キヤノンオプトロンが「人工蛍石結晶」を日本カメラ博物館に寄贈半世紀以上にわたる光学産業への貢献を評価
PR TIMES / 2020年7月2日 17時40分
キヤノンオプトロン株式会社は、本日、茨城県結城市の本社内で製造する「人工蛍石結晶」を一般財団法人日本カメラ財団(以下、JCII)へ寄贈しました。寄贈した「人工蛍石結晶」は、明日より、JCIIが運営する日本カメラ博物館(東京都・千代田区)で展示されます。
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今回の寄贈は、国内外の貴重なカメラや写真を多数保有・展示する日本カメラ博物館に展示するため、JCIIの要請を受けて実現したもので、人工蛍石結晶の製造を通じた半世紀以上にわたる光学産業への貢献が評価されました。
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■ 高性能レンズに用いられる「人工蛍石」
蛍石は、高温で熱したとき、夏の夜に舞う蛍のように美しく発光することから名付けられたフッ化カルシウム(CaF2)の結晶で、光学ガラスと組み合わせることで色収差の補正を理想に近い形で行える光学特性を備えています。キヤノンは人工蛍石を採用したカメラ用交換レンズ「FL-F300mm F5.6」を1969年5月に世界で初めて一般消費者向けに発売して以来、今日に至るまで半世紀以上にわたり高性能レンズを設計する一つの手段として人工蛍石を用いています。また、キヤノンオプトロンが製造する「人工蛍石結晶」は、キヤノン製のカメラ用交換レンズや放送用レンズのみならず、天体望遠鏡レンズや紫外線顕微鏡など、幅広い光学製品で活用され、光学産業発展の一翼を担っています。
■ 日本カメラ博物館のコメント <日本カメラ博物館 運営委員 市川泰憲氏>
「蛍石は極めて特徴的な光学特性や、可視光線から紫外線・赤外線領域までの幅広い波長の光を透過することから、古くから顕微鏡や科学写真用特殊レンズなどに使われてきました。今日のレンズでは特殊低分散ガラスの多用も進みますが、キヤノンは半世紀以上にわたり、高性能レンズの設計で蛍石を採用しており、結晶を成長させて得られる優れた特徴を持つ光学素材としての人工蛍石の存在は歴史的に意義あるものと考えます。『人工蛍石結晶』は、明日より、日本カメラ博物館常設の『レンズコーナー』内で展示します。」
<「日本カメラ博物館」概要>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/13980/table/584_1.jpg ]
<ご参考:蛍石を採用するキヤノン製カメラ用交換レンズについて>
キヤノンは、蛍石レンズを採用したカメラ用交換レンズを、これまでに37機種(うちEFレンズ28機種)を発売し、現在、10機種を生産しています。(2020年7月2日時点)。
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<ご参考:蛍石の特性について>
光は水や透明なものにぶつかると、屈折する性質があります。レンズはその性質を利用して透過する光に焦点を結ばせます。ところが屈折する度合いは、色によって異なり、たとえば波長の短い青色は波長の長い赤色よりも急角度に屈折します。そのため同じ光源から発せられた光も、レンズの中で色ごとに分かれてしまい、それぞれの焦点位置が異なってしまいます。これにより、「色収差」と呼ばれる色のにじみが発生します。
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色収差は、凸レンズと凹レンズでは反対向きに発生するため、分散の小さい凸レンズと分散の大きい凹レンズを組み合わせて光線の進行方向を一つにそろえて、収差を相殺し、2つの波長(赤・青色光など)の焦点を一致させることで補正します。しかし、色収差を補正するために組み合わせたレンズでも、焦点付近を見ると、赤と青の波長の中間である、緑の焦点にずれが生じます。このわずかな残存色収差を、二次色収差または二次スペクトルと呼びます。この色収差の抑制に効果を発揮するのが「蛍石」です。
蛍石レンズは光学ガラスと比較して、「屈折率が著しく低い」、「低分散および異常部分分散特性をもつ」、「赤外・紫外部での透過性がよい」などの特徴を備えています。通常の光学ガラスにはないこの特徴を生かして蛍石の凸レンズを作り、色消しをすれば二次スペクトルは極めて小さくなるため、赤・緑・青の焦点がほぼすべて合致し、光の焦点は一点に集まり、色収差の大幅な抑制を実現することができます。
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焦点距離が長いことにより二次スペクトルの影響を大きく受ける超望遠レンズでは、この蛍石の性能が大いに発揮されるため、「EF400mm F2.8L IS III USM」「EF600mm F4L IS III USM」(いずれも2018年12月発売)などの最新レンズにおいて、キヤノンは蛍石を採用しています。蛍石を採用した超望遠レンズシリーズは描写の繊細さ、コントラストの高さに、世界中のフォトグラファーから高い支持を集めています。
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