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気付いた時にはパンクする!? 知らないと損するラジエーター選びの新常識と失敗しないポイント~カスタムHOW TO~

レスポンス / 2024年11月30日 6時30分

ラジエーター交換チューニングは必要なのか。ラジエーターはエンジン冷却水を冷却するための装置。エンジン内部の熱を奪って温度が上がった冷却水を走行風に当て、温度を下げてエンジンに戻すという役割をしている。


◆ラジエーターの役割って何なの?


水冷エンジンにおいて、エンジン冷却水の温度は最も重要なこと。温度が高すぎればエンジンに重大なダメージが起きてエンジンブローにつながってしまう。そこで冷却水の水温を適正に保つ必要がある。


古くからチューニングの世界ではパワーアップに合わせてラジエーターのチューニングが行われてきた。それはエンジンパワーの増加に合わせて発熱する熱量が増え、水温が高くなってしまうからである。


そこで銅製ラジエーターの厚みを増した2層式や3層式などと呼ばれるラジエーターに交換したり、アルミ製のラジエーターに交換するなどのチューニングが行われてきた。


ラジエーターは空気と熱交換をして冷却水の温度を下げているので、表面積が多い方が有利。より大きなラジエーターが有利となるが、市販車の場合スペース的にラジエーターを大きくすることは難しい。そこでラジエーターの厚みを熱いものにして、その分表面積を増やそうと言うアプローチが行われてきた。


◆ラジエーターの性能差は表面積を広げる事だけじゃない


それ自体はもちろん理論的にも間違っていないが、問題はいかにして風が抜けるかが大切。ラジエーターに当たった風が通り抜けるときに熱を奪っていくので、風が抜けなければ温度は下がりにくい。


なので、ラジエーターの厚みを厚いものにすると、表面積は増えるが走行風が通り抜けにくくなるので、必ずしも 冷却性能がアップするとは言い切れないのだ。どれだけの流速で走行風が当たるかによって左右されるので、サーキット走行や高速道路など速度の高い風が当たる場合は、厚いラジエターでも問題ない。


だが、ミニサーキットや街乗りなど速度域の低いところで使うと、むしろ分厚いラジエーターは性能を発揮しにくくなってしまい、水温が思ったように下がらないこともあるのだ。


そのあたりは各メーカーによって設計が異なる。厚みを熱くした分、チューブとチューブの間に入れられている放熱用のフィンのピッチを粗くして、風の抜けを良くしているものもある。薄めのコアにフィンピッチを細かくして、薄いけれども風が抜けるときに多くのフィンと熱交換をできるように設計しているものもある。


また、高速サーキットなどだけを考えれば、厚みの薄いラジエーターにフィンピッチは細かい物で積極的に走行風を当てて抜く方が効率が良い場合もある。そういったステージに合わせて適したものが変わってくるので、どこそこのメーカーのラジエーターを冷える。どこどこのメーカーのラジエーターは冷えないといった。一概に言えるものではなく、使い方によって大きく変わるのだ。


また、材質によっても性能が異なる。一般的には、銅製の方が自己放熱性能が高いので、街乗りをメインとした流速の低い速度域で使うのであれば、銅製の方がよいと言われていた。


◆結局の所、銅最強説は本物なのか?


アルミ製ラジエーターは自己放熱性能は劣るので、速度域の高いサーキットの方が適していると言われてきた。実際材質としての性能はそのようになるが、現在日本ではアフターパーツの銅製ラジエターの販売は少なく、ほとんどのメーカーがアルミ製になっている。


そのかわりアルミ製ラジエーターでも速度域の低いところでも十分に放熱性能が出せるように各メーカーでは設計しているので、そういったモデルであれば街乗りで使用しても全く問題は無い。そもそもラジエーターを高性能にすれば、放熱性能は上がるが水温も安定すると思いたいが、水温が何度になるかはラジエターと言うよりも、むしろサーモスタットに依存する。


サーモスタットは設定温度になると開き、ラジエーターに冷却水を送る。設定温度以下ではラジエーターに水を送らず、エンジン内部だけで循環してエンジンが早く温まることを促すようになっている。


市販車で普段乗りの場合、エンジンの発熱よりもラジエーターの放熱性能の方が高い。そのためサーモスタットが90度で開く設定であれば、水温は常に90度付近を行ったり来たりしている。


なので、街乗りがメインの場合にラジエーターを高性能にしたからといって安定する水温が下がるわけではない。また安定する水温を下げたところで、低すぎる水温はエンジンコントロールコンピューターの方で水温を上げようと低水温補正が入ってしまい、常に燃費の悪い状態になってしまう。


ラジエーター交換はサーキット走行などで水温がぐんぐん上がって110度を超えてしまうような場面がなければ、普段乗りではとくに装着する必要はないのだ。

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