イエメン 空域と港が閉鎖:100万人の1歳未満児が感染症のリスクに
PR TIMES / 2017年11月13日 19時1分
ユニセフ、人道的アクセスを求める
【2017年11月10日 ジュネーブ 発】
本日、国連ジュネーブ事務所における定例プレスブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)イエメン事務所代表 メリチェル・レラノは、イエメンの空域および海・陸の港の閉鎖が子どもに及ぼす影響について下記の通り報告しました。
* * *
イエメンは、世界最大の人道危機および世界最悪の食糧危機に直面しています。700万人近くの人々が、次の食事をどこから得るのかわからず、何百万人もの人々の生存が人道支援に依存しています。現状で最も必要なのは、燃料、医薬品、および食糧です。そして、それらを届けるためには、人道的アクセスが必要です。
■アクセスについて
命を守る人道支援活動はこれまでも規模が縮小されてきましたが、イエメンの空域および海・陸の港が最近閉鎖されたことにより、その状況はさらに悪化しています。閉鎖は、緊急に支援を必要とするイエメンの子どもたちに、必要不可欠な人道支援物資を届けることを妨げています。そして、子どもたちが置かれたすでに悲惨な状況をさらに悪化させています。ホデイダ港は、ほとんどの人道支援物資が通過するため、この港の開港は必須です。
そして、人道支援従事者および支援物資の移動が妨げられていることから、現地での活動が不可能となっており、何百万人もの子どもたちが、生きるために必要な人道支援の提供を受けられなくなっています。
■閉鎖が及ぼす影響について(一例)
現在備蓄されている燃料で持ちこたえられるのは、11月末までとみられています。燃料は、保健センターの運営や、水道システム(給水および下水処理)の稼働を維持するために必要です。また、燃料の価格は60%上昇しています。
燃料の備蓄が補充されなければ、以下のことが起こる可能性があります。
コレラの流行に対応するため、ユニセフが実施している水と衛生分野での支援事業に影響が及び、コレラの感染リスクが高いとされる地域に暮らす600万人近くの人々が影響を受ける
現在稼働中の給水システムおよび下水処理施設の機能が停止し、想定を超える危険性をもたらす
毎週50万人近くに支援を届けている、即応チームの活動が妨げられる
燃料不足により、22の県・地区の冷蔵室およびワクチン保管庫が、閉鎖のリスクに晒されている。何千人もの子どものためのワクチンが、適切な温度で保管されずに損傷する可能性がある
イエメンへのワクチンの輸送が妨げられれば、少なくとも100万人の1歳未満児が、ポリオやはしかなどの病気に罹る危険に晒されます。
現在、イエメン国内で備蓄されているワクチンは、この先1カ月分のみ。
医療品の不足は、イブ県の5つの地区で最近報告されたジフテリアの流行を悪化させるだろう。疑いのある症例約87件、および、関連した死亡9件が報告されている。
60%の人口が食料不足を経験する中、イエメンの空域および海・陸の港の閉鎖は、食料不足の状況をさらに悪化させ、栄養不良率も高めると見られています。
子どもたちは重度の栄養不良や感染症など、簡単に予防できる病気で苦しんでいます。子どもたちは緊急に支援を必要としており、栄養治療食を届けることが妨げられることは、さらに多くのイエメンの子どもたちが命を落とすことを意味します。
支援を必要とするイエメンの子どもたちと家族のため、ユニセフは、イエメンの紛争に関わるすべての当事者に対して、陸・空・海を通じた、安全で持続的、迅速かつ無制限のアクセスを可能にするよう求めます。
* * *
■ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 https://www.unicef.org/media/media_101471.html からご覧いただけます。
■ 本信に関連する画像・映像は、 http://uni.cf/2zDSh1Z からダウンロード頂けます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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