橋下徹「自我流政治」の果て

クオリティ埼玉 / 2014年3月12日 11時0分

末はカラスの泣き別れか、石原慎太郎と橋下徹の日本維新の会両代表が険悪となっている。かなり前から石原代表は都構想に固執する橋下代表に対し一国に二つの都なんて笑止千万との思いもあって「大阪都構想はわかりにくい」との発言を繰り返していたが、これを根にもったのか橋下代表は最近になって石原氏の原発を擁護する言動に「民主主義のルールに従って、みんなで決めたこと(原発反対)は守ってもらいたい」と牽制球を投げたのだが、これがプライドの高い石原慎太郎にはかなりこたえたようで、二人の仲がすでに修復不可能な局面にあることを物語っている。
「市長選をする必然はどこにあるのか」の声が多い中を大阪出直し選挙が告示されたが有権者は何かさっぱり訳のわからない選挙の上に相手が泡沫候補ばかりとあって「まったく選挙の実感がない」と知らん顔である。主要政党は「大儀がない」と候補者の擁立を見送ったし、マスコミも大変冷ややかな構えである。「専門家と言われる面々のどいつもこいつも都構想を全く理解していない」と発言して多くの府議たちを敵に廻し、味方である筈の日本維新の会の国会議員たちの諫言にも耳を貸さず暴走を続けてしまった結果である。
この選挙には六億円かかると言われているが、わが道を行く橋下候補は選挙カーから「自民党も公明党も民主党も、みんな大阪都構想に反対しているが、どんなに反対されても、最終的には住民投票でこれを必ず実現する」と訴え、相手候補には「出てくれてありがとう」とエールを送る始末で選挙戦がコント劇場になってしまった。
人気がある事を示すための選挙であり、民意を後ろ盾にして自我を通す気なのだろうが、政治の常道を貫き、どんな努力をしても都構想賛同者を議会で集めるべきだったとの意見は想像以上に多いのである。橋下再選でも大阪市議会の構成は変わらず、議会が軟化する見通しも立っていない。
対立構図を演出したかった橋下候補も、このままでは、まったくの空振りとなってしまい独り相撲に終わるようだが、こんな環境の下での選挙では単に勝利しただけでは常套手段の「世論の強い後押しがある」と言うカードは使えないだろう。先月の全国世論調査だが「出直し市長選挙を決めた事」に対し「理解できない」の63%が「理解できる」の28%を大きく上回り、大阪市内の有権者への緊急世論調査も「辞職出直し選挙」を「評価しない」の61%が「評価する」の31%を上回っていた。全国と大阪でポイントが少しだけしか違わないのだが、これが重大な意味を持っているのだ。全国的すなわち国政レベル並みの関心事と市民生活に直結する政策への関心に大した差が無い、つまり、大阪市民のほとんどは「大阪都構想」に大した興味を示していないという事である。
橋下候補の公言する「世論の後押し」の強弱を推し量るとしたら、有権者の選挙への関心の度合いであろう。何人が投票所へ足を運ぶかである。投票率に反映されるのでまことに判りやすい訳である。はたして、どんな数値がでるのか、現状ではとても40%に届くとは思えない。東京では住民投票で投票率が50%に満たなかったので開票せずと言うケースさえはあるのだが、自我流の政治手法によって招いた窮地であるが、この結末をどう付けるか見ものである。
( 仁 清 )

クオリティ埼玉

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