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第11回日本皮膚科心身医学会においてアデランスがランチョンセミナーを初共催 会場&Webによるハイブリッド開催

PR TIMES / 2021年2月17日 14時45分

~アデランス産学連携~ 

 毛髪・美容・健康のウェルネス産業の株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2021年1月24日(日)に開催の第11回日本皮膚科心身医学会において、アデランスがスポンサーシップをとるランチョンセミナー「こころと髪の科学!」を共催しました。
 今年は新型コロナウイルス拡散防止として従来のような会場のみでの実施ではなく、会場開催と同時にWEB配信を活用してより多くの聴講者がどこからでもアクセスできる「ハイブリッド開催」での実施となりました。



 1月24日(日)に会場での講演およびWEBでの配信が行われ、浜松医科大学皮膚科学講座准教授・病院教授 伊藤 泰介先生と、当社が寄附講座を開設する大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授の乾 重樹先生が講演されました。座長は今回の学会長でもある順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授の植木 理恵先生が務められました。

 日本皮膚科心身医学会は皮膚科領域における心身医学の振興を図ることにより、心身相関が関与する皮膚疾患の病態、診断・治療法の研究、臨床実践のレベルを向上させ、広く社会に還元することを目的とする学会です。第11回目となる本年は「こころから、皮膚を診てみよう」をテーマと設定し、アデランスが本学会に共催するのは今回が初めてとなります。
[画像1: https://prtimes.jp/i/10292/562/resize/d10292-562-622442-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/10292/562/resize/d10292-562-435948-1.jpg ]



 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携において毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。
 その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。

■アデランス共催ランチョンセミナー「こころと髪の科学!」 講演概要
演者1
 浜松医科大学皮膚科学講座 准教授・病院教授
 伊藤 泰介 先生

演題
 円形脱毛症とストレス

講演内容
 円形脱毛症は一般に精神的ストレスによって発症するのではないかと考えられているが、実際にはそうではない症例も多い。病態を考える上で最も理解しやすい誘引はウイルス感染症である。インフルエンザウイルスなどの感染に伴って形質細胞様樹状細胞からのIFN-a産生に引き続く細胞傷害性T細胞の活性化、IFN-g産生、免疫寛容の破綻、自己抗原の認識、という免疫反応が想定される。一方で強い精神的ストレスの後に円形脱毛症を発症する症例も経験する。また精神疾患の合併についての報告も認められる。円形脱毛症と抜毛癖がしばしば合併すること、脱毛症状自体がストレスであることから、円形脱毛症と精神的な側面の関わりは切ってもきれない関係である。

 さて毛組織はストレスホルモンの影響を受けやすい組織であることを我々は実験的に確認している。ヒトはストレス環境下において視床下部よりCRHが分泌され下垂体よりのACTHやカテコラミンの分泌を促す。ACTHは副腎皮質より糖質コルチコイドを産生させ、ストレスによる組織障害を和らげる働きをする。この一連の系をhypothalamic-pituitary-adrenal axis (HPA axis)と呼んでいる。我々はヒト毛包自体にHPA axisが機能的に存在していることを実験的に証明してきた。これはヒト毛包の組織培養においてCRHを添加することによってACTHの発現が亢進し、さらに糖質コルチコイドの産生が毛組織自体で行われることを見いだした。このストレスホルモンCRHはヒトやマウスの毛包周囲の肥満細胞にも影響を与える。肥満細胞は毛包周囲に密に存在しているが、そこには肥満細胞の前駆細胞も存在しCRHによって成熟肥満細胞が増殖することが我々の研究で示唆された。これにはStem cell factorが関与し脱顆粒することで毛包の成長を妨げる因子になる。また肥満細胞は自らもCRHを産生している。最近の研究ではカフェインがストレスホルモンによる毛髪ダメージを和らげる可能性があるという報告もある。

 そもそも円形脱毛症の症状自体が精神的な苦痛、日常生活に多大な影響を与える疾患であり、患者さんにとって何がストレスかといえば、抜けていること自体がストレスだという。脱毛症状によってどのような支障が日常生活、学校生活でおきているのか、またそれに対してウィッグも含めてどのような対応策をとっているのか、脱毛症外来患者さんからの訴えをもとにまとめてみたい。


演者2
 大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授
 心斎橋いぬい皮フ科 院長
 乾 重樹 先生

演題
 脱毛症患者におけるウィッグの心理的QOL改善効果のエビデンス

講演内容
 脱毛症は患者の心理状態に大きな影響を及ぼすものであるから、脱毛症状をカモフラージュするウィッグは外見上への影響だけでなく、内面的な生活の質(Quality of life: QOL)へも大きな効果があることは予想がつく。しかしながら、ウィッグの心理的な効果について医学的見地から調べられた報告は希少であった。今回はウィッグの社会心理的効果とそのエビデンスについて演者らの研究知見を中心に述べる。

 福祉用具心理評価スケール(psychosocial impact of assistive devices scale: PIADS)を用い、脱毛症患者におけるウィッグのQOLへの影響を検討した。PIADSは0を不変として-3から+3までで評価される26の項目からなり、それらの項目は効力感、積極的適応性、自尊感に分類され、正の点数はQOLの改善を意味する。ウィッグを使用していた49名の円形脱毛症女性患者に PIADSアンケートに答えて頂くと同時にウィッグ装着時の見た目への満足感を視覚的評価スケール(VAS)で評価した。その結果、PIADS平均はベースラインである0に比べて有意に増加し(p<0.001、マンホイットニーU検定)、さらに、効力感、積極的適応性、自尊感の3因子も増加しており、心理的QOLがウィッグによって改善することが証明された。また、PIADS合計、効力感、積極的適応性、自尊感のいずれもウィッグ装着時の見た目への満足度と正に相関し(p<0.05、スピアマンの順位相関係数)、患者への心理的効果には整容的満足が重要であった。

 同様にウィッグを使用している男性型脱毛症の男性患者26名においてPIADS平均、効力感、積極的適応性、自尊感はいずれも改善し(p<0.001、 マンホイットニーU検定)、ウィッグ装着時の見た目への満足度やノーウッド-ハミルトン分類による男性型脱毛症重症度と正に相関した(p<0.05、スピアマンの順位相関係数)。女性型脱毛症患者20名でもPIADS平均、効力感、積極的適応性、自尊感の3因子はともにベースラインである0に比べて有意に増加していた (p<0.001、マンホイットニーU検定)。ウィッグ装着時の見た目への満足度や重症度と相関しなかったが、ウィッグ装着時の見た目への満足感はVAS8.02+/-1.43で、十分な満足感が得られていた。

 以上のエビデンスに基づいて2017年に策定された脱毛症ガイドラインでは、円形脱毛症に対して推奨度B(使用するように勧める)、男性型脱毛症および女性型脱毛症に対して推奨度C1(使用してもよい)との評価を受けることとなり、エビデンスとガイドラインに基づいて脱毛症患者にウィッグを勧めることができる。


■学会概要
学会名称:第11回日本皮膚科心身医学会
会  期:2021年1月24日(日)
会  場:都市センターホテル(東京都千代田区)/ハイブリッド開催
会  長:順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授
     順天堂東京江東高齢者医療センター 皮膚科 科長
     植木 理恵 先生

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