけるものです。これらを応用して共同研究することで、従来にない効果を持つ認知機能の維持に向けた製品やサービスを開発することが期待できます。共同研究のスタートとして、2020年内に両社の素材と技術を活用して認知症予防に向けた臨床試験を開始します。その結果を生かして、3年以内に認知症予防機能を持った新たな製品やサービスを開発することを目指します。
<両社における今までの研究成果>
現在認知症の治療法は確立されていませんが、認知症を発症する20年以上前から「βアミロイド」や「リン酸化タウタンパク質」などの異常なタンパク質が脳の中に蓄積されることで脳が病変し、認知症を引き起こすことが分かっています。そのため、認知症は早期発見、早期予防が有効であると言われています。
両社では、認知機能に関して毎日安心して摂取できる食品由来成分の研究を進め、「フェルラ酸」、「熟成ホップ由来苦味酸」、「βラクトリン」などの有望な機能性素材を発見してきました。
キリンは、ビール苦味成分として知られる「熟成ホップ由来苦味酸」が、認知機能の一つである記憶想起力を改善することを確認しました(図1、2)。実施内容は45歳から64歳の健常中高年を対象とし、語流暢性試験※1 および日常記憶チェックリスト※2を指標として実施しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/17666/519/resize/d17666-519-117767-3.jpg ]
さらに、慶應義塾大学と共同で乳由来のペプチドである「βラクトリン」を含む食品について、50歳から75歳の健常中高年を対象に行った継続摂取試験において、有意に記憶力を改善することを確認しました(図3)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/17666/519/resize/d17666-519-836929-1.jpg ]
ファンケルは、「フェルラ酸」を含む食品を継続摂取することで、軽度認知症と判定された65歳以上の高齢者に対して認知機能の改善を確認しました(図4)。「フェルラ酸」は、米ぬかや小麦などの食品に多く含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持つ成分です。
[画像3: https://prtimes.jp/i/17666/519/resize/d17666-519-375876-2.jpg ]
【用語解説】
※1 語流暢性試験:
臨床や心理学的研究で使用される前頭葉機能検査の1つで記憶想起機能を評価する。
※2 日常記憶チェックリスト:
認知機能低下や記憶障害によって日常生活上起こりうる問題点を標準化した質問票。
※3 視覚性対連合記憶試験:
何かの手がかりを利用して再生する記憶機能を評価する試験。75歳以上の運転免許更新時に行う認知機能検査項目の一つ。
※4 MMSE(Mini Mental State Examination)スコア:
認知障害の測定を目的とした神経心理テストの一つ。点数が低いほど認知機能に何らかの障害がある可能性が高いとされる。
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