2倍速で再生!若者がドラマを倍速で見るのはなぜか―中国メディア

Record China / 2019年9月28日 0時20分

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今や、ほとんどの動画プラットフォームには「倍速再生」の機能があるだけでなく、0.5倍スロー再生から通常再生、2倍速再生まで提供されており、さらには「この人だけ見る」といった多様化した再生モードが選べるようになっている。

画面の中では、イケメンと美女がいつまでも互いの気持ちを打ち明け合っている。悪いけど、画面のこちら側で見ているほうはもうじれったくて見ていられないので、「2倍速」を選択。シーンがどんどん変わり、俳優はまるで操り人形のような動きとなり、セリフもロボットが話すような口調になってしまう。でもストーリーを追うにはこれで十分だ。

今や、ほとんどの動画プラットフォームには「倍速再生」の機能があるだけでなく、0.5倍スロー再生から通常再生、2倍速再生まで提供されており、さらには「この人だけ見る」といった多様化した再生モードが選べるようになっている。

タブレットPCで倍速再生し、一晩で10話や20話をイッキ見すれば、翌日には「見終わった」と言える。ドラマのストーリーについてあれこれ話すのは、若者の生活にとっていわば「標準装備」になっているからだ。

■倍速再生の「常連」は中国国産ドラマとバラエティー

インターネットがまだそれほど普及していなかった時代、視聴者がいつどんな番組を見られるかはテレビ局が決めていた。好きな番組でなければ、チャンネルを変えるか、テレビを消して見ないかのどちらかだった。だが動画プラットフォームが出現したことで、ユーザーのこの面での決定権はますます大きくなり、さらには自分でどんな速さで内容を再生するかまで決められるようになった。現在、騰訊(テンセント)、愛奇芸、優酷(Youku)などの動画プラットフォームは、ユーザーにさまざまな再生スタイルを提供している。通常再生のほかにも、0.5倍スロー再生、0.75倍スロー再生、1.25倍速、1.5倍速、2倍速、さらには特定のファン層向けにカスタムメイドされた「この人だけ見る」モードなどが選べるようになっている。

調査によると、18-40歳の調査対象者のうち、7割近く(67.38%)が動画を見る時に倍速再生の機能を使用している。うち、使用頻度が最も多いのはスピード再生(1.25倍、1.5倍、2倍)と通常再生の2項目で、次が「この人だけ見る」となっており、スロー再生(0.5倍、0.75倍)の使用が最も少なかった。「倍速再生で見たいコンテンツ」では、中国国産ドラマがトップで、僅差でバラエティー番組、そしてその後ろに韓国ドラマ、日本ドラマ、米国ドラマが続く。

「この人だけ見る」は動画プラットフォームがファンのためにカスタムメイドした機能だ。見る側は自分の好みやニーズに合わせて、番組の中であるスターが登場するところだけ見ることができ、興味のないところは飛ばせる。この機能は効率が高く時間も節約できる「スターの追っかけ」ツールで、特定スターのファンたちの人気を得ている。

■80-90話もあるドラマを見る時間がない若者たち

「この一言で君がどれだけヒマか分かるよ。ドラマを倍速で見ないなんて!」というのはネット上のジョークだが、現在のドラマの内容が水増しされ、ストーリー展開が間延びしていることを側面から物語っている。現在のテレビドラマはともすると40話以上で、70話というのもよくあるし、90話も夢の中での話ではない。30話など短編ドラマの域に入る。

事実、ドラマの長さが質の高い作品を生み出すための必要条件だったことはない。あるテレビドラマ制作会社関係者が明かしたところによると、多くの「大型ドラマ」は実のところそれほど長くしなくてもストーリーを完結できる。ただ、制作に加わっている各方面が収益面の都合で長さを引き延ばしているにすぎない。ドラマを作る段階では、脚本家にどうでもいいつなぎのシーンを入れさせ、ストーリー展開を遅くさせている。放送時には、それまでの内容の振り返りを入れて、1話分の実質的な長さを縮め、全体の放送回数を増やしている。なぜなら、テレビドラマはほとんどが1話単位で販売価格が決まり、俳優も1話単位でギャラを計算しているため、放送回が増えれば制作者側と俳優にとって利益になるからだ。テレビ局にとっては、放送回の増加は広告を挟む機会が増えることを意味し、同じように利益が増える。各方面にメリットがあり、利益が損なわれるのは視聴者だけというわけだ。

■視聴者と制作者は相互に尊重し合うべき

「倍速で番組やドラマを見る主な二つの理由」についてのアンケート調査では、「内容のテンポが遅すぎて、倍速でも理解できるから」がダントツで、2位の「暇な時間が少ないので、倍速で効率良く見たいから」のほぼ2倍、3位の「自分が好きな芸能人の内容だけを見たいから」の4倍近くだった。この結果から分かるのは、視聴者が倍速(スピード)再生で動画を見る理由のうち、客観的な理由としては「内容が水増しされ、質が低い」ことであり、主観的な理由としては「プライベートな時間が少なくなり、娯楽でも効率をまず追求するようになった」ということだ。

「倍速で番組やドラマを見る機能をどう思うか」についての調査結果によると、この機能は「ユーザーの選択肢が増えて、とても良いことだ」と考えている人が過半数(57.45%)を占めた。「いいか悪いかはともかく、この機能があるのは理に適っている」とした人が38.3%、「倍速再生はコンテンツの創作者を尊重していない」と回答した人は4.26%だった。

事実、「コンテンツの創作者を尊重していない」や「若者の辛抱が足りなくなる」というのは、ここ数年ネット上で繰り広げられている「倍速再生」批判の主な論調だ。しかし、すでに倍速再生機能を使い慣れた若者にとって、このような批判は成り立たない。「尊重は互いにするもの。創作者が十分に視聴者を尊重しているのであれば、視聴者が倍速再生で見るにはもったいないと思うようなレベルの高い作品を作るべき」ということになる。

ある動画プラットフォームで技術系の仕事をしていた呉迪(ウー・ディー)さんは、「技術自体にはいいも悪いもない。視聴者の辛抱が足りないと思うのであれば、内容に問題がないかを反省するべきで、問題を技術になすりつけるべきではない」と語る。

呉さんは、「インターネット時代の視聴者の自由度と主導権は10年前より何倍も大きくなっている。実のところは、視聴者側のほうが倍速再生を手放せないのであって、倍速再生が見る側に悪影響をもたらしたわけではない」と語っている。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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