「二つの心」を持つようになる? 左右の脳が分離されたらどうなるのかを示す興味深い実験結果
ロケットニュース24 / 2012年1月2日 10時0分
右脳と左脳が、それぞれ異なる機能を持っていることは一般によく知られていることだ。左脳は「言語・数学・論理」、右脳は「イメージ・顔認識・音楽・空間認識」といった機能を持っているといわれている。
右脳と左脳は脳梁(のうりょう)と呼ばれる太い線維の束を介して情報のやりとりがされているため、入ってくる情報を総合的に処理することができるが、この脳梁が事故や手術などによって稀に切断されてしまうことがある。こうして「脳が分離された状態になるとどうなってしまうのか?」を示す興味深い実験結果をご紹介したい。
「分離脳」の状態であっても、通常は左右の視野から多くの情報が入ってくるため、日常生活には支障がないことがほとんどであるが、ある実験の下で片方の脳にのみ情報を与えると、非常に混乱した状況が発生する。
たとえば、左右の視野を区切り、左視野のみにりんごの画像を見せて、見た物をつかむように指示すると、りんごをつかむことができるが、りんごをつかんだ理由を説明することができない。これはつまり、左視野の画像が右脳で処理された結果りんごをつかむことが可能になるが、その情報が左脳に伝えられないため、言語機能が働かず、りんごをつかんだ理由を説明できなくなからだと言われる。
その他、非常に稀なケースだが、分離した右脳の言語機能が発達したことで有名な患者ポール・Sはまさに右脳人格と左脳人格という「二つの心を持つ男」だったそうだ。「大人になったら何になりたい?」という質問に対して、右脳は「カーレーサー」と答え、一方で左脳は「製図者」と回答したのだ。
また、子どもの頃のいじめられた体験について、ある分離脳の男性に尋ねたところ、左脳は「もう気にしていない」と回答したのに対して、右脳は「まだ怒っている」と答えたという例もある。
そして最も有名な分離脳の患者の一人は左手では自分の妻を憎んでいると書き、身体の左半分が妻を叩こうとするのに対して、右半分がなんとか左半分の行動を抑えつけようとしたという。複雑な感情を処理する際に右脳と左脳で異なる解釈をした結果、行動が非常に混乱したものになったのかもしれない。
こうした例を聞くと、私達の行動や認識は左右の脳がつながっているからこそ、ある程度のバランスが保たれているのかもしれないと思わされる。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:io9(英文)
photo:flickr Arenamontanus
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