新型肺炎が世界で深刻化、人工呼吸器不足をどうするか―中国メディア

Record China / 2020年3月30日 21時30分

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「我が国の人工呼吸器はどこに行ったのか」。新型コロナウイルスによる肺炎の状況が深刻化する米ニューヨーク州の知事は24日の記者会見で、人工呼吸器の深刻な不足状況を訴えた。

「我が国の人工呼吸器はどこに行ったのか」。新型コロナウイルスによる肺炎の状況が深刻化する米ニューヨーク州の知事は24日の記者会見で、人工呼吸器の深刻な不足状況を訴えた。英国やイタリアなどの欧州諸国でも同じように人工呼吸器が最も不足した感染対策物資の一つとなっている。環球時報が伝えた。

■世界のニーズが中国に向かう

患者の肺の中に液体成分がたまり血液に酸素を供給できなくなると、人工呼吸器が極めて重要な救命機器になる。北京思瑞徳医療器械有限公司の崔剛(ツイ・ガン)臨床ディレクターは、「世界トップレベルの人工呼吸器メーカーにはドイツのドレーゲル、スウェーデンのゲティンゲがあり、二流レベルブランドには米国のメドトロニック、スイスのハミルトン、米国のGEヘルスケア、米国のバイエアメディカル、ドイツのソフィー、中国の邁瑞医療などがある。これ以外はおしなべて三流レベルになる。中国国産の人工呼吸器は今はまだほとんどが二流・三流レベルにとどまっている」と述べた。

世界ハイレベルの人工呼吸器の生産地の1つである米国は、新型肺炎の襲来で人工呼吸器不足がますます深刻化している。米紙ニューヨーク・タイムズが23日に掲載した米医療専門家の論考によると、新型肺炎について初めて大規模な調査研究を行ったところ、患者で集中治療室(ICU)に入る必要がある人は5%、人工呼吸器が必要な人は2.3%だった。米国で今後3カ月間に数百万人が新たに感染するとみられ、必要な人工呼吸器の台数は算出できる。現在、ニューヨーク州には6000台があるが、クオモ知事はこのほど同州では2万5000台が不足していると明らかにした。米国集中治療学会(SCCM)の推計では、全米では新型肺炎の患者96万人に人工呼吸器が必要になる見込みだが、現在米国内には約20万台しかないという。

感染状況が深刻な英国でも人工呼吸器が不足する。ジョンソン首相はこのほど、英国の各業界に人工呼吸器3万台の製造に協力してほしいと呼びかけた。英国民保健サービス(NHS)の提携医療機関には現在、使用できる人工呼吸器が8000台しかない。新型肺炎の致死率が最も高いイタリアでは、人工呼吸器の不足が深刻で医師は患者を選択して治療せざるを得なくなった。

危急存亡の秋に、世界の巨大な人工呼吸器ニーズが中国企業に押し寄せている。北京誼安医療システム股フン有限公司(フンはにんべんに分)の生産ラインは全力を尽くして海外からの注文に応えている。同社の会長補佐は、「現在、イタリア、英国、モンゴル、ロシアなど35カ国・地域から注文があり、すでに1000台近くを輸出し、数千台が生産スケジュールに入っている」と述べた。中国の工業・情報化部によると、「3月3日までに、国内の重点モニタリング企業は湖北省に非侵襲的な人工呼吸器約1万4000台と侵襲的な人工呼吸器約2900台を提供した」という。ブルームバーグの業界研究アナリストは、「関連工場が3月に武漢市に提供したところから考えて、今年4月には中国は少なくとも1万4000台の侵襲的な人工呼吸器を提供できる。3月11日、中国はイタリアに1000台を提供すると約束した」と述べた。

■生産能力の増強には多方面の連携が必要

世界的な供給不足に直面して、米国企業は今、人工呼吸器の製造への転換を模索している。ニュースチャンネルCNNの24日の報道によると、ゼネラルモーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)はこのほど米国の人工呼吸器メーカーと密接に協力して、同メーカーの重要な呼吸器関連製品の生産拡大を迅速に進めるとした。テスラのイーロン・マスクCEOはSNSで、「人工呼吸器の供給が不足しているなら、テスラが作る」と発信した。しかし米自動車メーカーが迅速に生産転換できるのかと外部からは疑問の声が上がる。マスク氏も、テスラが米国に提供した人工呼吸器1000台あまりは中国から調達したものであることを認めた。

英紙ガーディアンの25日付報道では、英国政府はさまざまな「人工呼吸器迅速製造システム」プランを検討中で、そのうちの1つである企業連合による「英国人工呼吸器の挑戦」プランには、航空会社、自動車メーカー、医療機器メーカーなど10数社が参加し、エアバスやシーメンスの名前もある。同連合は医療機器メーカーの既存の製造能力と設計能力を利用して、大規模な増産を実現させようとしている。英国に本社を置くマクラーレンをはじめとするレーシングチームもこの連合に参加した。また、家電メーカーのダイソンは元英空軍基地で新型人工呼吸器の大量生産を急ピッチで進めている。

崔氏は、「人工呼吸器業界はどこかの資金力のある企業グループが参入しようと思ってすぐに参入できるものではない。人工呼吸器を使用する患者は重大な生命の危機に直面していることが多く、製品の品質や性能が十分に信頼できるものでなければ、機器が原因の重大な問題が容易に発生する。自動車メーカーが急速に生産を転換することは現実的でない。人工呼吸器には整った産業チェーンがあり、新製品の設計・企画、部品の供給、研究開発・登録には、多くのプロセスを経る必要があり、少なくとも2年はかかる。今、世界の市場で最も不足しているのは原材料であり、基礎生産能力が中国に及ばない一部の国はより深刻な原材料不足に直面している。また、メドトロニックのような企業の生産拠点の一部はアイルランドなどにあって、米国国内にはない。米国が本当に人工呼吸器産業を発展させようとしても、2年から3年はかかる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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