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【BYD ATTO 3 新型試乗】「BYD、選んで大丈夫?」その答えは…岩貞るみこ

レスポンス / 2024年8月31日 17時0分

今回のワンポイント確認は、いろいろテレビCMで見かけるようになったけれど、「BYD ATTO 3 って、なに?」である。そして、さらに言えば、「BYD、選んで大丈夫?」だ。


人はなにかを選択するときに、理由がいる。自分の好み以外にも、まわりから見られてどう思われるかは気になるところだ。特にクルマとなれば、安全面も気になる。


◆コンパクトSUVとしては幅は少し広め&高さも高め


BYDは、中国発の電気自動車(以下、EV)である。BYDとは、Build Your Dreamの頭文字だといい、まるでLDH(Love Dream Happiness=Exileや三代目J Soul Brothersのマネジメント会社)みたいだ。会社名はさておき、クルマで夢を叶えようという思いのこもった社名は好感が持てる。


今回試乗したのは、日本で展開している3台の中核を担うATTO 3(アットスリー)である。価格は450万円から。この他に、コンパクトな『DOLPHIN』(ドルフィン=363万円~)、スポーツセダンの『SEAL』(シール=528万円~)となっている。


ATTO 3のボディサイズは、全長4455mm、全幅1875mm、全高1615mmと、全長はともあれ、幅は少し広め&高さも高めで、この高さは機械式駐車場では厳しいところがある。ただ、そのぶん、車内はゆったりと広い。運転席に座ると、ドアまでの空間にゆとりがあるし、後席に至っては、天井も足元も広々としていてほっとする。


◆難癖のつけようがない乗り心地


インテリアは独特の形状と色合いで、試乗車は、グレーがかった紺色を基調に、朱色のスティッチ等がアクセントになったタイプ。落ち着いていてカジュアル感もあるまとまり具合である。特にドアポケットは、ベースの弦のような朱色のゴムが張ってあり、思わず指でつま弾いてしまう。ゴムタイプは、安っぽく見えるのかと思いきや、なかなかの質感があり好感が持てる。


シフトノブのデザインは、初めて見る形状で最初は戸惑うものの、P(パーキング)が独立したスイッチになっていて操作しやすい。エアコンの吹き出し口や風量調整部分のデザインもユニークで、丸を基調にした存在感がある。そして、目をひくのは、ある意味巨大なナビ画面だ。いわゆる、タブレットPCが張り付けられているような形状で、もちろんナビだけではなく、エアコンを含めたさまざまな機能が集約されて表示される。画面自体は、好みに応じてタテとヨコにスイッチひとつで変えることができる。


そして乗り心地。なんたってEVなので、加速が軽い。そして静か。ハンドリングにもクセがなく、とても自然に走ることができる。駆動力はモーターなので、エンジン搭載車を試乗したときのように、アクセルを踏んだときのエンジン音に対して加速が足りないとか、エンジン音が安っぽくていやといった難癖のつけようがない。本当にスムーズなのである。


◆中国には、日本のような認証制度がないが


さて、中国製のクルマというと、ひと昔前に衝突実験で粉々になる映像が出回った記憶が残っている人もいるだろう。中国には、日本のような認証制度がない(北米とおなじ)ので、不安に思う人もいるかもしれない。ただ、日本で販売される中国製の車両は、基本的に欧州の安全基準をクリアしている。国連の日本~欧州の相互認証協定により、日本での販売が認められており、安全性も環境性能も確かなものだ。このあたりの心配は無用といえる。


今回のワンポイント確認「BYD ATTO 3って、なに?」は、中国発のEVで、乗り心地スムーズでゆったり走れるクルマである。そして、「BYD、選んで大丈夫?」は、安全基準も環境基準も問題ないので、デザイン、インテリア、車内の広さなどお気に召したらぜひ選択肢に入れてみて、なのであった。


■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★


岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。国際交通安全学会会員。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室」を上梓(すべて講談社)。

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