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慌ただしい生活の中で見失う”余白”大切さを体感する「ぼーっとする大会」 大学生が誘致し多くの人が行き交う駅ビルで実現

RKB毎日放送 / 2024年9月17日 10時41分

最近ぼーっとしましたか?

ぼーっとすることを競う大会が9月14日、北九州市で開かれました。

そこには、「余裕がある人がかっこいい」と考える1人の大学生の思いがありました。

思い思いの衣装を身につけ、じっと動かない人たち。

寝ている…のではなく、目を開け、無表情で一点を見つめています。

14日、JR小倉駅改札前の広場で開かれたのは、「ぼーっとする大会」。

ルールは、60分間何もせずにぼーっとし続けることだけです。

時計を見たり、居眠りをしたりすると脱落となります。

居眠りして脱落した人
「悔しいです。自分もぼーっとしていて寝ていたかもぼーっとしていたかも分かっていないです」

2014年に韓国で始まったこの大会は「情報過多の現代に生きる中で人生に余白を設ける」というコンセプトが話題となり、台湾やオランダなど世界6つの国や地域に拡大。

日本では去年、東京都で初めて開催され、今年は地方予選が開かれることになりました。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「みんな良い感じにぼーっとしてくれるから準備万端という感じです」

北九州市で初めての予選開催を呼び込んだのが、北九州市立大学に通う末廣和音さんです。

末廣さんは去年、学部の実習に加え、イベントの運営など慌ただしく過ごす中で、人に厳しく接してしまい、物事が上手く進まなくなる苦い経験をしました。

悩む中で、「忙しくしていることが格好良い」と感じていた価値観が変化したといいます。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「もう一回自分がかっこいいと思う人、憧れる人ってどんな人かなと思ったときに、余裕がある人だなと考えが変わって」

そんな中、大会の存在を知った末廣さんは、主催する東京の会社に直接メールを送信。

オンラインで北九州市で開催する意義を熱弁しました。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「小倉駅、一番人が出入りするところでもあるし、忙しそうな人とぼーっとしている人のコントラスト(対比)が生める一番良い場所だと思った」

大会の開催に向けて、最も重要なのが集客です。

若い世代やビジネスマンが利用する、コワーキングスペースやカフェなどに大会のチラシを置いてもらうよう交渉しました。

大会で使う備品の準備も手がけました。
作ったのはスタッフに頼み事がある時に使うカード。
青は飲み物、黄色はうちわ、それぞれ求めるものは違います。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「足つりそうだからマッサージお願いしますみたいな、叫んだらぼーっとしてないじゃないですか、さらっとこうやって上げたら、スタッフが寄ってきて対応してくれるという」

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「(Q本番だけどどう?)緊張しています。うまくやります」

大会には福岡県の内外から28人が参加しました。

北九州市から参加
「ありのままの俺で来ました。普段は虫などを捕っています」

春日市から参加
「普段仕事に追われて忙しすぎたので、1時間ぼーっとしたいなと思ってやって来ました」

審査は、観客による「最もぼーっとしている人」への投票の数と、心拍数の変動の少なさの2点で行われます。

観客(大人)「かなりぼーっとしています。眠そうな目元で」
観客(子供)「何もうごいていない」

観客(大人)「皆さんすごいぼーっとしている感じがするので、見習いたいと思います」

ぼーっとする1時間が終わりました。

100人以上の投票を踏まえた審査の結果、上位3チームに来月東京で開催される本戦への出場権が与えられました。

1位・門田里美さん
「晩ご飯何食べたかなとか1週間の振り返りをしたりしていました。ぼーっとし慣れていないので逆に良かったのかもしれないです」

多くの人が行き交う駅ビルの中で数十人がぼーっとするという異様な光景が広がった今回の大会。

慌ただしい生活の中で見失いがちな「余白」の大切さを訴えかけました。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「うまくいって良かったです。(Q末廣さんにとってぼーっとするとは?)プラスになるためにぼーっとするのかなと思いますね、行き詰まっている時にぼーっとすることによって新しいアイデアだったり人間関係もそれで良くなるのかなと思います」

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