過酷な労働環境でアップル製品はつくられている / 長時間労働、絶えない爆発事故、週7日労働も

ロケットニュース24 / 2012年1月31日 17時0分

過酷な労働環境でアップル製品はつくられている / 長時間労働、絶えない爆発事故、週7日労働も

新しい製品がリリースされるやいなや、たちまち注目を集め、予約が殺到するアップル製品。iPhoneやiPadなど、世界中で絶大な人気を誇っているが、それらがどのような環境で製造されているか、考えたことがあるだろうか。

工場の実態を明らかにすべく、中国のアップル製品の工場に足を踏み入れたのはニューヨーク・タイムズの記者である。詳細な取材調査ののちにまとめられた長文のレポートが多くの注目を集めている。
 
記事は中国にあるアップル製品の工場の労働環境が劣悪なこと、また事故が絶えないことを指摘している。長時間の残業は当たり前。週7日労働をすることもある。未成年の労働者も確認されたことがあるとのこと。

そして、作業員の健康・安全面に配慮がされていないという。あるサプライヤーの工場では、iPhoneのスクリーンを洗浄するために有毒な化学物質を使うように作業員が命じられ、137名が健康被害に遭った。その有害な物質は蒸発速度が速いゆえに、作業効率を高めるために使用されたという。
 
また、別のiPadの工場では爆発事故が2件発生。成都の工場では4名が死亡し、77名が怪我を負った。原因はアルミニウムの粉塵だ。当時iPadの販売が始まったばかりで、日々何千台ものiPadのケースを研磨する作業が作業員に課されていた。そして、アルミニウムの粉塵の処理と換気が適切にされないまま、粉塵が工場内に広がり、爆発が発生したのだ。

この事故の後、粉塵対策が再度見直されたにも関わらず、またしても上海のiPad工場でアルミニウムの粉塵による爆破事故が発生。多数の怪我人を出した。

アップル自身、製造工場の行動基準を定め、毎年いくつもの工場を査察し、違反が認められれば注意喚起をしているという。

にも関わらず、改善が進まないのはなぜか。元アップル役員はアップル独特の「秘密主義」を理由の1つに挙げている。サプライヤーはアップルとの契約について一切他言してはならないとされる。この閉鎖性によって労働環境の改善が進まないのだと批判する声が広がった。
 
今月、多数の権利擁護団体やメディアの要求によって、アップルは初めて156のサプライヤーのリストを公開。しかし、孫請け会社については、依然として情報は不明なままだ。

また、アップル製品に対する消費者の絶大な信頼があることにも記事は触れている。アップルのブランドイメージは非常に高く、ニューヨーク・タイムズによる昨年11月の調査では、56パーセントの回答者が「全く悪いイメージがない」と回答した。
 
同じく途上国に製造工場を持ち、その労働環境の劣悪さが指摘されたナイキやGAPのように、外からのプレッシャーと批判がなければ変わらないと指摘する声もある。現アップル役員の語る言葉がまさにその点を物語っている。「消費者は中国の労働環境よりも、新しいiPhoneに興味があるんだ」

このレポートは大きな反響を呼んでいる。ニューヨーク・タイムズのサイトでは読者からのコメント数が1700件を超え、アップルへの批判、アメリカの製造業の将来を憂う声、消費者の意識を問題視する意見など、様々なコメントが寄せられている。

みなさんはこの問題をどのように考えるだろうか?

(文=佐藤 ゆき
参照元:New York Times(英文)

写真:ロケットニュース24

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