イエメン:ユニセフ・世界銀行 緊急共同プロジェクト~最も脆弱な900万人に緊急現金給付【プレスリリース】
PR TIMES / 2018年5月29日 18時1分
子どもたちを栄養不良、労働、早婚、徴兵から守る
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【2018年5月28日 アンマン(ヨルダン)/サヌア(イエメン)発】
ユニセフ(国連児童基金)は世界銀行グループの機関である国際開発協会(IDA)の支援を受けた「緊急現金給付プロジェクト」を通じて、イエメンの最も弱い立場にある約150万家族、推定900万人に対して、緊急現金給付支援を実施しました。
ユニセフと世界銀行が共同で行う緊急現金給付プロジェクトは2017年半ばに始まり、イエメンの最も弱い立場にある人々を対象とした2回目の給付を今週完了ました。3回目の給付は今年8月を予定しています。
「この緊急現金給付は、飢饉の危機の回避に貢献し、多くが栄養不良に陥っている子どもたちのために家族が食品や薬を購入できるようにします。また、紛争下のイエメンで増加傾向にある児童労働や早婚といった負の対策を家族が取らずに済むようにするために極めて重要です」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは述べました。
現金給付はイエメン人口の3分の1にとって生命線となっています。イエメンの人々は数年に及ぶ紛争が引き起こしている飢饉の危機やジフテリア、コレラや急性水様性下痢症の集団発生に苦しんでいます。この3年間に激化した紛争の影響により、6,000人近くの子どもが死傷し、国はさらに貧しくなりました。家族は生き延びるために、子どもに労働、早婚や戦闘への参加を強いるなどの極端な対応を取ることを迫られています。
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4人の母親のウム・ムハンマドさんは、家族の最も基本的なニーズを満たすことができず、年少の息子を退学させなければなりませんでした。「生活は厳しいです。1日1度の食事で生きながらえています。でも、頂いた現金で、ミシンを修理して服の生地を買うことができ、お客さんもできました。給付金のおかげで私の家族の生活は大きく変わりました」とウム・ムハンマドさんは言いました。
12歳のムハンマド君が言いました「お母さんがもう学校をやめてほしいと言ったとき、僕は自分の部屋に行って泣いたんだ。僕はクラスで成績が一番だった。僕たち家族はすごく貧しくて、ろくに食べることもできなかった。でも、学校に戻れたよ。たくさんの困難があっても、僕たちのことを見捨てなかったお母さんを、とても誇りに思っています」
「緊急現金給付プロジェクトは、イエメンの厳しい環境下で収入源を持たない何百万人もの人々の生活を変化させています」と世界銀行イエメン・エジプト・ジブチ担当カントリー・ディレクターDr. Asad Alamは述べました。「このプログラムは現金収入を支援することで、子どもたちを学校に通わせ続け、食品や薬を購入できるようにし、平和が再度訪れた時にイエメンの人々が自らの生活を再建する準備が整っているようにする手助けをします」
■補足データ
イエメン緊急現金給付プロジェクトは、社会保障基金リストを基に特定された、イエメン全土22県、333地区すべてに居住する、厳しい状況にある150万家族、900万人以上を対象。
このプロジェクトは2017年8月に開始。
イエメン全土で、食糧不安に陥っていると推定される人の数は全人口の60%にあたる1,700万人、飢餓の危険に直面している人の数は840万人という驚異的な数で、昨年4月より24%増加していることが懸念される。
イエメンの保健・教育制度が崩壊寸前の状態にある中、何百万人もの子どもの命が栄養不良の脅威に晒されている。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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