高齢者が起業・再就職、日本は「人生100年時代」へ―中国メディア

Record China / 2018年8月5日 5時10分

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中国では、高齢者で再就職する人は少数派だ。だが早くも「少子高齢化社会」に突入した日本では、働く高齢者が少しも珍しくない。日本の高齢者はどんな仕事に就いているのか。働く目的は何だろうか。資料写真。

中国では、高齢者で再就職する人は少数派だ。だが早くも「少子高齢化社会」に突入した日本では、働く高齢者が少しも珍しくない。日本の高齢者はどんな仕事に就いているのか。働く目的は何だろうか。銭江晩報が伝えた。

■同僚は全員高齢者

徐清さん(仮名)は日本で働いて長く、あちこちで高齢者が働く様子を目にして深い感慨を覚えたという。

徐さんは珍しい野菜畑を訪ねたことがある。栽培も管理も輸送もすべて60歳以上の高齢者が担う野菜畑だ。「ここで働く人はみんな大手農業企業の研究室で野菜の栽培を手がかけてきた人たちで、退職後に起業した。トラックのコンテナで野菜を栽培し、育ったらそのまま運ぶ。温度管理や水管理が適切で、ここの野菜は非常に人気があった」という。

浙江省紹興市出身の傅婉蓉さん(25)は金沢大学の大学院で学んで2年目になる。専門は社会福祉で、卒業論文のテーマを高齢者の就職とし、この分野に特に注目している。

傅さんは、「日本では、退職しても働く人が非常に多い。空港の係員、スーパーの従業員、駐車場の警備員などのサービス業で働く高齢者を最もよく見かける」と話す。

傅さんは普段、スーパーの野菜売り場でアルバイトしており、現場の15人の働き手は60歳を超えた高齢者が大半を占め、さらにほとんどが女性だという。

傅さんの観察によると、「うちのアルバイトの高齢者には経済的理由で働く人もいれば、暇つぶしという人もいる。アルバイトが社交のような、いろんな人に出会える機会になっている」という。

■70歳の高齢者が再起業

日本企業(中国)研究院の執行委員長を務める陳言さんは、「日本では現在、公務員の定年は60歳で、将来は65歳に引き上げられる可能性がある。さらに引き上げられる可能性もある。いずれは80歳とか90歳になってやっと定年で、それまでは働き続けなければならない時代がくるという見方もある」と話す。

陳さんは、「目下、日本では予算に占める医療費の割合が高く、税収のかなりの部分が医療費に割かれる。医療費は増加することはあっても減少することはない。退職後も働き続けなければならず、起業する高齢者も大勢いる」と説明する。

陳さんの観察によると、「日本人の平均寿命は長く、一般的に退職から年金をもらえるまで5年間の無収入の期間があり、死ぬまでには20年以上ある。日本には75歳以下、体は丈夫で起業に支障はないという高齢者がたくさんおり、企業経営の経験がある高齢者も一定の割合で存在する。こうした人々のうち大企業を退職した後、自分の会社を興すという人が少なくない。この流れがここ数年、ますます顕著になっている」という。

陳さんは先月に東京で、30年以上のつきあいがある古い友人の宮内さんと会った。

宮内さんは70歳過ぎで、退職してから10年以上たっている。以前は三菱商事で働き、国際貿易に精通しているため、昔の上司と一緒に新たな部下を集めて、貿易コンサルタント会社を設立した。社員は全員60歳以上で、海外に豊富な人脈を持ち、商業貿易に精通した人ばかりで、コンサルタント業務や海外での調査を行い、顧客に適切なアドバイスをすることができる。現在、新会社の経営状況は好調だという。

■働いてクーポン券をもらう高齢者も多い

宮内さんが陳さんに話したところでは、「身近にいる高齢者の中には、自分のように会社を立ち上げることはないが、商社で働いた経験があり、英語力、対外貿易の交渉力、国際会計の処理能力、監督管理能力が高いため、大学で教えることを選ぶ人もいる。大学で1学期間に教壇に立つのは1コマだけでも、その1コマのために半年かけて準備し、自分の持てる力を振り絞り、大学の先生よりも具体的で生き生きした講義になるため、こういう先生の講義は大学の中で特に注目を集め、学生たちの人気も高い」という。

陳さんは、「日本の高齢者で起業する人の多くは、功績を挙げようとしたり利益に汲々としたり、巨額の利益を上げようとしたりする人はほとんどいない。高齢者の多くはできることなら何でもやり、ボランティアよりは収入があるという程度だ。商店街の買い物券といった各種クーポン券を収入として受け取ることもある。クーポン券は石けんやタオルなどの生活雑貨と引き替えることができ、商品価格に換算すれば、高齢者の収入は決して多いとはいえない」と話す。

また社会的環境をみると、日本には持ち家がある人が多い、企業の設立申請が非常に簡単といったことのほか、家族の考え方が中国とは大きく異なるという特徴がある。

日本では基本的に親が子どもの仕事に干渉することがないし、子どもが親の仕事の選択や人生の選択(結婚や離婚)に過度に干渉することもない。退職後の起業はむしろ歓迎される。そこで日本社会は起業する高齢者に対し、心理的にも行動面でも様々な支援を提供する。こうして高齢者は行動を開始し、社会に寄与するパワーになることができる。

■日本高齢者の退職後の再就職が増加中

日本政府が7月13日に発表した調査データによると、日本の2017年の非正規労働者は2311万人に達し、過去最高を更新した。

日本メディアによると、このデータには退職後も働き続ける高齢者の増加という日本の状況が反映されている。

12年に比べて、日本の労働力人口は179万人増加し、このうち90万人は非正規労働者だ。

日本メディアの報道によると、日本の総労働力人口が増加した主な原因は、女性と高齢者という2つのクラスターの就業率が上昇したことにある。だが両クラスターの大部分は不安定で待遇のよくない仕事につくことしかできないという。

総務省が今年3月に発表した最新の人口統計の結果をみると、日本の75歳以上の高齢者は1770万人に達し、初めて65~74歳の1764万人を超え、高齢者全体の半分以上を占めた。日本は高齢化が急速に進んでいる。

日本では今年、高齢者に関する政策の基本構想の中で「人生100年時代構想」が打ち出された。高齢者が退職後も働き続けることを奨励し、公的年金の受給年齢を70歳に引き上げるという提言だ。

共同通信社がさきに伝えたところによると、この構想では、「65歳以上を一律に『高齢者』と見るのは、もはや現実的ではない。年齢による画一的な考え方を見直し、全ての世代の人々が希望に応じて意欲・能力を活かして活躍できるエイジフリー社会を目指す」という。

また同構想は、「国民が年金の受給開始年齢を70歳以降にすることを選べるようにする」としている。現在、日本の公的年金の受給開始年齢は原則65歳だが、60~70歳の間で選択することもでき、開始が遅ければ遅いほど、毎月の受給額が多くなる仕組みだ。

新政策には高齢者の再就職を促す一連の措置も含まれ、60~64歳の就業率を16年の63.6%から20年は67%に引き上げることを目指すとしている。共同通信社によると、「新政策の登場は日本の日々深刻化する高齢化が背景にある。25年には、国民の3人に1人が65歳以上になることが予想される」という。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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