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西・中央アフリカ:学校再開はいまだ3分の1。ユニセフ、安全な学習環境の確保を呼びかけ【プレスリリース】

PR TIMES / 2020年10月8日 19時15分



[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1605/resize/d5176-1605-512967-2.jpg ]

【2020年10月7日 ダカール(セネガル)/ニューヨーク 発】
ユニセフ(国連児童基金)は本日、各国の教育・財務省に対し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が子どもと経済に及ぼす負の影響を軽減するため、COVID-19復興計画において教育を優先するよう呼びかけました。

ユニセフが発表した、西部・中部アフリカでの学校再開に向けた進捗と展望に関する新しいデータによると、パンデミック開始から6カ月が経過するなかで、この地域のすべての国で、ロックダウンにより学校の休校措置がとられたことが明らかになりました。地域の24カ国のうち7カ国(ベナン、ブルキナファソ、カーボベルデ、チャド、コンゴ、赤道ギニア、シエラレオネ)のみが、2020年-2021年の新学年度に向けて準備を整え、学校を再開することができています。

ユニセフは、水と衛生設備の設置、利用可能な物理的スペースの活用による安全な学習環境の確保、ブレンド型学習(オンライン学習と対面学習等を組み合わせた学習方法)の活用などを通じて、学校を安全に再開するための準備を加速させるよう、すべての国に呼びかけています。

「西部・中部アフリカでは、COVID-19により何百万人もの子どもたちの学習が止まってしまいました。日が経つにつれ、安全な学習の機会を得られない何百万人もの子どもや若者たちが、教育の権利を失い、将来を危険にさらしています。今行動しなければなりません」とユニセフ(国連児童基金)西部・中部アフリカ地域事務所代表の マリー・ピエール・ポワリエは述べました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1605/resize/d5176-1605-152288-0.jpg ]

パンデミック以前より、西・中央アフリカの子どもたちの教育機会は不平等で、約4,100万人の子どもと青少年が学校に通えず、その数は世界全体の3分の1を占めました。すべての子ども、特に女の子や障がいを持つ子どもを含む、最も社会で疎外された子どもたちが安全に学校に戻れるようにすること、そして、各国がより良い体制を構築し、パンデミック以前より取り残されている子どもたちに手を差し伸べ、学習の機会が与えられることが重要です。

教育とアフリカ経済における不平等を断ち切るためには、代替となる加速学習の手段を提供し、学校に通えない子どもや青少年に教育への門戸を開くことが必要です。オンライン学習と対面学習のバランスを保つことで、この過渡期に子どもたちが必要とする柔軟で安全な学習環境を確保できます。政府はこれまで以上に、子どもたちが安全に学び続けるために必要な資源、特にボランティア教師を含む教師を確保しなければなりません。

西部・中部アフリカで、子どもたちは世界で最も困難な状況の中、学校に通っています。石けんで手を洗うことがパンデミックにおいて最も効果的な対策の一つであるにもかかわらず、学校で基本的な手洗い設備を利用できない世界の子どもの半数以上がサハラ以南のアフリカの子どもたちです。ギニアビサウでは、石けんと水を使った基本的な手洗いができる学校はわずか12パーセント、ニジェールでは15パーセント、セネガルでは22パーセント、ブルキナファソでは25パーセントに留まります。さらに、地域全体をみると、教室が過密状態になることが多く、訓練を受けた教師が不足しています。

地域の大部分の国では、学年末に学校を部分的に再開し、生徒が期末試験を終えることができるようにしようと取り組んだにもかかわらず、何百万人もの子どもたちが物理的に学校に戻ることができませんでした。

[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1605/resize/d5176-1605-574679-1.jpg ]

休校の間、いくつかの国では、ラジオ、テレビ、インターネット、紙ベースの教材を通じた遠隔学習が取り入れられましたが、すべての子どもには届いていません。地域全体の少なくとも48パーセントの学齢期の子どもが、休校中に遠隔学習を利用できませんでした。教育機会の不平等は拡大しています。西部・中部アフリカには、紛争や暴力、その他の緊急事態に直面している国もいくつかあります。2019年12月までに、210万人の子どもたちの通う学校が、情勢不安のために閉鎖されているか、運営されていないかのいずれかの状態でした。すべての子どもが質の高い学習を続けられるよう、政府は代替となる手段を強化しなければなりません。

休校は、子どもたち、特に最も置き去りにされたコミュニティの女の子の学習と福祉に悪影響を及ぼします。2014年にシエラレオネで発生したエボラの事例から、子どもが学校に通えない期間が長ければ長いほど、学校を中退する可能性が高まることが分かっています。

学校に通えないと、武装グループへの勧誘、児童婚、早期妊娠、その他の搾取や虐待のリスクが高まります。パンデミックが始まって以来、子どもに対する暴力は増加傾向にあります。ブルキナファソで行われた最近の調査では、紛争の影響を受けている地域の子どもの32パーセントが、家庭に閉じ込められた結果、子どもに対する家庭内暴力が増えていると感じていることが明らかになりました。

ユニセフは、教育当局やコミュニティと協力し、教育ツールの提供や研修の実施、学校における水と衛生サービスへのアクセス改善、遅れた分の学習を取り戻すためのプログラム開発、学校保健、オンライン学習などにおけるイノベーションの促進など、世界銀行、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、世界食糧計画(国連WFP)、WHO(世界保健機関)、民間部門と連携し、学校の再開に向けて取り組んできました。

ユニセフは、学校の再開に向けたこれまでの進展を祝うとともに、以下を各国政府に呼びかけます:

教育資金を守り、教育のための公的予算に対する国のコミットメントを増やすか、 少なくとも維持することで、教育の公平性の危機に立ち向かう。
パンデミック以前より学校に通えなかった子どもたち、ジェンダーに関連する障壁のために学校を中退する可能性のある子どもたち、特に女の子、そして遠隔地や貧困家庭の子どもたちを含め、すべての子どもたちにとって安全な学校環境を作ることを優先し、学校再開に向けた計画を加速させる。
公衆衛生を守るため、学校やコミュニティでの水と衛生サービスへのアクセスを改善する。
二国間組織や多国間組織、サービス提供者、民間部門とのパートナーシップを構築し、教育におけるテクノロジーの優先順位を高め、デジタル・ディバイドの解消を支援し、レジリエントで柔軟な教育制度を通じて子どもたちの基礎学力を構築する。
すべての子どもが質の高い教育を受けるために不可欠な、出生登録、栄養、水と衛生サービス、暴力からの保護を強化し、学校の再開に向けて分野をまたいだアプローチをとる。


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■ 新型コロナウイルスに関するユニセフの情報はこちらからご覧いただけます:
•特設サイト> https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/
•各種ガイドライン> https://www.unicef.or.jp/kinkyu/coronavirus/info/

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)

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