ますます深まる日韓両国の溝、「仲裁役」を果たせない米国―中国メディア

Record China / 2019年8月7日 8時10分

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日本政府は2日、安全保障上の輸出管理で優遇措置を与える対象となる「ホワイト国」から韓国を除外するとする閣議決定を下した。これは、半導体材料の韓国向け輸出管理の厳格化に続く新たな規制強化となる。資料写真。

日本政府は2日、安全保障上の輸出管理で優遇措置を与える対象となる「ホワイト国」から韓国を除外するとする閣議決定を下した。これは、半導体材料の韓国向け輸出管理の厳格化に続く新たな規制強化となる。世耕弘成経済産業相は閣議後の記者会見で、「これは決して対抗措置ではなく、禁輸措置でもない。韓国向け輸出待遇を他のアジア諸国・地域と同様の扱いに戻すものに過ぎない。また、今回の決定が日韓関係に影響を及ぼすこともない」と強調した。

だが、事態は世耕経産相が述べた内容とは異なる方向に発展することとなった。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日午後、臨時の閣僚会議を開き、日本政府の決定が「とても無謀な決定」であると非難した。同大統領は、「日本の措置は明白な『貿易報復』であり、韓国の経済成長を妨げようという意図がある。韓国側は日本に対して相応の対策を講じる」と話した。

日本政府が7月初め、韓国向け半導体材料3品目に対する輸出管理を強化すると発表してから、両国の「論争」が続いている。これにより、韓国国民の不満が巻き起こり、街頭での抗議活動や日本製品不買運動がだんだんと全国に拡大、日本を訪れる韓国人観光客が減少し、日本と韓国を結ぶ航空路線が相次ぎ運休、両国の高校生による交流プロジェクトも一時的に停止となり、自治体や民間の交流活動も苦境に陥っている。

■米国による仲裁は期待薄、「国際組織脱退・自国優先」で信頼失う

日韓両国と同盟国の関係にある米国は、事態の収拾がつかなくなることを憂慮し、幾度となく仲裁に乗り出しているが、今のところ結果は出ていない。ジョン・ボルトン米国家安全保障担当大統領補佐官が7月下旬に日本と韓国を訪問、それぞれの意見を聴取し、両国の関係がさらに悪化する事態を防止するよう働きかけた。

また、マイク・ポンペオ米国務長官は7月末、タイ・バンコクに向かう機内でメディアに対し、「河野太郎外相、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と日米韓外相会談を開催する。両国関係が前進する道を探すよう、両外相に促すつもりだ」と話した。

ポンペオ長官は今月1日、バンコクで開かれた記者会見で「日韓両国が対立や緊張を緩和し、両国関係を前進させる方法を模索することを期待している」と述べた。

日米韓3カ国の外相会談がバンコクで2日に開催された。会談中、日韓両国の外相は、それぞれ自分の言い分を主張し、互いに譲歩しなかった。日本の外務省によると、ポンペオ長官は日韓両国に対し、深まり続ける対立を緩和するよう求めたが、米国側が具体的な調停案を出すことはなかったという。

NHKは3日、「米高官はメディアに対し、『米国が間に立っても何ら良い結果は生まれない。また、日韓関係の悪化は、米国の安全保障利益に悪影響を及ぼし得る』と述べた」と報じた。

アナリストは、「米国はここ数年、国際関係において、気の向くままに『親しい国』をブラックリストに載せ、これまた気の向くままに『国際組織からの脱退』を繰り返してきた。GDP世界トップの大国であるにもかかわらず、率先して国際条約や国際ルールを反故にしてきたため、米国に対する『信頼』は大きく損なわれた。何事につけても『アメリカ・ファースト(米国第一)』を追求する米国は、他の国々に譲歩を求めてきた。当然のことながら、もはや米国に対する信頼感を抱く国はなくなった」との見方を示した。

■貿易戦争に勝者なし、世界の産業チェーンにダメージ

日韓両国で最近トラブルが多発し、外部では、両国関係がこのまま悪化の一途を辿ることで貿易戦争が起こるのではないかという懸念の声が挙がっているが、貿易戦争で勝つ者はおらず、最終的にはアジア経済、さらにはグローバル経済に大きな変動がもたらされる恐れがある。

2日、東京株式市場の日経平均株価は急落、2万1087円16銭と前日終値比453円83銭安で引け、下落幅は2.11%に達した。終値は、「令和」が始まった5月以降、最大の下落幅となり、一時は580円暴落した。日韓両国の対立が深まったことと市場の不安定さは無関係ではないと専門家は見ている。

富士通総研主席研究員の金堅敏氏は中国新聞社の取材に対し、「韓国の方が経済規模が小さく、産業が電子関連業に集中しており、電子産業(特に半導体)の原材料と加工設備も長期間日本に依存していた環境にあっては、日本からの輸入品の代替品を見つけることは韓国にとってかなり難しい。日本政府が、韓国に対し、日本への依存度が高い製品に対する輸出管理強化措置を講じたことは、韓国にとっては『首根っこを掴まれた』ようにダメージが大きい」と指摘した。

「当面は、日本産業に対する影響は韓国ほど大きくないと予想されるが、中・長期的スパンでみると、韓国が独自開発に成功する、あるいは第三国から十分な供給が得られることになれば、日本企業が再びこれまでの供給チェーンに戻ることは極めて難しいだろう。この点は日本の製造業にとっても苦慮するところだ」と金氏は続けた。

さらに、金氏は「このほか、韓国はメモリチップ、スマートフォン、PCパネルの重要生産地だ。もし、韓国の上流供給チェーンが途切れると、中国、米国および日本の一部の完成品メーカーを含む世界の関連産業チェーンが影響を受けるだろう」との見通しを示した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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