雨の一日                                   作・大畑ヨシオ

クオリティ埼玉 / 2014年9月13日 0時48分

この世に雨が降る時は
あの世も雨が降っている
 
この世からあの世に行く人はいるが
あの世からこの世に来る人はいません
 
誰でも 寒いところより暖かいところが好きです
誰でも意地悪い人達に囲まれて暮らすより
親切な人に囲まれて暮らすほうを選びます
あの世からこの世に戻ってくる人がいないのは
あの世が無いからではなく
この世が地獄だからです
 
膝を抱きながら
頬杖をつきながら
雨が降っているのを見ていると
心が静かになります
 
小野道風はまだ柳に飛びつく蛙をみています
最後のバスが通り過ぎても
黒い影となってまだ待っている女の人がいます
渋谷の駅で待つうち銅像になっても
まだ主人を待っている犬もいます
さまざまな雨の歌を思い出しています
 
何千という世界が露の中にあります
始め釈迦が気づき
その後の量子論がみつけました
草の葉末の露
子の葉から落ちる露
雨でもないのに人の目から落ちる露
露はみんな美しい
 
露にはあの世もこの世も映っています

クオリティ埼玉

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