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子どもの気候危機リスクをランキング、約10億人が極めて高いリスクー子どもの気候危機報告書【プレスリリース】

PR TIMES / 2021年8月20日 12時45分



[動画: https://www.youtube.com/watch?v=I3ZOVLutYWM ]



【2021年8月20日 ニューヨーク発】

本日発表されたユニセフ(国連児童基金)の報告書によると、中央アフリカ共和国、チャド、ナイジェリア、ギニア、ギニアビサウに住む若者たちは、気候変動の影響を最も強く受けており、彼らの健康、教育、保護が脅かされ、命に関わる病気の危険にさらされています。

『気候危機は子どもの権利の危機:子どもの気候危機リスク指数の紹介(原題:The Climate Crisis Is a Child Rights Crisis: Children's Climate Risk Index)』は、子どもの視点から気候危機を包括的に分析した初めての報告書です。サイクロンや熱波などの気候・環境ショックに子どもがさらされているかどうか、また、必要不可欠なサービスを利用できるかどうかに基づいて、それらのショックに対する子どもの脆弱性を評価し、各国をランク付けしています。

[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1788/resize/d5176-1788-411b33cbe95d6220ad36-0.jpg ]

この報告書は、若者が主導する世界的な気候変動ストライキ運動であるフライデー・フォー・フューチャー(Fridays for Future)の3周年を記念し、共同で発表されました。報告書は、世界の22億人の子どもの約半数にあたる約10億人の子どもたちが、「極めてリスクが高い」と分類された33カ国のいずれかで暮らしていると指摘しています。これらの子どもたちは、複数の気候・環境ショックにさらされるという非常に厳しい状況にあり、水や衛生設備、保健・医療、教育などの必要不可欠なサービスが不十分であるため、影響をより受けやすい状態です。この調査結果は、現在気候変動の影響を受けている子どもたちの数を反映したものであり、気候変動が加速するにつれて、こうした数値は悪化していく可能性があります。

「今回初めて、子どもたちが気候変動に対してどこでどのように影響を受けているかの全容を得ることができましたが、それは極めて深刻です。気候・環境ショックは、きれいな空気、食料、安全な水へのアクセスから、教育、住居、搾取からの自由、さらには生きる権利に至るまで、子どもたちのあらゆる権利を損なっています。人生に影響を受けていない子どもはほとんどいません」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「この3年間、子どもたちは世界中で行動を起こすよう声を上げてきました。ユニセフは、『気候危機は子どもの権利の危機である』という紛れもないメッセージをもって、彼らの変化を求める声を支持します」

子どもの気候危機指数(CCRI)では、以下のことが明らかになりました:

2億4,000万人の子どもたちが、沿岸洪水リスクにさらされている
3億3,000万人の子どもたちが、河川の洪水リスクにさらされている
4億人の子どもたちが、サイクロンのリスクにさらされている
6億人の子どもたちが、ベクター媒介性疾患のリスクにさらされている
8億1,500万人の子どもたちが、鉛汚染のリスクにさらされている
8億2,000万人の子どもたちが、熱波のリスクにさらされている
9億2,000万人の子どもたちが、水不足のリスクにさらされている
10億人の子どもたちが非常に高いレベルの大気汚染のリスクにさらされている



[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1788/resize/d5176-1788-5e538c9ab92a0709921a-1.jpg ]

世界中のほぼすべての子どもが、これらの気候・環境危機のうち少なくとも1つに直面しており、データによると、最も悪影響を受けている国々は、開発の進捗を損ない、子どもの貧困を深める恐れのある複数のショックに同時に直面していることが明らかになっています。

推定8億5千万人の子どもたち(世界の子どもの3人に1人)が、こうした気候・環境ショックのうち、少なくとも4つが重なる地域に住んでいます。3億3,000万人もの子どもたち(世界の子どもの7人に1人)が、少なくとも5つの大きなショックの影響を受けた地域で暮らしています。

本報告書では、温室効果ガスが排出される場所と、気候変動による影響を最も大きく受けている子どもたちがいる場所は、関係ないことが明らかになっています。極めてリスクが高い33カ国の合計排出量は、世界のCO2排出量のわずか9%にすぎません。逆に、排出量が最も多い10カ国の合計排出量は、世界の排出量の約70%を占めています。これらの国のうち、この指標で「極めてリスクが高い」とされているのは、1カ国のみです。

[画像3: https://prtimes.jp/i/5176/1788/resize/d5176-1788-d5b38feffe65f74bb0cb-2.jpg ]

「気候変動は非常に不公平なものです。子どもに地球温暖化の責任はないにもかかわらず、最も犠牲を払うのは子どもたちです。最も責任のない国の子どもたちが最も苦しむことになります」とフォアは指摘しました。「しかし、行動する時間はまだあります。水や衛生設備、保健、教育などの必要不可欠なサービスを子どもたちが利用できるようにすることで、子どもたちの気候危機を生き抜く力を向上させることができます。ユニセフは、各国政府や産業界に対し、子どもたちの声に耳を傾け、子どもたちを気候変動の影響から守るための行動を優先させるとともに、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するための取り組みを積極的に行うよう求めています」

温室効果ガスの排出量を減らすために緊急に行動を起こさなければ、最も苦しみ続けるのは子どもたちです。おとなに比べて、子どもたちは体の単位重量あたりに必要な食料や水が多く、異常気象を生き抜くことがより難しく、有害化学物質や気温の変化、病気などの影響を受けやすいのです。

[画像4: https://prtimes.jp/i/5176/1788/resize/d5176-1788-e9f895e574f13bd2b6d7-3.jpg ]

報告書の序文を執筆し、今回の発表にも参加しているフライデー・フォー・フューチャーのファルザナ・ファルク・ジューム(バングラデシュ)、エリック・ジュグナ(ケニア)、アドリアナ・カルデロン(メキシコ)、グレタ・トゥーンベリ(スウェーデン)は、「若い気候活動家たちの動きは今後も活発になり、成長し続け、正義のために戦い続けるでしょう」と述べました。「私たちは、自分たちの置かれている状況を認識し、気候変動を危機としてとらえ、今の子どもたちが住みやすい地球を確実に受け継いでいくために、すぐにでも行動しなければなりません」

ユニセフは、政府、産業界、その他関係者たちに以下のことを呼びかけています。

子どもたちのための必要不可欠なサービスにおいて、気候変動への適応力と回復力への投資を増やすこと。すでに起こっている気候変動の悪影響から子どもたちや地域社会、最も弱い立場にある人々を守るためには、水、衛生設備、保健、教育などの重要なサービスを適応させる必要があります。
温室効果ガスの排出量を減らすこと。気候危機の最悪の影響を回避するためには、包括的かつ緊急の行動が必要です。各国は、温暖化を1.5℃以下に抑えるために、2030年までに少なくとも45%(2010年比)の排出量を削減しなければなりません。
子どもたちが気候変動に適応し、その影響に備えるために不可欠な、気候に関する教育と環境スキル(グリーンスキル)を提供すること。子どもたちや若者は、気候危機や水の不安定さがもたらす悲惨な結果に直面することになりますが、彼らには最も責任がありません。私たちには、すべての若者と未来の世代に対する義務があります。
第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を含む、すべての国や地域の、また国際的な気候変動会議における交渉と決定に若者を加えること。気候変動に関するすべての意思決定に、子どもと若者が参加しなければなりません。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックからの復興が、確実に環境に優しく、低炭素で、インクルーシブなものにすること。気候危機にしっかり対応するための未来の世代の能力が損なわれないようにする必要があります。


* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.org/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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