【おはよう短編小説】嫌なことでも「ありがたい」と思えば人生バラ色

ロケットニュース24 / 2012年3月15日 7時0分

僕は佐々木健太郎といいます。いまは26歳です。でも周囲の同僚とか友だちからは「すでに貫禄がある」といわれるんです。それはたぶん、僕がなんでも「ありがたい」と思うからでしょう。僕は、嫌な上司がいじめてきても「ありがたい」と思うのです。

ほとんどの人たちは、嬉しいことがあれば「ありがたい」と思うはずです。僕は嫌なことがあっても、嫌な状態になっても「ありがたい」と思うようにしています。そうすることで、相手に憎しみがわかないのです。自分の環境を不遇だと思わなくなるのです。

僕は中学生のころからそう思うようにしています。中学三年生のころに高校生の不良たちにボコボコにされたときも、殴られながら「ありがたいことです。ありがたいことです」と思っていました。

高校二年生のとき、近所の犬が僕を噛んで左腕の肉をズタズタに引きちぎった時も、死ぬほど痛かったけど「ありがたい! ありがたい!」と思っていました。大学時代にスキー場でリフトから落下して右足を骨折した時も「ありがたいですね! ありがたいですね!」と必死に自分に言い聞かせました。本当にありがたいです。生きていたんだし。

だから上司に悪口を言われたりいじめられても心のなかで「ありがたいです」と思い、彼女が浮気をしても「それはありがたいことだね」と言って許しました。つまらないゲームを買って損をした気分になっても「ありがたい経験だね。お金を払ってでも得たいありがたさだね」と思いました。本当にありがたいです。普通ならそんな嫌な経験あまりできませんからね。貴重な経験はありがたいです。

最近は、何が起きてもありがたいと思うようになりました。しかし先日、友だちが私を激しく罵(ののし)りました。友だちが階段で転倒して腕を折ったのですが、僕はつい「ありがたいことだね」と言ってしまったのです。友だちは烈火のごとく怒って、僕のことを非人道的だと怒鳴ってきました。ありがたいことです。

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