【制作秘話】破天荒すぎる漫画『ザ・松田』の編集担当者にインタビュー 「ネームの時の先生は怖くて近づけない!?」

ロケットニュース24 / 2013年3月25日 13時0分

【制作秘話】破天荒すぎる漫画『ザ・松田』の編集担当者にインタビュー 「ネームの時の先生は怖くて近づけない!?」

今の世の中に、「無敵」といえるヒーローは存在するのでしょうか? 最近の漫画・アニメ作品は昔と比べると純粋な「強さ」を持ったキャラクターが少ないように感じます。そんななか、無茶苦茶なヒーローが活躍する漫画が連載開始となりました。その名は『ザ・松田 超人最強伝説』です。

主人公松田鏡二は、散弾銃の弾を手で払いのけたり、曲がった東京タワーの鉄塔を素手でまっすぐにしたり。「いんだよ! 細けえ事は~~!!」で何でも解決。そんな強烈な作品の編集担当の方にお話しをうかがいました。

・ザ・松田とは?
今作は平松伸二先生の作品、『ブラック・エンジェルズ』(週刊少年ジャンプ:集英社、1981~85年に連載)のスピンオフ作品です。主人公松田は元刑事で、肉体を武器に独自の喧嘩殺法で、悪党を次々と叩きのめしていくのです。

・決め台詞「いんだよ! 細けえ事は!!」
作品を象徴する一言が、松田の決め台詞「いんだよ! 細けえ事は!!」。現実では解決困難と思われる時事問題も、松田はこの一言で強引に片付けます。銃弾を打ちまくられようが、ミサイルのジェット噴射に生身でさらされようが、一切関係なしッ! そもそも何度も作中で死亡しているのにも関わらず、そんなことは「いんだよ! 細けえ事は~~!!」で一蹴じゃいッ!!

・松田復活の背景
『ザ・松田 超人最強伝説』は、別冊漫画ゴラク(日本文芸社)で2010~12年まで連載された前作(ザ・松田 ブラックエンジェルズ)を踏襲する形で復活しました。そもそも松田は、『ブラック・エンジェルズ』の前期で銃弾に倒れて死亡し、後に霊になって登場したキャラクターです。なぜ、蘇ることになったのでしょうか? 編集担当者によれば、

「先生が松田(が主人公の漫画)をやりたいと仰ったんです」

その一言で死亡後のいきさつを一切無視して、復活することになったようです。さすが松田を生み出した平松先生、細かいことは気にしないようです。

・怒りが松田を動かす
松田復活に当たって、別冊漫画ゴラクでは「これは面白い作品になる」と思ったそうです。担当者によると「まず第一に、本誌の読者層に松田というキャラクターがぴったりとはまっていました。さらに本誌では作家さんの個性を出せるのが一番良いと考えています。平松先生も、先生の持っているものを全開で出してもらうのが良いと考えていました」とのこと。その結果、世の中の理不尽や不条理、それらに対する先生の怒りが松田を動かしているようなのです。

したがって、作品の打ち合わせのときには、「先生、何か怒っていることありますか?」と尋ねるのだとか。打ち合わせで出てきた内容(先生が怒っている事件や事故など)をテーマに、次号の制作が進められるそうです。

・ネームのときはアシスタントも先生に近づけない!?
実際に作品を描き進めるとき、最初に行われるのが「ネーム」(大まかなコマ割りや構図を決める作業)です。作品の内容を決定する大事な作業です。平松先生がこの作業に当たっているときは、誰も近づけないそうです。「気迫とでも言うんでしょうか。そう言った鬼気迫る感じが出ていて、アシスタントの方も怖くて近づけないらしいです」と担当者は言います。渾身の力を振り絞って、原稿に向かう平松先生。迫力ある漫画を描けるのは、その気迫があればこそなのかもしれません。

・「破天荒」から生まれる共感
はっきり言って、松田の活躍は無茶苦茶と言わざるを得ません。一言でいえば「破天荒」。とにかく力技で解決に導くその姿は痛快! しかしなぜか、心のなかに去来するものがあります。それは「現実がこうであって欲しい」や「こうであればいい」という、願いに似たものを感じるのです。なぜ、無茶苦茶なのに共感してしまうのかを担当者に尋ねると、

「弱者を守る存在、それが松田です。昔ながらのヒーローとでも言った方が良いかもしれません。松田の台詞そのものは、作中で自然に発せられたものですが、もしかしたら読者の気持ちを代弁しているのかもしれないです。憤りや嘆き、怒りなどみんなが思っていることを描く、それが『ザ・松田』ではないでしょうか」

と説明しています。ちなみに最近はメールや手紙で、「○○の問題を松田さんに解決してもらいたいです」と問い合わせが来ることもあるそうです。また、トークショーやサイン会では若年層のファンが参加することもあるとのこと。破天荒なヒーローは着実に支持を集めているようです。

今後の作品の動向について担当者は、「松田はぶっ飛ばし続けます(笑)」とにこやかに答えてくれました。暗い話題や難しい問題が多くあるなかで、これからも松田は悪党・外道を素手でブチ倒し続けてくれることでしょう。「最近、人生うまくいってないな」という方は、ぜひご一読頂きたいです。「いんだよ! 細けえ事は~~!!」で、すべてが解決するかも!?

Photo:Rocketnews24
取材協力:別冊漫画ゴラク
参照元:ザ・松田ブラックエンジェルズ 1巻 2巻 3巻


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