まるで『ジョジョ』の鉄塔男! 2年間一度も地面に降りることなく木の上で生活を続けた女性の話

ロケットニュース24 / 2013年11月14日 12時0分

まるで『ジョジョ』の鉄塔男! 2年間一度も地面に降りることなく木の上で生活を続けた女性の話

人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部に登場する、鉄塔に住む男の話をご存じだろうか? その男(偽名:鋼田一豊大)はスタンドと呼ばれる特殊能力のために、鉄塔に住むことを余儀なくされた人物だ。

まさにその世界観を想起させるような女性が、アメリカに存在した。自然保護活動家の彼女はなんと738日、つまり2年間にわたって60メートルの木の上で生活したのである。その間、一度も地面に降りなかったというから驚かされる。一体なぜそのような暮らしを送ったのだろうか?

・自動車事故で転機を迎える
ジュリア・ヒルさんは1996年、22歳のときに自動車事故に遭遇した。頭蓋骨を骨折する大けがを負い、1年間しゃべることができなかったそうだ。そのとき彼女は、人生について深く考えたそうである。それまでの彼女は経歴とお金に重きを置いて生きてきたという。

・アメリカスギの伐採に抗議
事故から回復した後に、さまざまな世界への探求を試みた。そしてたどり着いたのは、北カリフォルニアでアメリカスギの保護を行う活動団体であった。森林伐採を行っていたパシフィック・ランバー・カンパニーによる、スギの伐採に抗議する活動を行っていた。彼女は森を形成する巨大なスギにすっかり魅了され、活動に加わることを決意したのである。

・最初のアクションは失敗に終わる
アメリカスギの樹齢は長く、活動団体が保存を訴えている木々の樹齢は1500年と言われている。業者の伐採を止めるために彼女は、もっとも高い木のうちのひとつに登り、作業をストップさせようと画策した。だが、彼女自身木の上での生活経験があったわけではなく、最初の挑戦は数日で幕を閉じた。これでメディアの注目を集めることができれば良かったのだが、それも叶わず、アクションのすべてが失敗に終わってしまった。

・一躍「時の人」に
そこで改めて、木の上での生活にトライすることとなる。調べたところ、その当時、木の上での生活世界記録は42日間であった。その日数を越えれば、世界的な注目が集まるだろうと考え、木での生活がスタートした。予想した通り、生活が100日を超えた頃、ニュースに取り上げられるようになり、支援を名乗り出る有名人や彼女との接触を求める政治家があらわれた。一躍、時の人になり「バタフライ」の愛称で知られることになったのである。

・壮絶な生活
一見、作戦は成功したと見られていたが、思わぬ方向へと向かっていくことになる。彼女が求めたのは、アメリカスギの伐採を止めることだ。伐採の現状が広く知られれば、スギを守ることができると考えていた。

彼女は自分の住処として選んだ1本の木に「ルナ」と名付けた。ルナとの生活は壮絶を極めるものだったそうだ。地上の生活とは異なり、すべてが不便であったに違いない。時には風雨に耐えて、落下の危険を感じながら生活することは至難のわざであったはず。また、立ち向かわなければいけない相手は自然だけではなかった。活動団体に対し、伐採業者が常日頃からいやがらせをしていたのである。

・心の支え
さすがに木に登ってくるということはなかったものの、彼女は遠くから聞こえてくる木々が伐られたり、なぎ倒されたりする音を聞くたびに胸を痛めていた。唯一彼女の心を支えたのはルナの存在であった。彼女にとってルナは偉大な教師であり、友人であったそうだ。生きることについてルナと共に生活するうちに、学んだのかもしれない。

・緩衝地帯の獲得に成功
長らく続いた木の上での生活も終わりを迎えることになった。業者の方が、60メートルにおよぶ中立的なエリア「緩衝地帯」を設けたのだ。ちなみにルナは、この緩衝地帯の中に入っている。

また、その代わりに活動団体は5万ドルを業者に支払うことで合意した。こうして2年と8日にわたる抗議は終了したのである。その5万ドルは持続可能な伐採の研究のためフムボルト州立大学に寄付されたそうだ。

余談だが、ルナはこの後に心ない者の手によって、切り倒されてしまうことになる。さらにその後、切断面をワイヤーで固定して再生し、以前のように発育を続けているそうである。木の上での生活は1997年12月10日から98年12月18日まで続いた。その当時、ジュリアさんは23歳であった。驚くべきバイタリティと信念を持った女性である。

参照元:ODDITYCENTRALen.wikipedia(英語)

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