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劣悪な環境下に暮らすロヒンギャの子ども-安全な水やトイレ、予防接種、心のケアが急務【プレスリリース】

PR TIMES / 2017年10月20日 17時1分

ユニセフ報告書「追放と絶望」発表



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1038/resize/d5176-1038-506692-0.jpg ]

【2017年10月20日 ダッカ(バングラデシュ)/ジュネーブ 発】

ユニセフ(国連児童基金)は本日、この数日間に越境してきた約1万人を含む、8月末以降にミャンマーからバングラデシュ南部に逃れてきた32万人以上のロヒンギャ難民の子どもたちは、劣悪な生活環境と水を起因とする感染症の脅威に晒されている、と発表しました。

「バングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民の子どもたちの多くは、誰ひとり決して見るべきではないような残虐行為を目撃し、すべての子どもたちが大事な人や物を失う苦しみを経験しました」とユニセフ事務局長アンソニー・レークは述べました。「これらの子どもたちは緊急に食料、安全な水と衛生環境、そして緊急時に発生する感染症の予防接種を必要としています。同時に彼らは、経験した苦しみを乗り越えるための助けを必要としています。教育が必要です。カウンセリングも必要です。希望が必要です。今すぐにこれらを提供できなければ、彼らは社会に貢献できる市民として成長できるでしょうか?この危機は、彼らから子ども時代を奪っています。しかし、同時に子どもたちの未来までも奪わせてはならないのです」

8月末以降にミャンマーでの恐ろしい暴力から逃れてきた50万人以上のロヒンギャの人々が、国境を越えバングラデシュ南部のコックス・バザールに辿り着きました。それ以前にバングラデシュに逃れたロヒンギャ難民も約20万人います。最近到着した難民の60%は子どもで、1日に1,200人から1,800人の割合で越境してきています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1038/resize/d5176-1038-829841-1.jpg ]

ユニセフは新たな報告書「追放と絶望:ロヒンギャ難民の子どもたちが直面する危うい未来(原題:Outcast and Desperate: Rohingya refugee children face a perilous future)」の中で、難民のほとんどが過密状態で非衛生的な仮設住居に暮らしていると述べています。バングラデシュ政府が主導する国際社会による支援努力は拡大しているものの、子どもたちの多くが生活必需品を得ることができていません。

「難民の流入が止まらない中、子どもたちに恐ろしい危険が迫っているのがわかります」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル(Edouard Beigbeder)は述べました。「屋根もなく、食料や安全な水や衛生環境が極端に不足している状況下に暮らしており、水を起因とする感染症などの病気に罹るリスクが高いことは明らかです」

難民キャンプでは、幼い子どもたちが高い割合で重度の急性栄養不良に陥っており、妊婦の産前ケアや新生児のケアが不足しています。暴力の経験からトラウマを抱えた子どもたちに対するケアも拡大する必要があります。

報告書は、難民キャンプの混沌とした状況下に置かれた子どもや若者が、彼らを搾取し巧みに操ろうとする人身売買業者などの餌食になりかねないと指摘します。

ユニセフは、ミャンマーのラカイン州で起きている一般市民を対象とした残虐行為を止めること、そして人道支援従事者が暴力の影響を受けている子どもたちに、早急に自由に人道支援を届ける許可を求めています。ユニセフは現時点では、ラカイン州北部のロヒンギャの子どもたちに支援を届けることができません。

この報告書はまた、ラカイン州での危機には長期的な解決が必要で、ラカイン州諮問委員会が提案する、無国籍や差別の問題に取り組む必要があるとしています。

10月23日にジュネーブで開催予定の国連による支援国会合に先駆けて、ユニセフは各国政府に対して、国連と人道支援諸機関が発表した「バングラデシュ人道支援計画(Bangladesh Humanitarian Response Plan (HRP))」改訂版で求められている要請に早急に対応するよう呼びかけています。この支援計画では、総額4億3,400万米ドルを要請しています。また、ユニセフは、今回新たに難民となったロヒンギャの子どもたちに加え、以前から難民となっている子どもたちや困難な状況にある受け入れ地域の子どもたちの抱える喫緊のニーズに対応する資金として、7,610万米ドルを求めています。


[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1038/resize/d5176-1038-420931-2.jpg ]

ロヒンギャの子どもたちの間で下痢症などの水を起因とした感染症が流行する恐れがある中で、この要請では、安全な水と改善された衛生環境(トイレなど)の支援拡大を最優先事項としています。ロヒンギャの子どもたちのほとんどが、はしかなどの病気の予防接種をすべて受けられてはいません。ユニセフは、ロヒンギャの子どもたちに対して、子どもにやさしい空間での学習やサポート支援、またパートナー団体と協力してジェンダーに基づく暴力の問題にも取り組んでいます。

ユニセフは、以下の4つの重点分野における早急な行動を求めます:

国際社会による、バングラデシュ人道支援計画およびミャンマー人道支援計画への支援および資金提供
ロヒンギャの子どもたちと家族の保護、ならびにラカイン州で暴力の影響を受けているすべての子どもたちに対する早急かつ自由な人道支援の許可
ロヒンギャ難民によるミャンマーへの安全な、自主的で尊厳のある形での帰還をサポート
ラカイン州諮問委員会の提案の実施を含めた、危機の長期的な解決


* * *

危機下にあるロヒンギャ難民の子どもたちと家族に、人道支援を届けるユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は『ロヒンギャ難民緊急募金』を受け付けています。

<ロヒンギャ難民 緊急募金>
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ロヒンギャ」と明記願います。 *送金手数料は免除されます。
※公式ホームページでは、インターネットからの募金を受け付けています。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/rohingya/

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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