COP25:大気汚染の影響は3億人、洪水リスク5億人~「気候変動は子どもの権利の危機」と強調【プレスリリース】
PR TIMES / 2019年12月10日 9時35分
ユニセフ 気候変動Fact Sheet
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【2019年12月6日 マドリード(スペイン)発】
ユニセフ(国連児童基金)は、第25回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP25)が2週目に入ろうとしている本日、もっとも弱い立場に置かれている子どもたちを気候危機から守るための解決策に対して十分な緊急投資がなく、子どもの権利におけるこれまでの成果が後退する恐れがあると述べました。
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「ハリケーンから干ばつ、洪水、山火事まで、気候危機が招く結果は常に私たちを取り巻き、もっとも影響を受けている子どもたちは健康、教育、保護、そしてまさに生存を脅かされています」とユニセフ気候変動・エネルギー・環境上級アドバイザーのゴータム・ナラシムハン(Gautam Narasimhan)は述べました。「子どもたちは、気候危機への対応にあたって不可欠な活動主体です。災害に対する脆弱性の低減、水資源の管理の改善、環境の持続可能性を犠牲にした経済発展が起こらないようにするなど、変化をもたらすことができると分かっている解決策に全力を尽くすことが、子どもたちに対する私たちの義務です」
気候危機がどのように子どもたちに影響を及ぼし、それにどのように対処できるかには、次のようなものがあります。
現在、約5億300万人の子どもたちが、サイクロン、ハリケーン、暴風雨などの異常気象や海面上昇などにより、洪水の危険性が非常に高い地域で暮らしています。早期警報システムなどの災害リスク低減への投資は、極端な気象現象が発生した際に子どもたちを保護するためのコミュニティによる準備に役立ちます。
カリブ海地域での極端な気象事象によって避難を余儀なくされた子どもの数は、過去5年間で6倍に増加しました。2009年から2013年の間に避難した子どもが17万5,000人だったのに対し、2014年から2018年には76万1,000人の子どもたちが避難民となりました。家族が自宅に戻れるよう、強制的な避難を減らし復興期間を短縮する戦略が非常に重要です。
およそ1億6,000万人の子どもたちが深刻な干ばつの経験がある地域に住んでおり、2040年までに4人に1人の子どもが、水を得るのが非常に困難な地域に住むことになるでしょう。水を効率的に管理する技術は存在しますが、こうした技術を普及するためのより大きな投資は、水をより良く設置し、抽出し、持続可能な管理をするのに役立ちます。
気象関連の災害は、女の子が学校を中退し、強制的な結婚、人身売買、性的搾取、虐待に追い込まれるリスクを高めます。女子教育は、女の子たちの気候危機に対する意識を高め、それらの影響に対処する力やレジリエンス(回復力)を構築します。
気候変動に起因する病気の負担の90%近くを5歳未満の乳幼児が負っています。気温、降水量、湿度の変化は、命に関わる病気を媒介する蚊の繁殖と生存に直接影響を及ぼします。しかし、予測機能の向上と、現場の保健員やシステムへの支援により、病気の広がりをより正確に予測してマッピングし、感染メカニズムや経路を断つことができます。
およそ3億人の子どもたちが、汚染された空気を吸っており、そのうち1,700万人が1歳未満の乳児です。これらの子どもたちは、PM2.5レベルが、世界保健機関(WHO)によって設定された国際的な基準値の6倍を超える地域に住んでおり、健康、脳機能および発達に即時かつ長期的に悪影響を及ぼします。よりクリーンで再生可能なエネルギー源、公共交通機関を手頃な価格で利用できること、都市部に緑を増やすこと、有害な化学物質の野外燃焼を防ぐより良い廃棄物管理は、何百万人もの健康状態を改善するのに役立ちます。
炭素排出やその他の温室効果ガスが主な原因である大気汚染は、幼い子どもたちに重大な影響を及ぼし、肺炎やその他の呼吸器系の問題による毎年約60万人の5歳未満児の死亡に関係しています。その危険性を知っているにもかかわらず、汚染レベルが高い場所の多くには、定期的に汚染を測定するための地上の監視システムがありません。例えば、アフリカで地上監視所から50km圏内に住んでいる子どもはわずか6%です。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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