AKB48『鈴懸-』に見えた作風変化の兆し “王道パターン”への回帰が目指すものは?

リアルサウンド / 2013年12月12日 18時55分

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 AKB48の34枚目のシングル『鈴懸(すずかけ)の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』が12月11日に発売され、初日売り上げが91.7万枚を記録したものの、連続4作目の「発売初日ミリオン」達成はならなかった。

 同曲は、9月に行われた「第4回じゃんけん大会」の上位16人が歌唱。優勝したSKE48の松井珠理奈がソロでは初のセンターを務めた。曲名が長いことでも話題を集め、公式の略称として「鈴懸なんちゃら」と呼ばれている。

(参考:松井珠理奈が『いいとも』サプライズ出演! AKB48じゃんけん大会“パーだけで優勝”の裏話を語る)

 初日ではミリオンを達成できなかったが、今後100万枚に到達するのはほぼ確実。前作の『ハートエレキ』では、B’zと並ぶ歴代1位タイ記録の「通算ミリオン獲得数15作」を達成しており、「鈴懸‐」により通算16作の新記録を達成する可能性は高い。しかし、AKB48が今回売り上げを落としたことは、同グループにとって決して楽観視できることではないだろう。『AKB商法とは何だったのか』の著者であり物語評論家のさやわか氏は、今回の結果を次のように分析する。

「『鈴懸‐』は、タイトルには目新しさがありますが、歌詞の内容は2008年ごろのAKB48が得意としていたパターンに近いです。主語が“僕”になっていて、『今の距離がちょうどいい』や『君を見守りたい』といった、アイドルに対する男性ファンの心情に重ねることのできるフレーズが目立ちます。最近は『恋するフォーチュンクッキー』など、メンバー自体のストーリーを歌うパターンが多かったですが、ここに来て前のパターンに戻した、という印象です」

 『恋するフォーチュンクッキー』は、AKB48の熱心なファン以外にも訴求した。指原莉乃がセンターになることによって「普通の女の子でも一番になれる」というストーリーを描いた同曲は、誰もが踊れるダンスとともに、日本中で流行した。しかしAKB48の人気が拡大する一方で、握手会や劇場公演といった、コアなファンにとって重要なイベントがうまく機能しなくなってきた部分もある。そこで運営は、今回の楽曲を「一般層の目線ではなく、オタク層の目線にシフトしたのでは」とさやわか氏。さらに、その方向性についても「間違ってはいない」と評価する。

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