中国から電車に乗って北朝鮮に行ってみた / 北京~平壌の一部始終を公開

ロケットニュース24 / 2012年2月13日 11時0分

中国から電車に乗って北朝鮮に行ってみた / 北京~平壌の一部始終を公開

日本と北朝鮮は地理的に近いものの、国交がないため旅客機の直行便が飛んでいない。また、北朝鮮を旅行するには事前に登録して許可を得る必要がある。そういうこともあって、北朝鮮に旅行しようという人は限りなく少ない。

もちろん、情勢や日本と北朝鮮の関係が微妙なのも旅行者が少ない理由のひとつだが、それでもその国を「自分の身をもって」知ろうとする行為は間違いではない。今回は、中国の首都・北京を経由して北朝鮮・平壌まで電車に乗って行った旅行者の体験談をお伝えしたいと思う。

<北京から平壌までの旅程>
1日目17:25 中国・北京駅から国際列車に乗る
2日目07:30 中国・丹東駅に到着 / 出国手続き
2日目09:35 北朝鮮・新義州駅に到着 / 入国手続き
2日目10:45 北朝鮮・新義州駅から発車
2日目18:50 北朝鮮・平壌駅に到着 → ホテルへ

・北京駅から国際寝台列車に乗る
17:25分に発車する国際寝台列車に乗るため、北京駅に向かいました。電車内では物売りのおばさんが車内販売みたいなことをして売りにくるのですが、念のため前もってカップラーメンとかお菓子を買っておくことに。なんとなく雰囲気のあるイイ感じの車両でテンションがあがりました。

・北朝鮮の人が週刊アスキーとニュートンに興味津津
寝台列車のベッドは4人1部屋のコンパートメント。同じ部屋になったのは自称・大学教授の朝鮮人男性。北京で仕事をして、これから平壌に戻るところとのこと。「また北京に戻るのんですか?」と聞いたら、もう戻ることはないらしい。

北朝鮮内ではインターネットができないので、成田空港で週刊アスキーとニュートンを買ってきました。それをテーブルに置いていたところ、大学教授が「読んでいいかね?」と聞いてきたので手渡す。どうやらある程度のカタカナを理解できるらしい。中国語はペラペラらしいので、日本の漢字も少しは理解できるはず。けっこう日本の雑誌も読めるようです。

・翌朝に丹東駅に到着 / まだ中国
特にすることがないので早めに寝ました。翌朝、大学教授が私を起こしてくれました。どうやら、もうすぐ丹東に到着するようです。丹東は戦争時代に日本軍が駐留していた中国の地方都市で、一度だけ以前にもきたことがある場所でした。

ここで出国手続きをして、パスポートに「丹東 出国」のスタンプを押してもらいました。この丹東から乗ってくる朝鮮人が多くいるようで、北朝鮮に向かう車両が新しく連結されました。ぞくぞくと食べ物を買いこんだ朝鮮人たちが列車に乗ってきて、私の4人部屋も満室に。

・入国手続き
北朝鮮・新義州駅に到着すると、北朝鮮の軍人が大勢入ってきました。入国審査をするのでパスポートを渡すように言われ、パスポートと一緒にツーリストカード(ビザ)を渡しました。北朝鮮では、パスポートに出入国のスタンプを押してくれません。ツーリストカードに押されるのです。そして、そのツーリストカードは出国時に北朝鮮側に渡さなくてはなりません。

この出国審査は列車から降りずに列車内でやるようです。「ちょっとこっちおいで」と軍人に言われ、私はコンパートメント内で軍人と二人っきりに。かなりニコニコしている軍人で、「いいんだよいいんだよ、リラックスして」という感じで優しく対応してくれました。

・ iPhone4SとiPadを封印
いろいろと私の持ち物を調べた結果、iPhone4SとiPadは通信機器としてみなされ、出国まで使用できないように封印すると言われました。ニンテンドー3DSとPSVita、iPodはそのまま持っててもいいようです。

そんな出国審査をしていたとき、軍人が自分のサイフを見せてきました。いろんな国の紙幣が入っていて、「どう? これ俺のコレクションなんだよね」と見せているようです。つまり、「キミも何か海外の紙幣を持っていないかい? あれば少しほしいなあ」ということらしい。

日本円やドル、ユーロを要求しないところをみると、どうやら純粋に紙幣を集めているのかも? そう思った私は、つい先日に旅行したタイのバーツ紙幣がバッグに入っていることを思い出し、100バーツと20バーツ紙幣を北朝鮮の軍人に渡しました。すると、「うおおおおお!! これは対のお金か!? はじめて見たぞ(笑)」と大喜び。ということで出国審査は終了。

・北朝鮮軍人が激怒「ゴルァァァァ!」
出国手続きもスムーズに終わって列車が出発。外には農家、牛、畑、歩く人々、今の日本にはないのどかな風景が! ウキウキしながら写真を撮りまくっていたところ、背後から「ゴルァァァァ!」という声が。軍人がこちらをギッとにらんでいます。どうやら、勝手に写真を撮るなと言っているようです。このあたりは撮っちゃダメらしい。

すると周囲にいた朝鮮人たちが「コイツはイルボン(日本)だからよくわかんないんですよ。許してやってください」と言ってくれたようで、軍人は「イルボンだと!? ぐぬぬ……。お前らこのイルボンが撮影しないように見張っとけよ!」という反応を示しながらも立ち去ってくれました。

・北朝鮮の人たちがご飯をご馳走してくれた
北朝鮮に入って数十分が経ったころ、同じ部屋の朝鮮人がテーブルにご飯をたくさん並べて「お食べなさい♪」と言ってくれました。これがまた美味しい! しかもビールまでご馳走してくれて、とても幸せな時間を過ごすことができました。

ご飯の内容は、日本のナムルのようなものと肉炒め、佃煮、ライス、海苔、魚の燻製などでした。うーん、どれも最高に美味しい! ビールはなぜかハイネケン。細長い魚の燻製が美味しくて食べまくっていたら、魚まるごと一匹くれました。

・私を異様なまでに寝させようとする北朝鮮の人
そろそろ撮影してもいいだろうと思ってカメラを持って風景を撮りまくっていたところ、大学教授が異様なまでに「寝なさい」と言ってくる。コンパートメントから出ると、あとをつけるように一緒に部屋から出てくる。軍人に徹底して見張るように言われたのかも? なんだか不気味だと感じました。

しかも、他の部屋の人たちはコンパートメントのドアを閉めて個室にしているのに、私の部屋だけは何度閉めても、気がつくと開けられている……。これもイルボンである私がいる部屋だからだろうか? 別に日本のスパイではないんだけど……。

・停電で2~3回ほど停車
この寝台列車は電気で走っている。石炭(?)を燃やして発電して走っているという情報もありますが詳しくは不明です。でも、2~3回ほど急に電気が消えて列車が止まるというトラブルが発生。あとから旅行ガイドスタッフに聞いたのですが、それは北朝鮮が電力不足で不安定だからだそうです。そんなトラブルが続いたので、18:50に平壌に到着する予定だったのに到着したのは22~23時ごろ。

・平壌に到着するが待ち人おらず
平壌駅に到着してホームに出ると、多くの人たちが待っていた家族と再会して喜びの声をあげている。みんな、長期間家族と会っていなかったのかも!? しかし私を待っているはずの旅行ガイドスタッフがいない……。

どこにもいないので、平壌駅のホームをウロウロ。仕方がないので見学のつもりで旅行ガイドスタッフを探そうと20分ほどウロウロ。念のため私が乗っていた車両に戻ってみると、そこに2人のスタッフが! 旅行ガイドスタッフと政府の指導員らしい。ということで、無事に平壌に到着しました。

Photo&Traveler: Kuzo


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