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展示の目玉は”坂を上るゾウ” 福岡市動物園の3頭のゾウあす全面公開 3回の脱走とメスゾウの死のりこえ

RKB毎日放送 / 2024年11月29日 19時1分

今年7月にミャンマーから福岡市動物園にやってきたアジアゾウ。

子ゾウが脱走する騒動や12歳のメスゾウが死ぬという悲しい出来事をへていよいよ30日、3頭が全面公開されます。
飼育員が語る展示の目玉は、”坂を上るゾウ”です。

福岡市動物園の3頭のゾウ

2頭並んで餌を食べる親子。22歳の母親ゾウとメスの子ゾウ(3歳)です。

お腹が空いているのか、親子でえさを取り合っているようにも見えます。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん「よ よ よ よ」

餌を置いた合図は、飼育員の掛け声です。

RKB 植高貴寛記者
「ゾウが餌に向かって力強く坂を上っていきます。すごい迫力です」

高台に置かれた餌をめがけて駆け上がるゾウ。

大きな体を揺らしながら何とか上りきりました。

子ゾウは好奇心旺盛、おてんばな性格

冷たい雨が降り、気温が10度を下回っていたある日の午後、子ゾウは水遊びをしていました。

好奇心旺盛、遊ぶのが大好きなおてんばな性格でおとなしい母親ゾウとは正反対だといいます。

福岡市動物園では、この親子と14歳で穏やかな性格のオスのゾウ、あわせて3頭が飼育されています。

公開開始を1か月先送りに

今年7月、およそ4000キロ離れたミャンマーからやってきた4頭のアジアゾウ。

受け入れた福岡市動物園は、当初、10月の全面公開を目指していましたが、ゾウと飼育員の信頼関係構築を最優先して公開開始を1か月先送りしました。

公開までの4か月、ゾウをめぐっては、騒動や悲しい出来事もありました。

子ゾウが柵をすり抜けて脱走

8月には、子ゾウが柵をすり抜けて脱走。

高台で鼻を回しながら遊んでいますが、その真下を人が通り過ぎていきます。

少なくとも3回の脱走を繰り返していた子ゾウは、ワイヤーの隙間から脱走したといいます。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「ピンと張っているんですけどワイヤーの間がちょっと大きかったのか子ゾウがプロレスラーがリングインするような感じで出ていった」

目撃した人「あ!戻りよう!戻りよう」「人間みたいなことしているんだ」

子ゾウは、自ら柵の内側に戻り、来園者との接触という危険な事態を招くことはありませんでした。

子ゾウ脱走の原因となった柵の隙間は、現在、鎖でふさがれています。

12歳のメスゾウ死ぬ

9月には、12歳のメスゾウが死ぬという悲しい出来事もありました。
ゾウが死ぬという想定外の事態に直面しながら3頭のゾウとの信頼関係を築いてきた白浜さん。マフーと呼ばれるミャンマーの飼育員から今も引き継ぎを受けていますが公開までの4か月は苦労も多かったと話します。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「マフーが直接飼育をやっていましてゾウと同じ空間に入って飼育する方法をやっています。我々は準間接飼育といって檻の外からゾウに接してゾウをコントロールするような飼育をやっているけれどもその切り替えといいますか、かなり時間を要しました」

「坂を上る様子、日本で唯一だと思う」

環境の変化にも慣れた3頭のゾウ。

いよいよあす、全面公開の日を迎えます。

白濵さんが語る展示の目玉は、”坂を上るゾウ”です。

福岡市動物園・ゾウの飼育担当 白浜祥平さん
「ミャンマーでは山の中に暮らしているのでそういった坂を上る姿は山では普通なんですけど、それを見ることができる日本で唯一の動物園かなと思っているので、迫力とか頑張って上る姿を見て楽しんでいただけたらなと思います」

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