祝いの席には不参加、名刺交換も握手もしない中国の納棺師―中国メディア

Record China / 2019年11月29日 15時50分

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親戚や友人の結婚式や長寿を祝う会などには参加せず、他人に自ら自分の職業を明かそうとはせず、名刺交換も握手もしないといったような特別なルールを多くの納棺師は守っている。

親戚や友人の結婚式や長寿を祝う会などには参加せず、他人に自ら自分の職業を明かそうとはせず、名刺交換も握手もしないといったような特別なルールを多くの納棺師は守っている。新華毎日電訊が伝えた。

納棺師たちは冷静かつおだやかな心で、遺族が故人と対面できるようにすでに冷たくなってしまった遺体の容貌を整えていく。先ごろ、「安徽省のある高等教育機関が『葬儀学科』を開設」というニュースが掲載されると、この特殊な職業である納棺師に再び注目が集まった。

■人材不足で入学2カ月後には「内定済み」に

「この職業を選ぶと、旧正月の時に親戚の家に入れてもらえなくなるかもしれない」。

解儒さん(19)は毎週火曜日午前10時になると学校の体育館の3階にある教室に来て、他の37人の学生と一緒に1時間半の姿勢の練習の授業を受ける。

安徽都市管理職業学院は今年9月、同省で初めて現代葬儀技術・管理学科を開設した。中国で同学科がある高等教育機関はこれで5校になった。今年の新入生は38人で、解さんもその一人だ。

毎週2回ある姿勢の授業を担当する教師・朱玲さんによると、この授業では、遺族に厳かな印象を持ってもらえるようにするための、立っている時と座っている時の姿勢の練習をする。

同校の健康養老学院の張玲副院長によると、姿勢の授業以外に、学生らは「古代の祭文の鑑賞・分析」や「死者を悼む対句の書き方」、「生命文化」などの基礎文化の授業も受ける。2年生になると、火葬技術や遺体の容貌を整える技術を学ぶ授業も受け、その後、葬儀場や墓地などで実習に励むことになる。

張副院長は、「今年初めて学生を募集した。学生が集まらないのではないかと心配していたが、最終的に男子22人、女子16人、合わせて38人が入学し、30人程度という予想を上回った。この分野は人材が極めて不足しているため、入学から2カ月ほどですでに内定済みとなっている」と話す。

解さんは卒業後、納棺師になりたいと思っている。しかし、同学科に入学したいと言った時、両親は冗談を言っていると思ったようで、「母親は教師の説明を聞いて、中立の立場を取ったけど、父親は『この職業を選ぶと、旧正月の時に親戚の家に入れてもらえなくなるかもしれない』と反対の姿勢を崩さなかった」と話す。

解さんと比べると、王晨さんがこの道を選ぶのはスムーズだったという。なぜなら、安徽省淮南市に実家がある王晨さんの父親は葬儀会社の共同経営者であり、遺体の移送や葬儀の企画、火葬の手配などのサービスを提供している。王晨さんがこの学科を選んだのはそんな父親の影響もあり、「仕事を見つけやすい」と考えたことも理由だったという。

■多くの別れを見て今あるものを一層大切にすること学ぶ

王旭さん(25)は、合肥市葬儀館の納棺師のリーダー。この仕事に就いてからこれまで約3年間で数万人の遺体を見送った。まだ小さな子供もいれば、働き盛りの成人、天寿を全うした高齢者までおり、そうした遺体を目にするたびに命の大切さを感じるという。

「葬儀館は、私にとって社会の万華鏡。社会でどんな地位についていたとしても、ここでは人の本性を見ることができる。非常にとげのある話し方をする遺族もいれば、とても分別がある遺族、取り乱している遺族、とても落ち着いていて穏やかな遺族など、いろんな遺族に会ってきた」と王旭さん。

そして、「明日なにが起きるのか、そして誰が先に亡くなるのか、誰も知らない。命を大切に思う気持ちがこの仕事で得られた一番の財産」と話す。

以前、ある男性から癌で亡くなった30歳すぎの妻の身づくろいを「自分で整えたい」と言われ、戸惑ったことがあったという。規定に反するため、王旭さんは上司に報告したところ、上司は事情を理解し、特例としてその希望をかなえることに同意したという。その男性は涙を必死にこらえながら、やさしい手つきで、妻の髪を洗い、化粧を施し、着衣を整えていたという。

王旭さんは、「たくさんすぎるほどの別れを目にしてきたので、今目の前にあるすべてのものをより一層大切にしたいと思っている」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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