憲法記念日に憲法裁判所について考える

クオリティ埼玉 / 2014年5月4日 10時10分

5月3日は憲法記念日、67年前のこの日に日本国憲法が施行された。67年後の現在、集団的自衛権の行使容認に関する解釈変更が注目を集めている。
 
集団的自衛権とは「自国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃を、自国が直接されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」と定義され、政府のこれまでの憲法解釈は「保有しているが行使できない」だった。しかし、尖閣諸島の問題や北朝鮮による核・ミサイル開発とわが国を取り巻く安全保障環境が悪化している中、日米安全保障体制をより機能させるべく安倍首相は憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を可能にしようとしている。具体的には憲法解釈変更を閣議決定し、その後、必要な法整備を行うことになる。
 
いままでの政府の憲法解釈を含め政府の統一見解を作成するのが内閣法制局である。内閣法制局を「法の番人」の扱いをして首相が政府の解釈を変更することを批判する大手新聞があるのだが、立法、司法、行政の三権分立の初歩がわかっていないと言わざるを得ない。内閣法制局はその名の通り行政権を担う内閣に属し、政府が国会に提出する法案を現行法体系の見地から問題がないかを審査する組織である。政府の見解に責任を持つのはあくまで首相であり、内閣法制局長官ではない。それでは時の政権の都合の良いように憲法解釈を行ってよいかと問われれば否である。法的安定性が求められる以上に、安易な解釈改憲を許すことは国民の人権を危うくする。
 
日本国憲法第81条では「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」とあり、わが国では法律等が合憲か違憲かを判断する違憲審査権を持っているのは司法権を担う裁判所になる。世界における違憲審査制度では大きく2つの制度があり、日本やアメリカのような「付随的違憲審査制」とドイツの代表される「憲法裁判制」である。前者は具体的な訴訟の中で、限定的に合憲か違憲かを通常の裁判所が判断する。後者は通常の裁判所とは別に憲法裁判所を設け、具体的な事案ではなく抽象的に法律や国家行為の違憲審査ができる。憲法裁判所については当然メリット、デメリットがあり、デメリットとしてはいたずらに法律や行政に対する違憲確認訴訟が起こされて、社会が停滞するということであろう。しかし、重要な問題について違憲、合憲の判断を司法がきちんとするという点は憲法裁判所のメリットだ。
 

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