ネットで話題になっている『ワタミタクショク』の業務形態について聞いてみた / ガソリン代自己負担・事故の保障無し

ロケットニュース24 / 2012年2月24日 17時0分

居酒屋『和民』といえば人気の居酒屋だ。その経営会社であるワタミフードサービスの元女子社員が自殺した事件は、外食業界に大きな衝撃を走らせた。そしていま、会長である渡邉美樹氏が自殺女性に対する「責任逃れ」とも受け取れる発言をし、物議をかもしている。

その後、会長はこの件に関して猛省したようで「命懸けの反省をしなければならない」とTwitter上で発言している。しかし、この件以外にもワタミ関連で物議をかもしている話題があるのをご存じだろうか?

ワタミグループには、弁当などの販売業『ワタミタクショク』を運営するワタミタクショク株式会社がある。その事業形態が「違法なのではないか?」と複数の人たちから指摘されており、インターネット上で注目されているのだ。

弁当の宅配業なら全国に多数あるが、ワタミタクショクのどの部分が「違法なのでは?」と指摘されているのか? それは「スタッフが自家用車で弁当を配達する」という点だ。

道路運送法第78条を読んでみると、以下のように書かれていたので自家用車をそのまま宅配に使用するのは違法というのがわかる。
 
(有償運送)
第78条 自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
1.災害のため緊急を要するとき。
2.市町村(特別区を含む。以下この号において同じ。)、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により一の市町村の区域内の住民の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送(以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき。
3.公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき。

 
上記にあるとおり、法律上、自家用車で運送業をするのは特別な場合を除いてマズイようだ。この件に関して、神奈川県警交通相談室に話を聞いてみた。「自家用車で運送業を始めるときに何か申請が必要なのか?」と尋ねてみたところ、以下の回答が得られた。
 
「自家用車で運送業をはじめたい場合は、その車両を運送業に使うことを各都道府県の運輸局に申請し、認可されなければなりません」(神奈川県警 談)
 
物品を宅配して金銭を得る場合には、各都道府県の運輸局に申請を出す必要があり、運送用車両としての申請がないと違法となるようだ。しかしワタミタクショクの会社概要を見ると、事業内容には『弁当・おかずと夕食材料の販売』とだけ書かれており、弁当の配達業とは書かれていない。そこでワタミタクショクの営業所に電話をし業務内容を確認したところ、「なるほど」と思うような回答を得られた。
 
・宅配をするのは当社社員ではなく業務委託での契約
・委託を受ける場合は自家用車必須(電動自転車を貸し出してくれる営業所もあり)
・宅配にかかるガソリン代は請け負った者の自己負担
・事故が起きた場合は当社ではなく委託を請け負った者が対応
・車両保険が家庭用の場合は別途業務用の保険に入る必要がある可能性もある

 
つまりワタミタクショク自体は配送をしておらず、宅配をするのは業務委託を請け負った外部の人間ということになる。ワタミタクショクは弁当を宅配して金銭を得ているのではなく、あくまでワタミタクショクが個人に弁当を売り、その「弁当を売ること」で対価を得ているのであれば「運送業ではない」ともいえるので、法律上は問題無いのかもしれない。

あくまで記者が各所に話を聞いたうえでの見解なので、これが正しいかは定かではないし、実際にこういった形の業務をしているかも定かではないことを補足しておく。もちろん、ワタミタクショクと契約する際にしかるべき手続きをし、運輸局の許可を得ていればまったく問題はないだろう。

ただ、自家用車でお弁当を運ぶ際に事故が起きた場合も自己負担、ガソリン代も自己負担では、渡邉会長の言う「会社の存在目的の第一は、社員の幸せ」という目的が達成できるのか不安なところだ。まぁ、「業務委託」なので社員ではないというようにも受け取れるが……。

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