品格ある子どもの育て方第四章 品格を育てられる「学校と先生」の条件とは?(54)

クオリティ埼玉 / 2014年9月7日 0時0分

よい先生かどうか親自身の目で見極める
~「なんでできないんだ」は最悪な言葉!~
 
「名選手は名監督にあらず」とは、特にプロ野球でよく使われる言葉です。長嶋さんはもちろん、巨人時代の王さんだってこのように言われていたことをご記憶の方も多いのではないでしょうか。現時点までの結果で見ると、2006年のサッカーW杯で監督を務めたジーコも当然この仲間に入っているでしょう。
 この言葉に、特に受験生の親のみなさんは、何かピンと来たものがありませんか?進学塾に子どもを通わせている方は、一度や二度は話題にしたことでしょう。
 みなさんの子どもを選手とたとえるなら、先生は監督(コーチ兼任)といったところです。教育の世界において、この言葉はどの程度信ぴょう性を持つのでしょうか。
 ウチの嫁もその一人なのですが、子どもに勉強を教えながらイライラしてしまったり、勉強を教えながら怒り出してしまう親は非常に多いようです。
 中1あたりの数学であれば、日曜日にお父さんがどれどれと勉強をみたりすることもあるでしょう。ところが、子どもが手を動かしている最中に、余計な口ばかりはさんで、しまいには怒り出す始末。
 子どもは子どもで泣き出すしで、家庭の雰囲気が最悪になってしまう。そういう経験があるお父さん、お母さん方はよくグチったりします。実はこのやりとりの中に、必ず出てくる共通のキーワードがあります。
「なんでこんなこともできないんだ!」「なんでこんなことも知らないんだ!」
 自分自身はすでに経験していて、できて当然の位置から子どもを見ているものだから、飲み込みが悪くもたついている子どもにイライラします。あげくのはらに鉛筆を取り上げてお父さんが問題を解き、「こうやればすぐ解けるだろ、なんでこんなこともできないんだ!」と言いながら紙を投げ付ける。子どもが泣きながら解いて(というより写して)勉強終わり、という最悪の日曜日に必ず出てくるキーワードです。
もちろんハッパをかける意味で使うことはあるでしょう。しかし表情はウソをつきません。そのときのお父さんは間違いなく、鬼のような顔になっていませんか。
 このキーワードが出た瞬間に、場の雰囲気は間違いなく悪くなります。その雰囲気を読めない監督は、間違いなく名監督ではありません。
 そりゃ世界の王から見れば、当時の原だって中畑だって、ほとんどの選手は一流には見えなかったでしょう。「どうしてあんな珠が打てないんだ?」と思うこともあったでしょう。
 そこで「なんで打てないんだ!」と怒ってしまうか、グッと飲み込むか、ここが分かれ目のような気がします。「なんで打てないんだ!」と説教したところで打てるようになるわけがないからです。 
 ジーコだってそうでしょう。ジーコが当然のようにやってきた自己管理やプレーを、日本代表の選手たちが自分で考えて実行できるはずがないことは、冷静に考えたらわかりそうなものです。それができたから彼は天才なのです。
 ジーコが退任会見で述べた「プロ意識が足りない」という言葉は、まさに日曜日のお父さんに重なって見えます。名監督の仕事は、プロ意識を植え付けることです。このプロ意識こそ、品格ある子どもに要求されていることに通じていると。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より   

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