行田忍城の忍者の末裔と私

クオリティ埼玉 / 2014年4月11日 0時19分

 2014年本屋大賞は和田竜氏の「村上海賊の娘」に決定した。
 全国の書店員さんが一番売りたい本として選ばれるのが本屋大賞だから、いまや、芥川賞や直木賞をもらうより、作家への近道だそうだ。現実的に価値のある賞なのだろう。
 私が何故この賞に注目し、なおかつ作家の和田竜さんに興味を抱いているかというと、和田氏は埼玉行田の忍城の攻防をつづった“のぼうの城”で有名になり、映画化されたことでもさらにその名を全国にとどろかしたからだ。
 しかし、それだけなら私の関心はそんなに深くはならなかったのだ。というのは、私の小学生からの同級生でもあり、今も交遊が続いている忍足勝男君の存在があるからだ。学生時代の私は、忍足君をただ親しく ”おしだり”と呼んでつきあっていたが、四十歳を過ぎたころの同級会で忍足君がはじめて「俺の先祖はな、忍者だったんだよ、だからその子孫達の墓が十数基、入間市に並んであるんだよ」と口をひらいたのだ。「そうかそうか忍び足か」と私達は妙に納得した。口の悪い同級生は 「おしだり、それにしちゃ、お前、足が遅いな」とひやかしたりしていた。
 その後、前述の“のぼうの城”が有名になった時、今度は忍足君が「俺達の忍者の祖先は、実は行田の忍城の忍者だったんだよ」とほこらしげに言った時、私は浮城で名い忍城が、私の身体の中のスクリーンにくっきりと浮かびあがり、歴史の惚快さを痛感した。
 そして、行田にはたびたび足を運び、多くの知己を得て行田が第三のふる里みたいに私は郷愁をおぼえている。                       
(鹿島 修太)

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