<コラム>F-35Bと陸上発射の長距離対艦ミサイル、中国を意識か?

Record China / 2019年2月27日 23時0分

写真

アメリカ海軍協会ニュースによると、陸上配備の長距離対艦ミサイルの配備ができるだけはやくなることを、米海兵隊がのぞんでいるという。資料写真。

アメリカ海軍協会ニュースによると、陸上配備の長距離対艦ミサイルの配備ができるだけはやくなることを、米海兵隊がのぞんでいるという。このミサイルは、米海兵隊が運用しているF-35Bステルス戦闘機がセンサー役となって目標の位置を特定し、データリンクによってミサイルに位置データーを伝達するような状況が考えられる。

「艦船が海上を支配するのを支援する必要がある。それは陸上からおこなえる」2019年2月15日、米海兵隊総司令官ロバート・ネラー大将が米海軍協会の協議会で述べた。「第二次世界大戦では、伝統的に海軍への支援は航空機によっておこなわれてきた」「しかし、空の脅威がより高くなり、敵の長距離攻撃能力が発達したために、艦船をより遠くに配置したい場合にも、敵を攻撃しなければならない」

ネラー将軍は、どうして海兵隊が対艦ミサイルを必要とするのかとたずねられて、おおくの地形的なチョークポイントがあり、潜在的な敵はそれがどういうものかを知っている、と答えた。だから、長距離対艦ミサイルをはやく運用できれば、作戦で有利になるという。

ネラー将軍は潜在的な敵がどの国なのか特定していない。しかし、アメリカの非同盟国で、アメリカ海軍や海兵隊が、喫緊の課題として脅威に感じるような規模の海軍を持つような国はほとんど限られている。ロシアは伝統的に陸上戦力を重視しており、想定される主な戦場はヨーロッパ方面の陸上になる可能性が高い。そう考えると、ネラー将軍が対艦ミサイルを運用するときに想定している主な潜在敵のひとつは、近年急速に戦力を拡大させている中国海軍という推測がなりたつ。

たとえば、米海軍大学のジェームス・ホルムズ教授が米海軍協会の機関誌『プロシーディングズ・マガジン』2014年4月号に寄稿している。それによると、地形的に中国を取り囲むように連なっている第一列島線のような島々を要塞化することで、安価に大きな戦略上の優位性が得られるとしている。

アメリカ海兵隊戦闘研究所 (MCWL:Marine Corps Warfighting Lab) 所長のクリスチャン・ワートマン准将によると、現在、長距離対艦ミサイルに大幅な投資をしており、比較的短期間で使えるようになると考えているという。さらにワートマン准将はF-35Bステルス戦闘機が、海兵隊の強力なツールとなるだろうと言及した。

長距離ミサイルを誘導するには、目標の場所を特定するセンサーが、近くに配置されてなければならない。海兵隊はF-35Bステルス戦闘機を運用しており、すでにアフガニスタンの実戦にも参加している。アメリカ海兵隊の長射程陸上兵器が運用されるときには、F-35Bがセンサーの役割を果たすような状況が、今後多くなっていくと考えられる。

2018年10月には、陸上車両で運用されるHIMARSと呼ばれる精密誘導ロケットシステムが、米海兵隊のF-35Bと接続され、目標を破壊する検証作業が行われている。射撃はデータリンクを介して行われた。F-35Bはセンサーとして使用され、目標の位置をHIMARSシステムに伝送した。検証作業では、HIMARSは目標を破壊したという。

2016年には陸上に設置されたテスト用のイージス戦闘システムがF-35Bとデータリンクされ、SM-6というミサイルでの標的機の撃墜に成功している。テスト用陸上イージスシステムはベースライン9と呼ばれるバージョンで運用され、F-35Bと接続されて、目標のデータを受け取った。接続にはMADLというデータリンクが使用されている。もともとMADLはF-35同士をつなぐデータリンクであり、他のものとつなぐことは考えられていなかった。F-35が直接艦船とデータリンクすることは考えられてなかったが、MADLを使用することにより、非常に見つかりにくく、極めてジャミングされにくいデータリンクができるようになるという。

F-35戦闘機はステルス機であるだけでなく、優れた各種センサーと強力なデータリンク能力を備えている。アメリカ海兵隊のF-35Bは2018年9月に、はじめてアフガニスタンで地上にあるタリバンの固定目標を攻撃する戦闘任務をおこなっている。F-35B戦闘機は短距離離陸・垂直着陸機だ。F-35Bは強襲揚陸艦などで運用される他、約250mという非常に短い滑走路から飛びたつことが可能であり、敵の攻撃で本格的な滑走路が破壊されたときでも運用できる能力が期待されている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング