バックスのカイル・コーバー「2011年のロックアウトの時よりも先行き不透明な状況」
NBA Rakuten / 2020年3月17日 10時56分
2011年のロックアウト後、「約90日の間に66試合をプレイしないといけなかった」と回顧
2011年7月1日(日本時間2日)、NBAとNBA選手協会との労使交渉が難航したことを受け、オーナー側が試合の開催や選手によるチーム施設の使用を停止する「ロックアウト」に突入した。これにより、2011-12シーズンのレギュラーシーズン開幕は大幅に遅れ、試合数も66に削減された。
このロックアウトを経験したミルウォーキー・バックスのカイル・コーバーは、『NBC Sports Chicago』のKC・ジョンソン記者との電話インタビューで、当時の状況と現在のシーズン中断について以下のように語った。
当時、シカゴ・ブルズでプレイしていたコーバーは、ロックアウト期間を利用して結婚した。各地を飛び回るNBA選手にとって結婚のタイミングを見つけるのはとても難しいので、ロックアウトによって時間が出来たことはコーバーの結婚にとっては良いタイミングになった。
しかし、いつ開幕するかわからない先行き不透明な状況は、コンディションの調整という面では困難を極めた。
「ロックアウトの間、僕たちはチームの施設を使うことができなかった。だから、僕はカリフォルニア州サンタバーバラにあるP3という練習施設や、シカゴのロヨラでトレーニングを続けた。いつシーズンが開幕しても良いようにハードなトレーニングを続けたから、ヘルニアになってしまったんだよ。あの時は、いつまでに、どれだけコンディションを仕上げて、どれだけ準備をすれば良いのかがまったく分からなかったんだ。通常のオフシーズンとは違ったからね」
最終的に、労使協定は11月26日(同27日)に締結され、トレーニングキャンプが12月中旬から始まり、ブルズのレギュラーシーズンは12月25日(同26日)のロサンゼルス・レイカーズ戦で開幕した。
「ロックアウトの年のスケジュールは酷かった。僕たちは、約90日の間に66試合をプレイしないといけなかった。その過密スケジュールの影響で、ブルズは大いに苦しんだ。僕たちは素晴らしいチームだったけれど、プレイオフでガス欠になったんだ」
ブルズはイースタン・カンファレンスの1位でプレイオフに入ったが、エースのデリック・ローズ(左膝前十字靭帯の断裂)と先発センターのジョアキム・ノア(左足首の捻挫)を相次いで欠き、ファーストラウンドで8位シードのフィラデルフィア・76ersに敗れる結果となった。
現在、コーバーはリーグ1位の勝率(53勝12敗)を誇るバックスに所属している。彼らは、それぞれの自宅からテキストメッセージでコミュニケーションを取り続けているそうだ。
「シーズンの中断が良い結果に結びつくかどうかは、誰にもわからない。今は、2011年のロックアウトの時よりも先行きが不透明な状況だ。こんなことは今まで無かったからね。もしかしたらシーズンが再開して、数試合だけレギュラーシーズンをプレイするかもしれないし、そうならないかもしれない。もしかしたら、プレイオフだけプレイできるかもしれないけれど、それも不可能かもしれない。
バックスはとても良い状態だったし、オールスター休暇明けにチーム全員で『優勝に向けて、改めて気を引き締めていこう』と話し合っていたところだった。僕たちは優勝に向けて気持ちを高めていた。でも、今はゼロの状態に戻ってしまった。今、僕たちは他のチームメイトと一緒にチームの練習施設に行くことすらできない。その状況が、先行きの不透明感をさらに強めている。もちろん、僕たちだけでなく世界中の人々の健康が第一だ。そのことは常に頭の片隅に置いておかなければならない」
(C)2020 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.
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