日本の社会保障制度が危機、日本人の心理に打撃―中国メディア

Record China / 2019年4月21日 5時0分

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支出超過と国民の信頼感低下は、日本の社会保障システムが直面しなければならない危機だ。写真は日本のサラリーマン。

2018年5月、日本政府がある試算を発表すると、日本人の心理に大きな打撃となった。日本の社会保障支出は18年の121兆3000億円から40年は188兆2000億~190兆円になり、国内総生産(GDP)に対する割合は18年の21.5%が40年は23.8~24%に増えるという試算だ。支出超過と国民の信頼感低下は、日本の社会保障システムが直面しなければならない危機だ。雑誌「環球」が伝えた。

実際、1990年代初頭より、日本の経済社会は長期的な少子高齢化によって苦境に陥り、社会保障も収支のアンバランスという苦境に直面した。既存の社会保障システムでは経済社会構造に起こった巨大な変化に対応できず、「危機」を叫ぶ声が絶えず聞こえるようになった。

日本では61年に「国民皆保険、国民皆年金」の社会保障システムが構築され、73年には年金と健康保険の給付水準が大幅に改善された。当時の好調な経済成長と低い失業率を土台として、日本には男性が働く終身雇用制度、女性は専業主婦となる「男は外、女は内」の家庭スタイル、現役世代には雇用(収入)があり、退職者には社会保障があるという生活保障モデル、すなわち「1970年代モデル」が形成された。

しかし90年以降、日本は国内外の経済環境に大きな変化が生じ、社会保障を基礎とした社会経済造にも巨大な変化が起こった。核家族(夫婦に子供からなる世帯)と高齢者世帯の増加、共働き世帯の増加、家族・親戚・友人による支援の減少、生活スタイルの変化、地方の人口減少により、社会保障に対する地方の支援機能は低下した。経済高度成長期に形成された正規雇用、終身雇用の生活保障モデルは、バブル経済が崩壊し、経済が低迷して登場した非正規雇用の大量増加という新たな状況に対応できず、非正規労働者は企業に守られることなく、保障の網の目からこぼれ落ちた。

「1970年代モデル」では、年金と医療が社会保障の中核になる(後に介護が加わる)。そして新たな国情、新たな情勢の下では、雇用の問題、育児支援、低所得層、貧富の格差、住居問題、医療や介護の中身の変化などが、いずれも社会保障が考えなければならない課題になった。

1990年の「1.57ショック」(同年に発表された1989年の日本の合計特殊出生率が1.57になり、第二次世界大戦後の最低を更新したこと)の時には、日本社会は先を見通すことも心の準備をすることもせず、必要な対策を速やかに取ることができず、必要な財源を確保して社会保障を支えることもせず、こうして社会保障は今日の苦境に陥った。

振り返ると、今、日本の社会保障を困難に追いやっている問題は、主に財源不足、支出の多さ、老後サービスの圧力が年々増大していること、緩急や軽重のつけ方のアンバランスさだ。

なんといっても社会保障は財源が不足している。労働者が減少しているだけでなく、日本の雇用構造が大きく変化し、企業が主軸とする正社員・終身雇用モデルが崩れ始め、労働者の多くは非正規雇用やアルバイトに甘んじなければならず、社会保険料を納める人の基数が減少している。同時に、人々の社会保障に対する信頼感がますます低下しており、特に若い人々の間でこうした傾向が顕著だ。「退職はまだまだ先のことで、その頃には大した年金はもらえない」と考え、社会保険に加入しない人が増えている。

次に社会保障の支出が多すぎる。日本の社会保障システムはスタート時は年金と医療が中心で、その後、年金、医療、失業、介護、育児などの包括的なものへと発展し、国民の総収入に占める社会保険料の割合が年々増大している。70年は5.77%だったのが、17年は29.79%に増えた。

また、老後サービスの圧力が年々増大している。厚生労働省の2017年版「厚生労働白書」によれば、65歳以上の高齢者1人を20~64歳の人が何人で支えているかをみると、80年は7.4人で支えていたのが、90年は5.8人になり、00年は3.9人、15年は2.3人と減り、30年は1.9人になると予想される。これと同時に、世帯全体で平均収入が長期的減少傾向にある。過去20年間に、世帯収入が300万円に満たない低所得世帯の割合が大幅に増加し、00年は13.7%だったのが、16年は26.6%と急増した。

さらに緩急や軽重のつけ方のアンバランスさが目立つ。少子化が社会のさまざまな問題の原因であり、出産、育児、教育の問題が顕在化している。待機児童(保育所の空きを待って家庭にいる1~6歳児)の問題も一向に解決されず、女性の再就職を阻み、子供を産み育てたいという意欲をそぎ、ひいては人口問題を悪循環に陥らせている。

現在の日本の社会保障危機への対処の主なビジョンは、消費税率を現在の8%から10%へと再度引き上げること、課税の対象を拡大し、年金の支給開始年齢を引き上げること、社会保険料の個人負担分を引き上げることなどだ。

消費税率の引き上げが最も重要な手段となる。試算では、消費税率を2%引き上げると、5兆円の新たな税収が生まれる。この約半分は財政再建に充てられ、残りの約半分は「消費税法」の消費税の使い道に関する規定に基づいて社会保障の4つの経費「年金、医療、介護、少子化対策」に回されるという。だが安倍政権は2回にわたって引き上げを先送りしており、これから最新のタイムテーブル通り、今年10月に引き上げが行われるかどうかはまだわからない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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