KinKi Kidsの新曲が手堅くチャート1位 そのリリース戦略を読み解く

リアルサウンド / 2013年11月2日 15時34分

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 KinKi Kidsが1位を記録したチャートを、音楽ライターのさやわか氏が分析する。(リアルサウンド編集部)

 1位のKinKi Kidsは1997年のデビュー以来、どのシングルもチャートで初登場1位になり続けていて、B'zと並んで日本の音楽シーンでは手堅く1位を取るグループだ。そのノウハウとしては両グループともシングルの発売タイミングを選ぶことに非常に長けているという印象がある。

 逆に言うと、これらのグループが新譜を出す週というのは、他にあまりデカいヒットを飛ばすようなシングルがない場合が多いと言えてしまう。実際、これらのグループの初週販売枚数は2位以下にダブルスコアくらいの差を付けることもざらにあり、そして今回のKinKi Kids『まだ涙にならない悲しみが/恋は匂へと散りぬるを』もそうなっている。もちろん曲がいいから売れているのだと言うことは可能だ。が、この発売タイミングの選び方はチャートを見る側として見事なものなものだし、またここぞという場合は1曲入り1コインシングルなどの手法を的確に投入してくるのも実にうまく、そちらも評価されてしかるべきだと個人的には思う。

 ただ1位とは言ってもKinKi Kidsの初週売り上げはデビュー10年目となる2007年にリリースされた『BRAND NEW SONG』『永遠に』が20万枚を切ってから一貫して落ち続けており、2012年唯一のシングル『変わったかたちの石』は12万枚、つまり10万枚を切りそうなまでになっていた。おそらくその事実は今回、グループとしては異例なほどブランクを挟んだ1年9ヶ月ぶりにシングルをリリースする彼らにとって課題だったはずで、KinKi Kidsもまた最近のジャニーズの手法にならって2種類の初回限定盤および通常盤という複数バージョン商法による売り上げの底上げを計っている。これによって今作の初週販売枚数は18万枚近くまで回復したが、常に1位を求めたいKinKi Kidsとしてはまだまだ物足りないところだろう。来年発売されるはずの次作にはさらなる期待がかかる。

 さてほかの順位だが、前述したようにKinKi Kidsに比べればあまり強くない。ただこういう週は固定ファンがいるミュージシャンが強くて、だからかというわけではないが5位以内に声優が2人いる。中でも5位の三森すずこは、以前MXテレビでやたらとライブの告知CMを流していた(東京以外の人は知らないと思うが)あの声優ユニット、ミルキィホームズのメンバーというか、元となったアニメの主人公役をやっている声優さんなわけで、まあ簡単に言うと非常に人気のある人である。アニメに興味のない人は「んな話どうでもいいわ」と思うかもしれないが、実は彼女は2000年代の地下アイドルブームを生き抜いた、知る人ぞ知るアイドルユニットCutie Paiの元メンバーでもあるのだ。そんな玄人好みの活動が目立つ人が今週の音楽チャートで5位に入っているというのはけっこう面白い。つまりまあ何が言いたいかというと、こういう大ヒットばかりではない週には、やはりそれなりの面白さがあるものである。(さやわか)

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