【基本が大事】英国の手洗い推進キャンペーンで院内感染が激減 / 約1万名の命を救った可能性あり

ロケットニュース24 / 2012年5月15日 20時0分

【基本が大事】英国の手洗い推進キャンペーンで院内感染が激減 / 約1万名の命を救った可能性あり

新しい薬、新しい医療機器が開発され、医療は日々進歩している。が、超超基本的なことで実は多くの患者の命が救えたのではないかという情報が飛び込んできた。その基本的なこととは「手洗い」である。

英国医療ジャーナルに掲載されたレポートによると、英国の病院で実施された積極的な「手洗い推進キャンペーン」によって1万名近くの患者の命が救われたと推測されているのだ。

病院のスタッフと来院者に対して手洗いを推進するキャンペーンは2004年に始まった。このキャンペーンの効果により、院内感染の原因となることが多いMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)とクロストリジウム・ディフィシレという細菌による感染の件数が大幅に減少したという。

このMRSAという細菌による感染は、キャンペーンを開始するまで恐ろしいペースで増加していた。1990年代には年間たった100件だったのが、ピーク時の2003年から2004年には、なんと7700件に。それが、手洗いキャンペーンの開始後、2010年から2011年には1481件へと大きく減少したというのだ。

手洗いキャンペーンの内容は至ってシンプルだ。何千枚ものポスターを院内に貼り、来院者とスタッフに対して、患者に触れる前や食事をする前、トイレに行った後に手を洗おうと呼びかけるというもの。定期的に手が清潔かどうか確認するチェックも行われた。

このキャンペーン期間の4年間に病院が調達した石鹸とアルコールジェルの量は患者一人あたり21.8ミリリットルから59.8ミリリットルと3倍近く増加したそうだ。また、2004年の調査では、医者と看護師の4人に1人は患者と接触した後、別の患者に触れる前に十分な手洗いを行っていなかったというからこれまた恐ろしい。

50万ポンド(約6400万円)のコストがかかったこのキャンペーンは2010年に終了した。しかし、これほど基本的な事を徹底することで多くの命を救えるのであれば、この先もずっと手洗いを徹底していきたいものだ。新しい医療技術の開発だけでなく、基本的な衛生管理の徹底も同じくらい大事なのである。

(文=佐藤 ゆき
参照元:Mail Online(英文)


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