「アルファード」フォロワー続々! 北京モーターショーで見た「衝撃の高級ミニバン」10選
レスポンス / 2024年5月4日 12時0分
4月25日に開幕した北京モーターショー(Auto China 2024)では、日本市場とは異なる中国ならではのトレンドを垣間見ることができた。そのひとつが「高級ミニバン」だ。トヨタ『アルファード』やレクサス『LM』が切り開いた「ミニバン×ショーファー」は、今や一大市場となっていると言って良いだろう。
今回は、会場で見ることができた、中国ならではの高級ミニバン10台を写真で一気に紹介しよう。
レクサスLMで世界に衝撃を与えた前席と切り離された2座席のみの車内空間や、高級車の標準装備になりつつある「セログラビティシート」、タッチ操作も可能な後席巨大ディスプレイといった車内空間の豪華さもさることながら、各メーカーの個性あふれるエクステリアデザインにも注目だ。
巨大EV市場である中国ならではの特徴として、こうした高級ミニバンのパワートレインはEV、もしくはPHEVであることがほとんどだ。また、中国では航続距離の長さそのものも一つの付加価値として考えられており、VIPを乗せて飛び回るであろう高級ミニバンにPHEVの採用が広がっているのも特徴のひとつと言えるかもしれない。
なお、今回テーマを「高級ミニバン」としたが、ボディサイズや価格等で厳密にカテゴライズしているわけではない。「アルファードやLMクラス」くらいの大らかな目でご覧いただきたい。(以下、順不同)
◆広汽伝祺 E9 PHEV 四座高定版
広州汽車「伝祺」ブランドのミニバン『E9』の最上級モデルとして、今回のショーで発表。ベースのE9はシンプルなデザインだが、特大のメッキグリルをはじめ、これでもかとデコレーションされたエクステリアは見もの。室内を撮影することはかなわなかったが、中国らしく赤と金で装飾され、ドラゴンの刺繍も入った内装はインパクト大。車名の通り4席のみの仕様で、前席と後席の間には、巨大なスクリーンが横たわる。価格は79.9万元(約1734万円)。
◆嵐図 夢想家(VOYAH DREAMER)
東風汽車の「嵐図」ブランドから登場した新型ミニバン。価格帯は広く、7人乗りのベースグレードから4人乗りの高級仕様まで揃えるあたりはアルファードに近い。4人乗り仕様でも前席とは完全にセパレートされるわけではなく、後席でも開放感のある空間となっている。展示車両はカスタムモデルなのか、白黒ツートンにメッキパーツ、さらにミニバンでありながらカーボンパーツを装着しているのが個性的。価格は33万元~63万元(約738万~1367万円)。
◆XPENG X9
中国市場の中では比較的新しい新興EVメーカーのXPENG(シャオペン、小鵬)が昨年末に発表したスマートEVミニバン。独自の車内OSを介した自動運転がもたらす新時代の「インテリジェントキャビン」を実現するという。温冷スマート冷蔵庫、21.4インチのインフォテイメントシステムディスプレイ、ゼログラビティリクライニングソファに加え、ラップアラウンド一体型セントラルエアコンを備える。ミニバンながら俊敏な運動性能にもこだわりあり。価格は35万9800元~41万9800元(約781万~912万円)。
◆ビュイック GL8 陸尊 PHEV
アメリカのGM系ブランドのひとつであるビュイックだが、中国では国民車的な扱いだ。ミニバン『GL8』に加わった上級モデルが『GL8 陸尊 PHEV』で、AIプラットフォームを採用したPHEVとなる。6人乗り、7人乗りを選ぶことができる。ホワイト内装の明るい車内が特徴で、コックピットのディスプレイはメーターパネルとセンターディスプレイが一体化した曲面タイプ。余談だが、今回取材したクルマの中でも最も多くのライブ配信者がスマホ片手に同時に配信をおこなっていた。価格は35万9900元(約781万円)から。
◆上汽大通 MAXUS 大家9 超混
ICEの「大家9」をベースとしたPHEVで、ミニバンを数多くラインアップする上海汽車系MAXUSブランドの中でも上級モデルの位置付け。セダン系のトレンドであるスッキリとしたデザインから『ノア/セレナ』クラスと思いきや、全長5270mm、全幅2000mmとアルファードより一回り以上大きい。サイズを活かした広大な空間、モーター走行による静けさへのこだわりは、ビジネス、ファミリーと幅広い用途を想定する。1300kmという航続性能も魅力だ。価格は25万9900元~33万9900元(約564万~約737万円)。ヴェルファイア的なギラギラした仕様も。
◆ZEEKR 009 光輝
吉利汽車の100%EVブランド「ZEEKR」のショーファー用途も想定したEVミニバンの最上位モデル。前席との間に仕切りのある4座仕様だ。外観はスクエアで一見オーソドックスなワンボックスに見えるが、複雑なヘッドライトや光るグリル、ピラーの見えないフロントウインドウなど、デザインの評価が高いZEEKRならではのセンスが光る。108kWhのバッテリーで700km超の航続を実現。0-100km/h加速4.5秒というスペックにも驚きだ。価格は78万9000元(約1713万円)。
◆ボルボ EM90
そんなZEEKR『009』をベースにボルボ車として仕上げられたのがこの『EM90』。同じ吉利汽車傘下によるOEMだ。ボルボ初のミニバンとして話題となったのも記憶に新しい。フロントマスクやテールランプはいかにもボルボデザインだが、よく見ればそれ以外はほぼZEEKR 009のままだったりする。ただ、内装デザインや質感、コックピットのインターフェスはすべてボルボの哲学に則ってしっかりと作り分けられている。価格は81万8000元(約1775万円)から。
◆DENZA D9 PIONEER
2023年のジャパンモビリティショーでも展示されたので、記憶に残っている人もいるかもしれない。DENZA『D9』はBYDとメルセデスベンツが共同開発したPHEVのプレミアムミニバンだ。その4座版が『D9 PIONEER』。前席との仕切りがあるタイプで、シートはかなり幅広のゆったりしたもの。天面ほぼ全域にわたるグラスルーフの開放感も大きい。フロントグリルはアル/ヴェル風? 価格は60万元(約1303万円)から。
◆ROEWE iMAX8
ROEWE(栄威)もMAXUSと同じく、上海汽車の一ブランド。『iMAX8』はサイドボディがホンダ『オデッセイ』、フロントマスクが旧型アルファードに似ていると話題になったことも。写真の車両はICEだが、航続550kmのEV版もある。内外装に大きな違いはないが、EV版には電力を活かした冷蔵庫付きの移動式センターコンソールが備わる。価格は28万9800元(約629万円)からと、5m級のサイズを考えても、今回紹介した中でもリーズナブルな部類。ちなみにICE版は16万5800元(約360万円)からとかなりの競争力だ。
◆紅旗 EQ9 PHEV 定制
最後は、中国国営企業である第一汽車の最上位ブランド「紅旗(ホンチー)」の一台。グリル中央からボンネットにかけてあしらわれた赤いライン(元はフラッグ)がブランドのアイコンだ。『EQ9 PHEV』は紅旗が誇るラグジュアリーミニバンで、4座モデルも用意し、ホワイトとパープルを組み合わせたその内装は豪華のひとこと。車名の「定制」はカスタムのことで、展示車両はさまざまなオプションが奢られている。とにかく強烈だ。価格は35万8800元(約778万円)からと、主席御用達ブランドであることを考えると、意外とリーズナブルなのかもしれない。
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